一寸先は闇

カテゴリー:
最初に先日のコレクションには多くの方のご来場いただきこの場をお借りして心より御礼申し上げます。勉強不足のセンスの無い呉服屋が増えたため、私共が目指すほんものの上品なキモノが市場から消えつつあり由々しき事態ですが、多くの方にお褒め頂き、私のものづくりの姿勢や方向が間違ってはいないという確信があらためて持てましたし、今後ともそうしたものづくりに精励しようという使命感をつくづく感じております。以前にも書いたかも知れませんが、いわゆる本物というものは、すっきり、あっさりした感性を求められますし、そうしたものは時代を超えて飽きが来ず、愛でられるものです。
ところがそのことを分かっている人は意外と少ないのです。作り手が分かっていても売る側が分かっていないと、そのものが消費者の手元に渡りません。逆に消費者がそうしたものを求めていても売り手が理解していないと、作り手にその感性を伝えられません。このコラムを読んでおられる小売屋さんも居られるようですが、要はお客様に直接接する人のセンスを磨く努力、勉強が如何に大事であるかということです。そのためには単に本を読むのではなく、美術館や画廊などをマメに見て、自分の感性をみがくことです。そのうち段々何となく分かってきますし、そうして自分の個性も培養され確立していくのです。
最近良いものがなくなったという声は呉服屋さんからもよく聞きますが、では良い物とはなんですか問うと、単に高いものだとか豪華なものだとか言う人がいますが、大間違いでしょう。
この世の中から本物がなくなるのか、そうした生産ができないようになるのか、これからの呉服屋さんの努力次第ということです。日本の文化であるキモノの本物のものづくりを理解される方、失くすに惜しいと思っておられる方はぜひ大きな声を上げて、そのもの作りの環境を守るようにご尽力いただきたいものです。技のある人、正直者ほど馬鹿を見るようなつまらない状況に、心ある生産者は憤慨しております。嘘をついて騙してでも何でも儲かればいいというようなとんでもない輩を排除できないと、結局最悪の事態を迎えることになるでしょう。私は孤軍奮闘ながらそうした状況を打破するため今後も尽力してまいりますので、よろしくご助言いただきますようお願い申し上げます。

前置きが長くなりましたが、若葉が目に染み入る初夏の頃となり、花粉の飛散もあと少しです。いい季節になったなと思っていたら、とんでもないニュースが飛び込んできました。
本当に世の中何が起こるか分からないし、亡くなられた方のご冥福をお祈りするだけでなく、なぜこうしたことが起きるのか、二度とこうした不幸なことを繰り返さないようにしなければなりません。
ただ色々考えると今夏の事故には伏線がある様に思います。
他の業界でもそうですが、ここのところの風潮で、何が何でも儲けろというような会社が山のように有りますし、JR西日本もそうした会社の一つだったのでしょう。色々なものを犠牲にし、節約し、利益を出した社長が偉いということで、バブル崩壊から10年で企業風土が変わってしまったところがあるように思います。以前が良かったとは決して言いませんが、ベテランを辞めさせ、リストラしてでも利益、利益というのは何かを喪失していきます。
確かに改革に痛みはつき物ですが、その結果何がどうなり何を目指すのかと言う理念がしっかりしていないと、結局益出しのためにやった後ろ向き施策で自分の首を絞めてしまいます。かつてSONYは故障しないものだと思っていましたが、今は一番故障するといわれています。これは明らかにリストラによる品質管理のベテランが去って行ったからではないでしょうか。
私がよく言う文化の維持継承もそうした会社では難しいでしょう。
でもそうした根本的な考え方のここ近年の急激な変化は明らかにその背景にある金融行政の結果でしょう。また政治の話をすると何か言われそうですが、国民感情無視の小泉、竹中ペアのせいで、日本が持っていた文化風習が壊れて行くスピードが早くなりました。まあ竹中は数字はうるさく言っても文化にはトンと縁がなさそうですし、その机上理論のために地方の多くの文化が崩壊のピンチにあるということには気がつかないというより、それを残す重要性を感じていないでしょう。
今回の民営化の問題も机上の空論の典型ですが、ヒットラー小泉は強行するようです。優勢民営化でサービスが拡大し国民にとってプラスだといいますが、民業圧迫は明らかで、かえって社会は混乱する基となるでしょう。
まあ小泉は先を見る目は有りません。ビジョンが有りそうでない最低の男の一人だと私は断言しております。馬鹿に権力を持たせるとどうなるか分かりそうなものですがね。彼は海外旅行は大好きで、おおはしゃぎで観光していますが、自分の金で言ってもらいたいものです。そのくせ外交センスはゼロに近く、アジア軽視は明らかで、中国が怒るのもわかります。まあいくら言っても愚痴っぽく聞こえるので辞めますが、馬鹿政治家と、阿保役人のために日本が大事にしてきた自然や文化、風習が次々壊されていく現実には腹立たしいを通り越してもうあきれ返るしかありません。今回の事故はそうしたことの延長上にあるような気がします。
会長は関経連副会長を辞めないそうですが、どんな神経でしょう。
部下の起こした不始末はすべてトップの責任という自覚にかける、情けない爺がここにもいたという思いです。
どんどん壊れていく文化を守ることは日本人として立派な仕事という思いでこれからも色々知恵を出してがんばりましょう。明るいニュースしかない日々が来ることを期待して、壊れたものを直していかねばなりません。
いつもながらぐだぐだ長く書いてしまい申し訳ございませんが、どうも腹立たしいことばかりの今の世の中につい筆が滑ってしまいます。
花粉の飛散もほぼ終わりましたが、健康にはくれぐれもお気をつけください。

高橋泰三   拝

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.taizou.jp/mt/mt-tb.cgi/144

コメントする

月別 アーカイブ