泰三のキモノを作る人達 (友禅の行程紹介も併せて) その1

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泰三のキモノは、多くの職人さんの手を経て出来上がります。

以前にもお書きしましたが、㈱染の聚楽という本社は、染呉服製造卸業を親の代から65年営んでいるのですが、当初から職人さんに直接仕事をしてもらって製造しておりました。

同業のところはほとんど悉皆屋さんに仕事を出すのです。実際はそのほうが仕事としては楽なのですが、父以来オリジナリティにこだわりすべて自らの手で作ることにこだわってきました。
もちろん当社としても不得手な分野は、そういう悉皆屋さんに頼むものもありますが、ほとんどは家族同然でおつきあいしてきた職人さんと共に作ってまいりました。

こちらも親子2代ですが、職人さんたちもほとんどが2代目です。みんな60歳を過ぎています。そしてほぼ全員3代目が継ぎません。

最近京友禅のものに興味を持たれるお客様が増えてまいったようですし、過去のブログ記事にもいろいろと説明はしておりますが、改めて職人さんのお仕事をご紹介したいと思います。

京友禅のキモノを作るには、まず白生地が要ります。

染のキモノには色々な種類がありますが、それに応じた白生地を選びます。

白生地は普通は、白生地問屋さんから仕入れます。

白生地の産地は丹後、長浜が二大生産地ですが、地紋のあるものはほとんど丹後です。
無地物の高級品は長浜です。

そのほか五泉、小松などもありますが、わずかなものです。

泰三の振袖の生地は、非常に重い五枚繻子ですが、丹後でもふつうこれほどの生地は織っていませんので、直接丹後の機屋さんに頼んでいます。

用途に応じた生地が決まると、会社でよく検品をします。

節があったりすると難ものです。ただ難しいのは、染めた後にサシと言ってタテに染ムラのような筋が出ることがありますが、これは白の段階ではわからないのです。

これももちろん難物です。これは経糸の質が均一でないことから起こるもので、糸に問題があるのです。

そういった難物を作らないためには、良質で均一な糸を作ることです。
そのためには各段階での品質管理が大切で、日本の糸はその点まだまだ高級品の経糸に使うのは怖いと言われています。それは生産数があまりに少ないということにも関係しています。勢い海外からの輸入に頼っているのですが、最近中国の糸の品質が下がっているらしく、価格高騰とともに問題となっています。

良い染物は良い生地がないとできませんし、今後も上物を作る上での大きなリスク要因となりつつあります。

日本の生糸で作るものは過去は世界最高水準だったはずなのですが、中国からの喜一輸入が始まって、国内を保護するための補助金政策を取ったがために、競争力を逆に失うこととなり、消費減とあいまって、昭和初期には200万軒の養蚕農家があったのが今やたった1000軒足らずです。

今の農業全般もそうですが、競争しなくなればいいものは作れなくなります。何もしないでも補助金をもらえるなどとんでもない話です。

いつも一生懸命良いものを作ろうと努力している人に陽が当たらなければ、後継者も育ちません。

ただ今の政治はモノづくりの現場を理解しているとはとても思えませんし、本当に困ったことです。補助金を出せばいいという問題ではないのですがね。


検品が終わると湯熨斗をかけて生地幅を揃えます。これは機会湯熨斗を使います。

絞りなどは手熨斗でないと折角の絞り目が伸びてしまいます。ところがその職人さんがとんでもなく少ないのです。


湯熨斗が出来てくると、いよいよ加工に入るのですが、染のキモノと言ってもその技法はまさにピンからキリです。

これからご説明するのは、言わゆる本格的な手描き友禅の絵羽もの(販売するときにキモノの形になっているもの)を例にとります。

流通環境の悪化で、価格訴求のためにいかに安く良く見えるように作るというような仕事が近年とても増えましたが、私はそういうことはしたくもないし、良いものを作り続けるためにも銀座に直営店を開設したのです。

次回から私がいわばファミリーの様な付き合いをしてきた職人さんを一人一人ご紹介させていただきたいと思います。

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