茶道(ちゃどう)の普及

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今年ももうあとわずかです。京都では13日の事始めも終わり、正月を迎える準備に入ります。
正月の予定も次々入って来て、松の内は、いつものことですが何かと慌ただしく忙しい日々が続きます。

そんな予定の中に、茶道の初釜もあります。
私にも表千家家元の初釜の御招待をいただくのですが、仕事の都合で寄せていただけない年もあるのですが、来年はありがたいことに京都にいる日でしたので行けることになりそうです。

表千家不審菴の初釜は薄茶席の後、濃い茶は残月亭というお部屋とそれに続く九畳の広間を使われます。

この残月亭に初釜の時だけ、有名な「少庵召出状」という書状が掛けられます。

これは千利休の怒りを買って、会津に蟄居させられていた、千利休の娘婿で、千家二代目の千少庵が、徳川家康と蒲生氏郷の説得で許されたので京都に帰りなさいという書で、二人の連署となっています。国宝級の重要な書ではないでしょうか。
そして九畳の広間には、三代宗旦の手による書が掛けられています。お家元が使われるお釜は千利休愛用のものだそうですし、初釜に寄せていただく時は、千家の長い歴史と伝統文化をひしひしと感じる至福の時間です。

そのあと点心をいただくのですが、お家元、弟さんの左海宗匠、宗員若宗匠がお酒を注ぎに回られます。

また高弟の方々や千家十職の当主もお手伝いされます。

くじ引きがあって当るとお家元の書をいただけるのですが、以前私も短冊を引き当て、額装して家に飾っております。

京都で5日間の後東京道場でも開催されます。
裏千家、武者小路千家もほぼ同時期になさいます。

初釜で着るキモノは、いわゆるフォーマルのものが最適です。
流石に黒留めを今は着る人はいませんが、色留、訪問着、重めの付下げなどで、紋の入っているものがよろしいと思います。

男性の場合は正式には紋付き袴姿で、羽織をはずしてお席入りします。
羽織は茶人が十徳という羽織に似た衣装をつけるので、客のほうが控えるということになっているようなのですが、本当はあまり気にすることもないのです。
ただ羽織を着たまま席入りするとなんとなく白い目で見る人もいますので、できれば紋の付いた長着に袴を着けてお入りください。

お召に背に刺繍で一つ紋が入っているだけでも良いと思います。

紋をつけたキモノを着ていくのは、訪ねる先への敬意を払うということで、特にこういうお祝いの席では結婚式と同様の配慮をされれば良いのです。

私は色紋付きと袴姿でまいります。

当然ですが茶席では白足袋です。
茶の知識も何もない販売員が、お召に色足袋を勧めているようで困ったことです。

売る者がキモノのTPOを知らないということがキモノ業界のいま最大の問題になっています。

この教育を徹底しないといけないのですが、教育する側がまたいい加減なことを言いますし、本や雑誌にとんでもないことを書いている女性もいて、真面目な業者は苦々しく思っています。

ところで現在、茶道のお稽古をする人は、少子高齢化の波を受け、大変減っているようですし、高齢化が一段と進んでいます。

日本の茶道は、村田珠光、武野紹鴎、などを経て千利休で大成されたと言われているわけですが、その長い歴史のなかでは継承の危機が何度もありました。

2代目の時が最大の危機だったわけですが、大名のとりなしでその後、茶道は武家、公家、大商人などの教養として続いてきたわけですが、明治維新のおり、その歴史の灯が消えそうになった時がありましたが、その期はまだ、旧大名や公家が華族として残り、経済人でも茶道に親しむのが当然の教養だという風潮があったので、その危機を乗り越え継承されてきました。

先の大戦後も和文化の継承の危機でしたが、戦後復旧下の高度経済成長下で、茶道も一般に広く浸透して、一時期の危機的状況を脱することができました。

しかし近年の、和文化衰退は、今までにない危機だろうと思います。
社会環境、住環境も変わりましたが、何よりもお金を何に使うかという思想そのもの、価値観が変わってしまい、茶道を愛でる目も変わりました。
家でお釜をかける人もほとんどいませんので、茶道具などもひところより売れないようですし、職人さんも大変です。

茶道というのは、お道具だけでなく、あらゆる和文化の結晶ともいえ、関連する人はとても多く、経済的な影響も大きいのです。

確かにキモノ業界でも、茶道をされている方がヘビーユーザーともいえます。

茶道を愛する人をどのように育てていくかというのは他の邦楽などでも同じことですが、

ただ最近の傾向として面白いのは、若い女性で日本の歴史や文化に異常に興味を持つ人がふえていることで、お茶のお稽古でも、そこそこ若い宗匠のおられるところで次々と若い女性が入門されているところがあるのです。

全体としては減少傾向ですが、世代交代がうまく進めば、次に繋げていけるのではないかと思った次第です。

キモノ業界でも同じことで、若い世代が次の世代へどういう発信の仕方をするかということが肝要です。
そのためにも今のうちに年長者の知識、経験などを吸収するよう勉強していただきたいと思いますし、私もそのためには協力は惜しみません。

ただ急がないと、高齢者は現場を急速に去っていきますし、間に合わなくなります。

一段の御努力をされることを期待しています。

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