文化力の強化が国を救う

カテゴリー:

最近色々なマスコミ媒体に文化力という言葉を目にします。

私がずっと言い続けていることですが、やっとそうだと思える人が出てきたなと思っております。

効率一辺倒の経済ではなく、逆に非効率な経営、無駄と遠回りが成長の糧となるとか、
ゆとり、あそび心という心の付加価値が消費を活性化させるとか、その根底にある文化力が日本を元気にさせる鍵ではないかというのです。

私はまったくその通りだと思うのですが、言っているマスコミのどれほどの文化力があるのかは疑問ですね。

私流には文化力とは文化を理解する能力という風に考えています。

ただその文化というのは少なくとも和文化であってほしいものです。
歌舞伎も能も見たことがないくせにオペラの薀蓄を傾ける日本人というのは如何にも奇異に思えます。

少なくとも日本人の文化力の向上のために必要なことはまずは数多くの先人が築き上げた数多くの文化を知り、咀嚼することです。

それができれば諸外国の文化を比較し深く理解できるのです。
そして両方の文化を融合しまた新たな文化を作り上げていくのです。

一般に文化と言っても幅広く様々ですが、それを観光資源とすることもできますし、より感性の高いモノづくりに結びつくでしょう。

日本の文化レベルは世界的に見ても相当高度なものですし、手作りの結晶のようなものが多く、世界最高峰の文化力を国として有していると言えます。

ところがそうしたもののピークは今からほぼ30数年前までで、以降暫時低下していると言えるでしょう。

先日京都の新聞に取り上げられていたのですが、北山丸太という杉でできた特別の材木がありますが、これは杉の木を15年~40年年にわたって手入れをしながらあまり太くならないように節ができないようにして作っていくもので、京都の伝統的工芸品に指定されています。
http://www.kitayamasugi.com/

この木材は何に使われるかというと、主に床柱、茶室など、高級な木造建築にかかせません。
それがこの間からの雪で相当な数の木が倒れたらしく大きな被害が出ているのだそうです。

この北山丸太は京都の北西部のあるところだけで、人工林で生産されているもので、非常の生産数は限られています。
最盛期が今から40年近く前で当時の金額で40数億円だったそうですが、今ではなんと2億もないということでした。
当然ですがこれほど規模が小さくなると後継者も無いところが多く、この被害を潮に廃業しようという人が大分いるのだそうです。

約600年の歴史を誇る日本最高の木材づくりが風前の灯のような状況です。

なぜこうなったか、簡単な話で新築しても和室を作らない家が激増したうえ、数寄屋建築などの高級な木造建築自体がほとんどありません。
つまり需要が激減しています。

和室がない、床の間がないからお軸が飾れないなどという状況です。

こうした今の日本の文化力を全般的に強化していくには、いったいどうすればいいのかということです。

マスコミは簡単に言いますが、畳のない部屋で育ったよう子供たちに日本文化を説くのはなかなかに手間ですが、諦めないで地道にいわゆる啓蒙活動を続けていくしかないのです。

では大人に対してはどうすればいいのでしょうか。
こちらのほうがもっと難問です。

年を取ってある程度自分のスタイルを確立している人に、特に男に、和文化を啓蒙、教育するのは、私も色々な人を歌舞伎に連れて行ったりもしましたが、なかなか嵌ってくれる人がいません。

日本の大人が日本を知らない事をもっと恥だと思わせるようなキャンペーンを張るなど、和文化継承の危機が、国力の疲弊となるということを気が付かせるようにしたいものです。
特に政次家、高級官僚がもの知らずは国の恥だと気づかせたいものです。

士分の人間の文化力が国を左右する、つまり文化のパトロンとなるべき人を育てることが肝心ですし、そのためには税制も含めた議論が必要かと思います。

ただ今の総理大臣では暖簾に腕押しかと思いますがね。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.taizou.jp/mt/mt-tb.cgi/791

コメントする

月別 アーカイブ