その2 紋の種類

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今回はキモノにつける紋の種類を記してみたいと思います。
技法でいうと大きく言うと2種類あります。また図柄で言うと家紋しゃれ紋です。
技法では染め抜き紋(我々は通称抜き紋といいます)と刺繍紋(通称縫い紋)です。
もっとも正式な紋は抜き紋で、それ以外は略式となります。
抜き紋とはその名のとおり、生地をその紋の形に抜染し、紋の上絵屋さんがそのふちを描き、細くて線で抜けなかったところなどを、色を挿して修正したりして完成させます。ただ黒留袖は後で色が抜けませんので、最近は御誂え以外は石持ちと言って製造の段階で五つの紋の位置に糊を置いて染まらないようにします。
濃い地色のものは白く抜くのは困難ですので、刺繍にするか、白く抜けなくとも共薄くらいの色で作るときもあります。
また色を抜くとき薬品を使いますので、比較的濃い色を抜いたときは、生地がその分傷んでおり、年数を経て時々紋の入れ替えなど依頼されても、紋のところに穴が開くということもあるのでお断りをすることもあります。
第二次大戦以前は絵羽物(留袖、訪問着、振袖)は殆ど御誂えでしたので、製造のときからその家紋を糊を置いて染まらないようにしたもので、紋糊やさんに行くとそのための型がたくさん置いてあります(詳しくは小生のキモノの製造工程の話を御読みください)。今は殆ど販売してから紋を入れますが、勉強不足で紋に対する知識の無い販売員がいたりしますのでお気をつけ下さい。

家紋の表現としては、日向紋(ひなたもん)中陰紋(ちゅうかげもん)陰紋(かげもん)の三種類を使います。一番正式なのが日向紋ですが、そのキモノをお召しになる場所や御好みによって変えます。
染め抜き日向紋は紋の中を白上げにして、輪郭や詳細を細い線でかたどったものです。
礼装には殆どこの紋を使います。
陰紋は紋の図柄を白い細い線で表します。
中陰紋は陰紋より太い白い線で表しますが、共に略式の紋です。
それ以外に、家紋を輪の中に覗かせるように表現した覗き紋というのもありますが、どちらかと言うとしゃれ紋になります。
また色で紋を摺り染めする摺り込み紋というものもあります。地色が薄くて染め抜き紋が目立たない場合などに使います。
逆に地色が濃すぎて抜けない場合などで、それでも白く上げたいときは胡粉(ごふん)能代で表すときもあります。
これらは日向紋、陰紋ともに使いますがいずれも略式、あるいはしゃれ感覚としての紋となります。

いつも少し私のコラムは長いと言われますので、刺繍紋やその他の紋に関しましては次回にさせていただきます。

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高橋泰三 拝

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