伝統を守る

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私はMIXIの会員でもあるのですが、そのマイミクさんの一人に、Oさんという女性がおられるのですが、京都の扇子屋さんの奥様で、滋賀県から嫁がれたのです。

そのお店は下京区の松原通にあるのですが、昭和の初期に建てられたいわゆる京町家で商っておられました。
さすがにその建物も老朽化して、色々と直さないといけないということになったのですが、この際今風に建て直そうとか色々な案があったようですし、今時よくあるのは、ビルにして上を貸すというようなことです。

しかしこの女性は二度と壊しては建てられない京町家の保存をする事が、創業者の遺志に叶うものであるという思いがあったのだろうと思いますが、ご主人を説得され、補修と改築をされることを決意されました。
いい大工さんとの出会いもあったのですが、それからほぼ三年近くの歳月をかけ、このほど見事に改築が成り、その中に立派なお茶室までおつくりになりました。

今日はその茶室開きという事であ招きに預かり参上したわけです。
今時町家の中に茶室を新しく作るというのは希有なことですし、その立派なお茶室は、これからこの家の顔として、歴史を積み重ねていくことだろうと思います。

京都の典型的な町家のつくりに、大工さんの知恵と技を結集して、本当に見事な出来栄えでした。
古き良き物で使えるものは出来るだけ使いながら、新しい木を組み合わせ融合させていく技術は伝統的な日本建築ならではのものです。

その補修のお陰で、これから100年は大丈夫だと大工さんが太鼓判を推しているそうですので、本当に日本の建築技術は見事なものです。

当社の数寄屋造りもそうですが、日本の伝統的建築は、100年、200年という単位で物を考え、それを維持継承しながら文化を紡いでいくのです。

しかしながら最近は親が死ねば直ぐにその建物を破壊して、プレハブの建物が建ってしまいます。
この家のように確かにお金も時間もかかっても、先人の思いを繋げていくという思想を日本人は改めて思いなおしていただきたい物です。

特に京都は日本の文化の発祥地でもあり、その矜持を持つという意味でもこうした建物を大切にして欲しいものです。

京都市は町家の補修に補助金を出すのですが、情けないことに表だけの分しか出ないそうです。つまり観光用に表だけ化粧してくれというのです。

しかもその補助金は贈与税の対象となるとの事で、そのことを聞いて呆れ返りました。

京都人が誇りを持って、その文化の維持継承に尽力することが、日本のアイデンティティの発揮ともなるでしょう。

外国人も京都につまらない汚らしいマンションが激増してしまったことを嘆いていますが、その景観を守るためにも、今回のOさんの決断と実行力は賞賛に値するものです。

ちなみにお店のHPはhttp://www.ohnishitune.com/

 京都に行かれたら一度お尋ねになればいかがでしょうか。

久しぶりに楽しい思いを致しました。

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