開店6周年

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暖冬傾向が続くこのごろですが、世界的な異常気象がエルニーニョ現象のせいというだけではなく、地球規模の温暖化にあることは周知の事実でしょう。
今後もこの傾向が続くこと、それを避けることが現実的にはかなり困難であることを考えると、北極の氷がすべて解け、海面が数メートル上がり、多くの日人命が失われることになるという本当に最悪のシュミレイションがそのまま進行していくのでは無いかと危惧されます。

肝心のアメリカが京都議定書を批准しないなど、結局はお国の事情というエゴがいつまでたってもまかり通っています。
人間の持つあくなき欲が、自ら首を絞めているのでしょうし、神の怒りに触れて大惨事が続発することは必至でしょう。

日本も本来の国の成り立ちや、風習から考えると、聖徳太子の言う和を持って尊しと成すという思想が最も大切であることは言うまでもないことだと思うのですが、昨今のいわゆる格差社会はこの思想の崩壊から来る結果でしょうか。

こうした背景を受け、この国の経済はここしばらく益々荒れると思います。
いわゆる格差は多方面に広がり、その是正は、今国会の大きなテーマでもありますが、現実にはこの春以降の国民負担増はますますその格差を広げることとなります。
企業収益も益々大企業偏重が加速するのではないでしょうか。
全企業数の7割以上は中小企業ですが、その中でも業種間格差は拡大していますし、どの業種間でもかなりばらつきがあります。

物販で言うと、きものの過量販売に端を発したとも言えないのでもないのですが、ローン販売に対する規制が厳しく、きものや宝石などのローンを使うことが主流で販売していた業者は、このところ大変苦戦しているようですし、すでに多くの企業に倒産の噂が出ています。
この数年大銀行に対する優遇から来る金余りが、信販会社の過剰与信を生み、ローン提携販売は4兆円を超える高水準で推移していましたので、この与信を制限されると高額品の販売はかなりの影響を受けることは必至です。

マンション販売などを除くと、きもの、宝石はその中でも多分突出してその依存度が高いのでは無いかと思われますので、噂ではローン残高200万円というような規制が続くと、この1,2年で代金回収のローン依存が高い企業の経営は破綻すると予想され、その主たる取引先の経営も同様です。

こうした前売り市場の低迷を受け、この半年ほど、きもの産業の産地の生産状況はかつて無いほどの落ち込みが続いています。特に白生地の主たる生産地、丹後の1月の生産統計では、季節変動はあるものの最盛期平均80万反以上の生産が、なんと5万反を割り込んでいます。
同様に浜縮緬で名高い長浜は月生産が1万反ほどまで落ち込んでしまいました。
両者に顕著な数字ではかつて最も多かった一越縮緬の生産が激減し、両方併せて月に400反も織られていません。
フォーマルの高級品の生産が如何に減っているかという証拠ですが、隔世の思いです。
良い物を作るには、素材、原料も上質でなければなりませんが、数量が激減していくと、もともと消費量の少ない上物の生産を支えることもままならず、私共にとっても安閑としておられないのです。
多くの呉服屋はこのような現状認識がいまだに浅く、危機感も無く、旧態然とした経営を続けていますので、そういうところにはいずれ商品提供が困難となるでしょう。
もう少し生産地の実態を認識し、きもの販売に真剣になってもらいたいものだと願わずにはいられません。

さて当店もこの9日を持って開店して早いもので満6年となりました。
これも一重に多くの方々のご支援の賜物とあらためて厚く御礼申し上げる次第です。
振り返ると、この間の東京の変貌はすさまじく、今年も巨大なプロジェクトが次々と立ち上がりますし、高層マンション建設も歯止めがありません。
一体どうなるのか分かりませんが、現在の都政では、節操無く開発が進み、江戸の文化も次々消えていくでしょう。
東京の中心部だけのとんでもない土地や賃料の高騰はバブル期を抜き、異常な事態で、いずれ必ず禍根を残すことになると予想されています。
しかしながら木を見て森を見ない経営者ばかりの昨今の情勢では、当分今の風潮も収まらず、ますます地方との格差が開き、いずれ予想される大地震の発生は日本に壊滅的打撃を与えるでしょう。
政治や経済があまりにも一極集中することの危険性を考えない日本は異常としか思えないのですが、もうここまで来ると首都機能分散議論もどこかに飛んでしまいました。

長期の大規模開発は、日本固有文化の破壊にもつながり、ますます日本人の文化的教養レベルは下がる一方でしょう。

そのことに警鐘を発する人は私一人ではありませんが、無分別、無教養、非見識の大きな波の中にかき消されてしまいそうです。

そういう状況だからこそ、私は日本人として先人の築き上げた金には換えられない、素晴らしい固有文化の維持継承に今後とも粉骨砕身努力してまいる所存です。
それが私の残された人生の使命であるとつくづく思うこのごろです。
同じ思いを持っている人は私だけでは有りませんし、生産パイは本当に小さくなっても何とか将来に向けて橋渡しがしたいものだと痛切に思うこのごろです。

2月から男子の正社員も来てくれますし、本物のきもの文化の啓蒙により一層尽力してまいりますので、益々のご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

暖冬とは言え朝晩まだまだ冷え込んでいますので、健康にはくれぐれもお気をつけ下さい


高橋泰三   拝

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