夏枯れ

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中国の大地震に引き続き、今度は日本でも過去最大級の地震が勃発したり、わけの分から無い無差別大量殺人があったり、相変わらず不穏な情況が続く日本です。

お亡くなりになった方々には心から哀悼の意を表します。


さて早いもので今年も夏物や浴衣のシーズンとなりました。

京都も祇園祭で7月1日から31日まで鉾町は忙しい目をします。

さてキモノ業界は夏場となり益々生産が落ちます。一昔前は、春に追加受注した秋物の生産で、帯もキモノも一年中で現場は最も忙しく動き回っていたものです。

それが今では本当に夏枯れと言う言葉がふさわしく、特に今年の厳しさは、尋常ではなく、この夏を持って廃業するところが大分噂されています。

銀座も有名な店がまた一つ閉じられるようですし、そういう傾向が続きます。

構造不況がうたわれて久しいこの業界ですが、ここまでくると高齢化しているだけに堰を切って廃業していく可能性があって怖いのです。


銀行も情け知らずの金融庁マニュアルにしばられて、苦境のこの業界に助け舟を出せない情況になっております。


そのうえこの間の国会で、割賦販売法と特定商取引に関する法律の改正案が通過しました。

これは訪問販売やネット取引でのトラブルを防ぐ意味が大きいのです。

ネットでの販売にもクーリングオフが認められるようになりますので、思わず買ってしまったということでの揉め事は減ることでしょう。ただそれだけではなく、過量販売を防ぐために、ローンだけでなく、カードでの分割払いにもいわば総量規制を強化しようとするものです。

具体的にはまだはっきりしませんし、実施はほぼ6ヶ月以降ですが、そうなれば益々呉服販売が細る可能性があります。

もちろんキモノだけではありませんし、ローンやカードの与信が厳しくなることで少なからず影響を受ける業界は多いと思います。


きもの業界では資金繰りに相当苦しむところが顕在化し、当然のごとく倒産が予想されます。

私のこういう予想は今まですべて当たっていますし、本当はそうあってほしく無いのですが、淘汰の波はいやおう無く押し寄せてくるでしょう。


当面そのように予想される事態に対処する智恵を出すのは当然ですが、守ってばかりでは兵糧が尽きてしまいます。


攻めることを忘れては守りも出来ません。


どのように攻めるかは一概に言えませんが、上質で真面目なものを待望する消費者に向っていくことが肝心であることは言うまでもありません。

そのためにどういう手段を講じるか、それは個々の事情によりますから何が正解かは言えません。ただ本物作りをするもの、それを売るものは、自らに自信とプライドを持っているのなら、いわばブランド化を図り、そのこだわりを発信することが必要です。


販売が落ち込む状況下では、NO.1を目指すのではなく、ONLY1を目標とした商いを目指すべきなのです。


落ち込む市況の中では差別化が図りやすく、そうした動きは加速されるでしょう。

自らの仕事が日本の大切な文化の維持継承の一助となっていると言う自負があるなら、悪い悪いと嘆くのではなく、全知全能を振り絞り、勇気を持って行動することが唯一苦境を打破できるのです。


こんな時こそ真価が問われますし、考えようではとても面白いのかもしれません。

不真面目な私利私欲ばかりの業者の方が、声が大きいと言うきもの業界では、初心者が迷うばかりです。


真面目なものが正しい情報を如何にして消費者に伝えるか、それがこれからのキーポイントです。


マスコミにも、消費者だけでなく、良質な品物を市場に出したいと願う問屋やメーカーのためにも、より精度の高い情報発信をしてもらいたいと願うものです。


多くの情報が溢れている現状では、きもののことを良く知る人は別にして、初心者にはとても分かりにくいだろうと思いますし、そうした人たちを真摯に真面目に導く人が近くにおられれば良いのですが、現実はそうではない場合が多いと思いますし、私に出来ることがあればいつでもお手伝いさせていただきます。遠慮なく色々とお尋ねください。


相変わらず不順な気候です。健康管理だけには十二分にご配慮ください。


高橋泰三   拝

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