ゆっくり生きたい

カテゴリー:

この数年、何かみんなイライラしているし、生き急いでいるような気がします。
つまり心のゆとりや余裕がなく、目先のことばかりで右往左往しています。

なぜそうなったのでしょうか。いつ頃からそうなったのでしょうか。
なぜもっとゆったりと暮らせないのでしょうか。

先日フランス在住の日本女性とお話をさせていて感じたのですが、フランスでは宅配便で次の日に着いたりするなどということは考えられないそうですし、また高価なものも送るのは憚られるそうです。
日本の運輸がいかに進歩しているかということの表れでもありますが、逆に考えると、別に明日付かなければ、それはそれなりに予定を組み立てれば良いわけで、それで困るわけではないでしょう。
そう思うとフランスはのんびりしているということでしょうし、大雑把なのかも知れません。

日本人は本当に工夫に工夫を凝らして、これでもかこれでもかと良いもの、より高度なものを作ろうとしますし、現実にそうしてきました。

この間誰かが言っていましたが、日本は島国で、一部の窓口以外は平安時代から鎖国的政策を続け、かつ諸外国からの干渉を長い間受けなかったので、いわばガラパゴス島のように、この国は思想文化も含めて、多くのものが独自の進化を遂げ、すべての面で諸外国の標準をはるかに上回る物づくりするようなDNAが刷り込まれていというのです。

確かにそういう側面がある事は確かですし、私が良く指摘しているように、文化レベルも断トツに秀逸なレベルにあると言って過言ではありません。

携帯電話や種々の電化製品でもその機能は、他国の生産品をはるかに上回る高度なものです。
でもそれほどの機能が必要でしょうか。
農作物でも胡瓜などまっすぐでなければならないとか、日本は独自の品質レベルを要求しています。

そんなに機能がついてもそれを使いこなしている人などほんのわずかですし、その機能が付いていなくてもほとんど不自由しません。

先日中国の蘇州に行った時感じたことですが、中国人の観光客は、持っているデジタルカメラはほとんどキャノンやソニーなどのほぼ最新型ですが、たまたまフランス人の団体が来ていたのですが、彼らが持っているカメラは、相当古いタイプのものでした。

中国人も日本人同様新し物好きで、韓国人も同様で、これも東アジア人のDNAかも知れませんね。

その点ヨーロッパ人はそんなことはあまり気にしないで、古いものを大切にしています。
特に家具や、銀の食器など、何代にもわたって使われたものが、今でも使用されています。

なぜそういう考え方になるのか、先祖の思いを伝えようとするのかということの裏には家族構成があるのでないでしょうか。

フランスなどは明らかに農業国ですし、一家全員で従事していますし、イタリアなども相続税がないせいか家業的な零細企業が多く、みんなでその仕事を受け継いでいるので、そうした家族の思い出を大事にするのでしょうか。

もうひとつはアンチーク家具は市場があって結構いい値で売れるということもあろうかと思います。
ちょっと話が脱線していますが、要するにフランスなどは日本よりなんとなくゆっくりした流れの中にあるような気がしますし、それはきっと食料自給率が100%をはるかに超えている、つまり食べられる国だということとも関係があるのではないでしょうか。
だから何かおおらかなところがあるようです。

ただものづくりに関しては、例えばブランド物でも特殊なもの以外はほとんど今では中国で作らせていますし、ましなものはイタリア、スペインです。
日本のほうがはるかに繊細で品質も上です。

日本はもっとみんなが将来への不安がなければもっとゆっくりと生きられるのでしょうか。
スローライフの勧めということを良く言われていたのが、最近あまり聞かなくなったのも、やはりこの10年以内の日本の政治や経済に問題があるということでしょう。

年金問題もありますが、私は現在の預金金利があまりにも安いことが実はとても大きな問題だと思っています。
一生懸命働いて、貯蓄をして、その金利と年金があれば老後は安心だと思っていたら、つまらない男のために、無能銀行を助けるために、その実りを収奪されてしまいました。

金利がそこそこ付けばそれが消費となるのですが、元金の減ることを恐れると、金を使わなくなるのは当たり前です。
金利があまりにも低いと言って、その銀行がまたアメリカの投資信託などを勧めて大損をさせるなど、本当に日本人に不安を募らせてしまったのは、明らかに政治の失敗です。

政権が代わってそうした安心感を国民に与えられるかは分かりませんが、我々自身ももっとゆったりと構えて、もっともっとというような生き方を変えて行ければと思います。

そのためには知恵も要りますし、また趣味を持つことも大切です。

自分さえよければ良いというような考えでは自分も首を絞めます。つまらない足のひっぱいあいのような競争は辞めてみんなで生き残れるような考え方が、日本人の取るべき道ではないかと考えます。

思いやりと助け合いというのが、高度に進化した日本人の精神文化ではないでしょうか。

規制緩和だとか馬鹿の一つ覚えのようなことをして一体だれが幸せになるでしょう。

この10年間GDPが伸びない先進国というのは日本だけです。大儲けする企業の陰に、叩かれ続けて食うか食わずの人がいるということが問題です。

自分が儲かる時は下請けの人やそこで働く人にも幸せを分配できるような、親分であって欲しいものです。

今年は過去のひどい政治を変えるとか、この10年のあまりにも冷酷で下品な思想の見直しだとか、次世代の人達への橋渡しの緒に就いたところでしょうし、だから新という字が揮毫されたのでしょう。

来年はそのために色々変えなければいけないことが次々と問題化して、実際荒れるかも知れません。でも勇気をもって変えて行くことしか、未来がないという信念を持って実行するかしないかで、結果に大きな差の出る年となるでしょう。

その勇気が試されるのが来る年ではないかと思います。

今年もあと一日です。迎える年の準備でお忙しいことと思いますが、天候が荒れるようですので、お気を付けください。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.taizou.jp/mt/mt-tb.cgi/399

コメント(2) | コメントする

おことうさんです! 今年も数時間で終わり新年を迎えますが、泰三様には
ブログを通し様々なお話をお聞かせ頂きまして有難うございました。
来年も景気の回復は望めず春頃には二番底になるとも言われますがどの様な
年になろうとも泰三様には着物作りやご家族皆様の為に、時には全力でまた
時にはゆっくりと毎日毎日を精一杯歩んで頂きたいと存じます。
東京から京都に向けて泰三様のご多幸とお仕事のご繁栄を心よりお祈り申し
上げます。今年一年お疲れ様でございました。
どうかご家族皆様で良いお正月をお過ごし下さいませ、有難うございました。

風天様

今年一年ためになるコメントを頂き心より感謝申し上げます。
来年も大変な年となりそうですが、一歩一歩物づくりに邁進してまいります。
大きなことは出来ませんが、本物が長く作っていけるような策を講じておくことが求められており、心ある人と協力してまいりたいと思います。来年も何かお気づきのことあればどんどんご指摘ください。
来年も駄文を連ねるかと思いますが、何かを感じていただければと思い、書き続けて行きたいと思っておりますので、よろしく御鞭撻ください。
貴兄の来る年の御多幸を心よりお祈り申し上げます。

コメントする

月別 アーカイブ