鉄は熱いうちに

カテゴリー:

茶道も含めて、キモノ業界は、多くの和文化とともにあるのですから、その衰退はすなわちキモノと言う服飾文化も同様に消滅に向かいます。

作りだすということができなければ、それは単なる文化遺産となり、その消費期限が終わって、ただの古裂です。

まあそんなことにはならないだろうとは思っているのですが、物づくりを継承する人がいなくなればそういうことになってしまいます。そういう危険性をはらんでいるということを業界人は認識して、何らかの対応をしていく必要があることは口が酸っぱくなるほど言い続けています。

行政にもそうしたことを分かってほしいと、京都府の伝統工芸の担当者にも訴えていたら、向こうから話を聞かせてほしいと言ってきたので、文化の継承のために何をすればいいのかということについて色々提案してみたいと思っています。

ところで先日、また能を観てまいりました。渋谷区松濤町にある観世能楽堂に行ってきたのです。時間の都合で最後までは見られませんでしたが、仕舞と「藤」という能を観ました。

この能はあまり演じられないもので、謡曲本でも続百番の中に入っているので、私も知りませんでした。

筋立てなどは単純ですし、まあ藤の花の美しさを愛でただけのものですが、それだけに技量が要求されます。
梅若万三郎師によるもので、しっとりと落ち着いた舞で、さすがだと思った次第です。

ところで仕舞も含め、舞台上に結構若い人がおられるので、驚くとともに羨ましく思いました。

それぞれお弟子を取って活躍されている人も多いようですし、中には能を分かりやすく見るための活動をされていたり、一所懸命その啓蒙活動に取り組んでおられる方もいて、みんな必死にこの芸能の灯を消さないように頑張っておられます。

若い人が、若い世代に発信されることはとても大切です。

まだ右も左もわからないうちに、こうした日本を代表する文化に触れることは、それからの生き方に、とても良い影響を与えると思います。

特に能はまさに教養の塊ですし、日本史の集約のようなものです。

ぜひ若い間に、脳が柔軟な間に触れてほしいと思うのです。

もちろん能でなくても良いのですが、歌舞伎などでも出来るだけ若いころから見ておくのは年を取ったときに一つの教養として役に立つでしょうし、海外へ仕事で出たときに恥をかかないですむでしょう。

知り合いの奥さんが3歳の御子息をいわば情操教育の一環として歌舞伎に連れて行かれるのですが、この方はテレビも見せず、親と語り合うことを基本にされています。

きっとこの息子さんは心豊かなバランスの良い大人になるでしょう。

何でもそうですが、まだ脳細胞がドンドン増殖しているころに体験したことは、大人になっても覚えているもので、それがその後の生き方にも大きな影響を与えることは当然です。

私も歌舞伎好きの父のおかげで、小学生のころから何度も観に行っていました。
先代団十郎の襲名披露公演で助六を演じられたのは中学生の時だったと思いますが、今でも良く憶えています。

そういう意味では、日本人が和文化を知らない、日本の大切なものを忘れているというのも、幼少期からの教育にまったく抜けていたということがあるようです。
最近は小学生のころから歌舞伎鑑賞などの授業もあるそうですが、親が知らないということが多いので、まだまだ啓蒙活動を進めなければなりません。

特に若い人たちが中心になって、次世代へ発信する努力や手段を考えて行けば、若い世代ほど和文化が視線に思えるらしく興味を持つ人は確実に増えて行くと信じています。

私のお稽古している清元など邦楽関係でも、若い師匠達は、そういう意味であきらめないで頑張ってほしいのです。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.taizou.jp/mt/mt-tb.cgi/395

コメント(2) | コメントする

名古屋にある津賀田中学には、邦楽の部活動があります。
生徒だけで唄、三味線、お囃子すべてやっているのです。

一般の人にも月に一回、体験講座を開催しています。
先日、体験に伺いました。
講師の方も熱心で、中学生の頃に習ってみたかった!と思いました。

鼓を打つ少女の凛とした清らかの姿が、印象に残りました。

日本伝統文化のある場所に身を置いてみる、触れてみる、感じてみる。
仰るとおり、とても大切なことですね。

トビウオ様

羨ましいですね。そういう子どもたちはきっと心豊かな大人になることでしょう。
そういう学校がこれからももっと増えることを期待します。

点数を取れるテクニックだけを教えるなど、本当に情けない教育です。
有名大学出ても何も知らない日本人など、本当に恥ずかしいことです。

知育、徳育、体育の三本柱を教育者は忘れてはなりません。

邦楽を学ぶことことは取りもなおさず徳育に違いありません。

こうした風潮が広がれば日本の将来に光が見えます。

本当は社会人の無芸大食の男どもに、こうした教育をしてやりたいものだとつくづく思います。人生は金勘定だけではありません。数学的思考で何ごとも成り立ちません。
なんでそんなことが分からないのか、情けない魅力のない大人が多すぎますね。

コメントする

月別 アーカイブ