着ていただくために、そして買っていただくために

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明後日から四国愛媛県西条市にある戸田益さんという呉服屋さんで泰三展を開催させていただきます。

親の代からの古いお付き合いで、ふだんに泰三の物だけでなく上質で価値あるキモノを置いておられる数少ない小売屋さんです。

古くから良いものしか扱わないということで、当代が修業に行かれた先もかつて神戸に在った高級呉服店でしたので、家に帰られてからも、出来るだけ従来からの路線を継承するために努力されています。

地方の小売店には、かつて先代のころ高級呉服店だったのが、商いの形を変えて、大手問屋などと組んでの催事販売が主というようなところが多く見受けられ、一挙に質の低いものを扱う呉服屋になり、挙句の果てに破たんしたところも多く、その家の歴史や商いの本質が分かっておられないという嘆かわしい思いを何度したことでしょうか。

老舗とは仕事を似せるということで、先祖からの商いを踏襲していくということでしょうが、もちろんその時代に正しく変えるべきことは変えなければならないのは当然です。

しかしことキモノ業界に限っては、変えないところは徹底的に変えないがために没落したり、逆に本来あるべき道を見誤って、信用を無くし破綻していくということもあります。

信を失わない真面目な商いをしつつも、時代の流れに従った変化は当然求められます。

今必要なことは情報発信であり、かつキモノ初心者への正しい啓蒙活動です。

まずはキモノのファンになって欲しいわけですし、その時に売らんがためにいい加減な情報を口から出まかせで伝えるということが、かえって購買意欲をそぐ結果となります。

少し時間はかかるでしょうが、少しずつキモノに対する興味や知識を持っていただけるよう地道に努力していくことだろうと思います。

いついかなる時にキモノを着たいと思うかということにこちら側も理解をしなければなりませんし、仮に観劇や茶道入門などだとしたら、当然ですがそれに対しての知識を持っているべきなのです。

こちらがよく知っていれば、どんな時にはどんなキモノが相応しいかアドバイスできます。

勿論一緒にキモノを着てどこかに会食に行くなどという企画も良いでしょうが、キモノを取り巻く和文化の習得ということは私が常日頃言いますが、特にこの時代に良いキモノを売って行くためにも必要不可欠なことではないかと思います。

キモノは大切な服飾文化であり、またその水準は世界一であることも間違いありません。

これを守り伝えることは地球という規模で見ても価値あることであり、日本人がそういう意識を持って欲しいとものです。

しかし今そういう意識を持っている人は極めて少ないのも確かです。ですから私はキモノをある意味強制的に着るという仕組みを作ることが必要かもしれないと思っています。

それなりの立場の人はそれなりの席で必ず着るということを義務付ければ(本当はそんなことしなくてもいいはずですが)、いくらキモノを着ないキモノ業界の人間でも着るようになるでしょうし、勉強もするでしょう。それなりの物を持っていないと恥をかくと思えば買うでしょう。

どんなもの作りも需要無くしては続きません。一度買うと長持ちするという事情から消費が落ちて行ったということもあるでしょうが、着る機会が増えれば必ずまた新しいものが欲しくなるのは世の常です。

日本人として、キモノを着るという行為を当たり前に思えるようなかつての時代に戻すための仕掛けが求められているような気がします。

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久しぶりにコメントさせていただきます。

東京からも京都からも遠い地方に住んでいます。着物が大好きな人は本当に気に入った着物であれば多少値段は張るものであっても、エイッ!と買うのではないかと思います。出会いと言いますか、寝ても覚めてもあの着物の事が頭から離れない…何日も悩んだ結果、頑張って購入という経験が私にもあります。自分の箪笥にあの着物があると思うと嬉しくて嬉しくて仕事する張合いすら出てきます。

ちょっとした行事や冠婚葬祭など四季を通して着物を着ています。着物の事は着物大好きな母親から教わりました。大変おこがましいのですが、着物は決まり事が多いゆえ、かえって洋服よりも難しくない?ように感じてます。

私も泰三様製作の着物を着こなせたらと思っています。六月にあった伝統文化の四方山話、お聞きしたかったです!

長文失礼しました。

いずれお住まいの近くで講演でもできればいいですね。私は後どれだけ仕事ができるかわかりませんが、今までやってきたことをもっと多くの人に見てもらいたいと思い、銀座にも京都にも来られない方々に所にこちらから出かけて行ければと考えています。
キモノに決まりごとがあるから考えなくていいというご意見には賛同したしますね。
下手に崩そうとするから恥をかくということもありますから、こういう時はこうだと言うことさえ守って、後は個人の感性でおしゃれを楽しめばいいというのが一番まっとうな考えであると思います。

母から娘へという流れを断ち切りたくないですね。そうした啓蒙をしていかねばならないと思うこのごろです

はじめてコメントさせて頂きます。

泰三さまのそれなりの立場の人がという所に
とても興味がひかれ思わずコメントしてしまいました。

今まではしがないOLゆえ泰三さまの商品にはとても手がでませんので
ブログを味わい深く読ませて頂くだけでした。

さて、それなりの立場の方という話に話を戻させて貰います。
私、最近、謡いを習い始めました。
年末に内々の納会がありましたが着物率が低くて
少々びっくりしました。
大先生は粋な髭紬でそれなりに肩の力が抜けていて素敵でした。
先生は何と言いいますか、紬なれといいますか
普段着としての着物に慣れていないような感じをうけました。

さらに、私がびっくりしたのは・・・。
ある方の奥様の着物です(誰かわかりそうですが、あえて伏せます。)
奥様の左袖から紅絹がほどけてひらりひらりと舞っているのを
目撃してしまいました。
奥様、ささっと仕舞われましたが、
私は家政婦は見たの市原えつこさん並に驚くところでした。
それなりの立場の奥様が・・・。
他にも気になる点がありましたが、ここまででも
長文ですのでこれにて失礼します。

王様の耳はろばと言えたような気持ちです。
ありがとうございます。

襦袢とキモノの寸法があっていないのですね。こういうことはよく在ります。

きものをあちこちで買いまわられると、正しく自分の寸法をお分かりでないと、それぞれで
微妙に寸法の違うキモノが出来あがり、襦袢もバラバラだったりします。

袖の丸みなども大切ですので、私共では襦袢をお持ちいただくことにしております。

ある倒産した呉服屋では、同じお客なのに、少しずつ寸法を変え、それに合わせた襦袢を別に作っていましたので、全部寸法がバラバラで本当に驚きました。

詐欺にも等しい嘆かわし呉服屋で、倒産したのも当然ですが、今時寸法のこともよくわからない販売員もたくさんしますし、お分かりにならないことあればいつでもご相談ください

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