売り手を支える

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京友禅の生産がこれほど落ちていくと、当然ですが白生地など材料や原料関係の、数がないと食べていけないところは、本当に苦しいのです。

白生地は丹後と長浜が2大生産地ですが、織るための糸は機屋が買わなければなりませんが、中国からの糸がとても値上がりしているので、大変です。
もちろん価格転嫁はしているでしょうが、一時の値上げ前の駆け込み的な需要増はまったくなく、またも前年対比を割り込んで減り続けています。

これほど落ちこんでいると、ほとんどの機屋が赤字で推移していると言われていますし、当然ですが廃業が続くと予想されています。

これでは組合が維持できないという声も聞こえてきますし、精錬場の維持も大変です。

こうした事態の悪化を食い止めるためには消費を増やすしかないのですが、これもまた困ったことに、この震災での東北地区の消費が止まるだけでなく、専門店の後継者が少なく、また高齢者の店主が多いので廃業を考えているところが多いのです。

現に、ある有名な地方の専門店さんの店主が高齢でご病気だということで、どうなるのか心配されています。もしそのまま閉店になると、そのお店での売り上げがなくなるだけでなく、そこは以前から京友禅や西陣織の高級品をずっと買い続けてきましたので、相当な在庫があり、これが下手をすると、京都の現金問屋などに還流する恐れがあり、市場があれます。

こうしたことが日本中で次々起これば、本物のモノづくりはできなくなってしまうでしょう。

物のわかる売り手がいなければ、絶対に売れないのだとしたら、それがだんだんいなくなっていくのが見えているとしたら、手をこまねいていたら、本当に売り先がなくなってしまいます。

だからと言って私のように直接店を作るのもかなりのリスクがあって大変ですし、小売りは急にできるものでもなく、うまくいかないことの方が多いでしょう。

だからその地方の老舗が辞めそうだというのが分かっているなら、その看板を仕入れ先で守れるようなことを考えるべきです。

主力10軒位が合同して、その看板料をお払いしてでもその向こうにいる消費者をつなぐ道を模索することです。

やり方は色々あると思いますが、肝心なことはみんなで行動することです。

売る道をみんなで守り、情報発信の道を閉ざさないようにすることです。
自分さえ良ければいいというのでは、本当にモノづくりの道は終わってしまいます。

真面目な良いものを作る製造問屋の連合体を組織して、廃業したいという小売屋さんにアプローチをして、あるいはコンサルをして、その老舗の名を続けていけるようなことを互いに鳩首を集めて考えるべきでは無いでしょうか。

細々とでも真面目なモノづくりができる道を残しておくよう、早く手を打つべきです。
どこかが辞めればその分自分が良い目ができるだろうなどという考えは、全くナンセンスで、マーケティングの何たるかもわからない私欲にまみれた思想ですし、絶対に破綻します。

これほど細ってきた業界でいまだに人のシェアを奪うしか生き残れないなどと思っている
人が多いのは不幸なことです。

コラボしてみんなが残れる道を模索して欲しいと思いますし、組合もそういう活動をすべきです。

本当に今年がまさに正念場だという思いを強く持つこのごろです。

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泰三様、久し振りにコメントを書かせて頂きます。
ゴ-ルデンウィ-クを期に世の中は自粛から大震災前の消費行動へと戻る
動きが見え始めて居りますが、観光客の7割を関東からの観光客が占めると
言われる京都の人出は如何でございますでしょうか。
ゴ-ルデンウィ-ク前の報道では全国の観光地から人出を心配する声など
聞こえて参りましたが、連休前に旅館やホテル側が宿泊料金を下げたことや
自粛ばかりでは経済が成り立たないと言う声の高まりによって、観光地では
人出が在った様子でございますが、今後の消費の動向については大震災の
被害を直接的または間接的に受けた企業や業界などの状況に加えこの夏の
電力問題が製造業などを中心とした企業活動にどのような影響を及ぼすのか
その予測は難しく今後給料やボ-ナスの減額を行なう企業も出て来るでしょうし
政府内部で検討されて居る増税の仕方や種類によっては税金の負担が重くなり、
消費マインドを再び低下させる原因になりますので政府には増税するにしても
経済全体を考え見ながら慎重に物事を進めて頂かなければならないと考えます。

和装業界に目を向けますと、今回の大震災により失った東北での販路や今後の
廃業などにより失うと予想される販路の再構築をいかにするかと言う問題等が
生じて参りますが、小売で店舗を失うなどの被害を受けそのまま廃業される方
後継者不在でこれを期に廃業なされる方々もいらっしゃると予想されますので
何の手も打たず東北の需要が回復するのをただ待つだけでは、いずれ東北での
需要は機械で簡単に制作出来るプリント物に市場を占められてしまいますので
私は泰三様がお考えになられますように京都や関東や他県の者が単独で東北へ
乗り込んで直接小売を行なうことは難しいと考えますので東北の消費者の方を
つなぎ留める為には泰三様がおっしゃる方法が賢明と私も考えますが、東北の
小売を復興させる為には何よりも人材が重要になると考えますので現地の方と
協力したり看板料をお支払いして屋号や店舗をお借りして商いを継続し東北の
小売を再興させ再構築する為にも京都から人材を送り込まれたり、デパ-トを
退職なされた方で着物や帯の知識が豊富で小売のプロとして活躍なされて居た
方々に協力して頂くなどして、失ったそしてこれから失われてしまう東北での
小売を再興・再構築して京友禅や西陣織を東北の消費者の間に定着出来ますよう
京都の皆様にご尽力賜わりたいと願って居ります。


風天様

京都は確かに観光客でにぎわっていますが、高級旅館などは外国人のキャンセルが響いているようです。また車で来ている人が多いようで、いわゆるお金が落ちません。

花街の踊りもやはり例年より少なく、お茶屋のお花の売りあげも相当落ちているということです。

東からの客が落ちていることが原因ですが、この傾向はしばらく続くと思います。
今後の展開は少し読めませんが、余震と放射能が納まれば、例年通りに回復すると思います。
キモノ業界へのご指摘はまさにその通りです。私は売り手の側の高齢化後継者不足の方が、作り手よりも問題が大きいとずっと指摘しているのですが、これと言った対策が講じられていないことを寄付していましたが、この震災を契機に本当に危機意識をもって、いかに販売を、しかも消費者にとってあるべき姿で支えて行くかを早急に考えなければなりません。

しかしながら、各問屋などもリストラ、染出しの先送りなどで急場をしのごうという策ばかりで、これから先のことを話し合う動きは全くありません。

実に嘆かわしいとしか言いようがありませんし、もう行くところまで行くとしか思えません。本当に京都の室町がもっと見識を持った行動をしなければなりませんが、全く期待できません。

そういう良識のかけらもない、商売人とも思えない連中は外して、心ある人たちの連帯を早急に構築するべきでしょう。

経営者の方も様々ですからその場しのぎだけに目を向け走られたりなされる方も
居られるでしょうが、目の前で起きて居る事に対応する一方で将来に向けて様々
考えて動かなければ経営は成り立たないと思いますので、京都の経営者の皆様に
急場しのぎばかり考えられたり、後向きに考えられる方が多いと言うお話を伺って
大変残念に存じます。
京都の観光客はその多くが関東など東からの方々と伺いますので7月の祇園祭の
頃までに東からの観光客が戻ればと望まれますが、関東では近場や東北方面へと
出掛けられた方が多かった様子でございます。 また京都の花街につきましては
観光とは逆で普段花街を利用なさっていらっしゃるのは地元京都の方や大阪など
周辺の方が殆んどと思いますので、その方々が自粛されますと花街も暇になって
お茶を挽かれてしまうのではないかと思われます。

室町の皆様がどのように考えていらっしゃるのか判りませんが、今本当に京友禅も
西陣も危機に在ると考えますので京友禅と西陣織の技を守る為に、そして京友禅と
西陣織を愛される全ての消費者お客様の為に奮起して頂きたいとただ願うばかりで
ございます。


風天様
励ましのお言葉有難うございます。
この震災は確かに京都の花街にも大きな影響を与えていますね。
東からの客のキャンセルが多く、少しずつ戻ってきたようですが、お花の売り上げが大分下がったようです。まあ呉服業界は最近花柳界にはあまり行きませんから、花街を助けるような存在ではありません。かつては一番の客だったのですがね。まあ時代が変わったということでしょう。
業界の結束というのがもともとあまりない業界でしたので、この期に及んでもそうした大きなうねりはあるわけもなく、相変わらずメーカーに大きなリスクをかぶせていけば、そのまま終わってしまうということになっては欲しくはないのですがね。まあ一抜け二抜けと現場を去っていくことでしょう。

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