ついに3% 友禅生産統計

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昨年度の京友禅の生産統計が先ごろ発表されました。
種々の組合の統計ですので、発表まで時間がかかります。
それによると、あらゆるものをすべて合わせて、51万反ほどです。

この数字は昭和50年(だったと思いますが)のピーク時の1650万反のたった3%ほどです。

ついこの間5%まで落ちたと思っていたら、何とここまで落ちていました。

しかもこのうちインクジェットが3万反強、機械染めが20万反ほどありますから、従来からの作り方をしているものは、28万反ですので、2%もありません。
そのうち手描きの高級品などとなると、本当に微々たるものです。

これは昨年の統計ですし、もちろん震災以降また急減しており、
ここのところ高級なものなどはほとんど染め出しがゼロに近いのです。

もちろん組合に属していない、当社のようなところの生産などがカウントされてはいませんが、実態は同じでしょう。

伸びているのはインクジェットだけです。これは大半振袖、しかも大部分はレンタル品ではないかと思います。

この事態が長引けば、上物を生産する業者で、そこそこ高齢かつ後継者がいないところは廃業に向かうでしょうし、現にこの1年だけでもかなりの業者が辞めているようです。

それに伴い、良いものものを作るのに必要不可欠な技をもつ職人さんほど仕事がなく、現場を去っていくことでしょう。

製作意欲は極端に減退して、またぞろコピー品も出回っているようですし、嘆かわしいことですが、とりあえず生産が増えなければどうしようもありません。

流通在庫をはかしていっても、限界はあります。

肝心の流通の要の問屋が在庫投資を極端に絞っていますし、専門店もほとんど買取をしないという状況ですから、すべてのリスクが生産者に被さっており、これでは益々モノづくりが減退するのは当然です。

リスクを応分に負担するということをしなければ、生産者ばかりが借金してモノを作ってそれを売るために貸すなどナンセンスの極みです。

震災による影響は、神戸の時の比ではありませんし、じわじわとボディーブローのように効いてくるでしょう。

消費者が求めるものをできるだけ効率的に生産するためにも、売り手からの情報がとても重要です。

ただ、いまどきの消費者ははっきり言って大変浮気で、あちらでもこちらでも買う、ネットでも買うということで、非常に意向が捕まえにくいという現実もあります。

いつも言いますように流通環境の再構築をすることで、作り手の負担をできるだけ軽減できなければ、本当に300年以上の歴史を誇る京友禅の連綿たる技の継承はピンチですし、まさに赤信号が点滅しています。

私は幸い直接消費者に直接提案できる道をもっているとはいえ、やはり心ある作り手がいてくれなければ、私の物だけでは維持は困難です。

特に西陣は京友禅以上のピンチですし、お互いに手を執って恥ずかしくないモノづくりを続けていきたいものです。

そういう思いもあって5月は、西陣のお召し、6月はまた梅垣織物の上品で上質な帯を御提案いたしたいと思っております。

まさに我々の見識と根性が試される事態ですし、大変な危機意識を持って尽力したいと思っております。

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