廃業加速の恐れ

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昨日東京に戻ってまいりましたが、ついこの間上海の超高層ビルを嫌ほど見てくると、東京のビルなどかわいらしいものだと思ってしまいますね(笑)

もちろん地震がなければ東京も摩天楼のように超高層ビルをぶっ建てていたのでしょう。

ただ以前にも言いましたが、上海のビルはとても個性があります。どうだと言わんばかりです。設計はフランス人やイタリア人が多いようで、曲線をうまく取り入れたおしゃれなビルが次々と姿を現しています。
日本はその点まっ四角のビルが多くて、今の脱個性の日本そのままです。

文化力が極度に低下して、アイデンティティを発揮できない日本では、いつまでたっても本当の意味での外交はできません。

今日京都の慶応の後輩で、有名な造り酒屋の社長と昼食をとりながら雑談をしていたのですが、今日本酒の業界も相当な苦戦だそうで、日本全体の日本酒(焼酎は除く)の末端需要は3000億くらいだそうですから、キモノ業界と同じような数字です。

多くの造り酒屋が廃業して、京都でも酒造組合員数はかつての3分の一しかいないそうです。

なぜそういうことになってしまったかという背景には、社会環境の変化があります。
最近の若い人は、座敷での宴会を嫌がりますし、日本酒で杯を交わすなどということもしません。
家で父親がワインは飲んでも、日本酒を飲んでいるところもほとんどなく、日本酒という日本文化に触れていないのです。

アルコール度数の問題や、食生活の変化に合わせた取り組みなど、業界自体の問題はあっても、基本的には和文化の衰退と運命を共にしているとい言うことです。

日本酒、特に大吟醸などという酒は、大変手間暇のかかる、多分世界一手のかかった酒だろうと思います。

ワインなどとは比べ物になりません。世界一の酒造り文化を有しているのです。

日本は多種多様な文化を垣根なく受け入れるという、ある意味特異な国です。その中の良い物を昇華させ自国文化と融合させるということでは天才的なところがあると思います。

しかしそうするにはまずは自らの文化をよく知ることが大切です。

日本の文化がいかに秀逸なものかを知って、そこに新しいテイストを付け加えるのが、いわゆる和魂洋才ではないかと思うのです。

しかし今は和魂がない、それどころかまるで洋魂和才のような人までいます。

こんな状況ですから、和文化に携わる人は、後継者もなく高齢化をしており、ここへきての不景気で、次々と現場を去っていきます。

いままでは歯を食いしばって頑張っていた人も、体面を気にしていた人も、もうここが潮時だと言って、現場を去っています。
キモノ業界でも、その人がいなくなれば大変だということが分かっているような仕事でも、今のように何の策もなければ、支えることはできません。

おためごかしに頑張ってくださいだけでは、生活はできません。辞めたほうが持ち出しがないのなら、辞めることにだれも異を唱えられません。

実際ちょっと公にできないのですが、ある加工業者が廃業することを画策していますが、そこが廃業することで、大変な影響があり、連鎖して辞めざるを得ないところもあるのです。

それが分かっていても辞めざるをえないようなところまで来ているのです。

加工賃を大幅に上げると、今度は発注者が持たないですし、根本的には消費が増えないなら、消えていくものはどんどん増えるということなのです。

数がないとやっていけない職種をどう守るかが、一番の難問です。
単価が安い仕事だけれど、それがなければ生産に重大な齟齬をきたすという仕事があるのです。
こういう仕事に行政が力を貸してくれればと思うのですが、現場を知らない役人が多いので、本当に危機を認識していないと思います。
民主党の地方議員にも陳情し、何かの糸口を見つけたいと真剣に今考えているところです。

今の状況では文化への予算が増えることも考えられないようです、広く薄くばらまく補助金行政を改めることしか、資金は捻出できないでしょうし、今までにない切り口で文化の維持継承策を模索してほしいのです。

経済も外交も、信念なき小泉ポチ政治の生み出したごみの掃除で大変です。
とてもすごいパワーがいるでしょうし、その間本当に混乱があっても、今の民主党が目指す政治の正義があるのなら、必ず道は開けるでしょうし、そう期待しています。

そうでなければ日本の文化は益々衰退、崩壊が進むと思います。

本当に今日本は難しいところにあると思います。しかしどんな国になるかどうかは所詮は国民自身が決めることだろうとつくづく思うものです。

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