価値の創造

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キモノがいかにしたら売れるかということは、これからの製造の現場の苦境を考えるとき、一番重要な命題であることに変わりはありません。

そのために着るという行為を増やす仕掛けも確かに大切ですが、ただそれだけでは、生産現場の疲弊は続くばかりで、かなり近い将来に、多くの技が閉ざされていくだろうという現実はすぐ目の前までやってきました。

我々最前線にいる者にしてみれば、その現実がひしひしと伝わってきます。

しかし残念ながら、問屋も作り手を利用するばかりのところが相変わらず多く、また小売屋、デパートでも生産現場のことを知る人は相変わらず少なく、また知っていてもわざと知らん顔をしているような人もいます。

モノづくりの文化を次世代に継承させていくことが大変であるということが分かっているから、そのリスクを張ることから逃げて、まあ行きつくところまで行くしかないという無責任が散見されます。

これではまさにいつか終わってしまいます。

だからこれから先も続けて行かねばならない真面目な生産者は、切歯扼腕しているばかりです。

ただ最近次世代を引き継ぐ若い人たちが新しい発想で力を合わせてみようというような動きも見えていますが、現実の苦境を脱する力にはなりません。

絹を12メートルから16メートルも使うキモノに勝る消費を創造することは極めて難しいという現実から脱皮するには相当な勇気も必要ですし、何よりも流通環境を変える必要に迫られます。

やはりキモノが売れるに越したことはないのです。

ですから、そのためにもこれからは、より消費者に近いところに行くということが求められるので、その製品の価値を分かってもらえるような分ランド化が求められるのです。

先日の地方都市での展示会などでも、泰三といういわばブランドを愛でていただいているということで成果があったのだろうと思います。

そのお得意先は古くからお取引させていただいているから、そのブランドが浸透していたのであって、すぐにお認め頂くということは難しいと思います。

時間をかけて、そのものの良さを訴えていくことが肝心で、勝負するのはあくまでその品物そのものであり、まやかしの経歴のようなことなどで売ろうというような奇策は結局長くは続きません。

消費者ニーズにのっとった、上質で価値あるモノづくりを根底にしていかねばならないということは基本中の基本ではないでしょうか。

ただ材料がなくなって来たとか、人がいないとか、かなりハードルの高い問題が山積みとなってきましたが、消費があれば生産もまた可能な状況となるかもしれません。

作り手はその価値を創造し、そして発信していくことで、適正な価格での販売が可能となります。

何か胡散臭いような売り方などしないでも、真にキモノの好きな人は必ず理解してくれるだろうと信じています。

作り手の前向きな姿勢しか苦境を突破できないのではないでしょうか。

自らのテンションを上げてインスパイアー出来るきっかけを作るためにより見聞を広めることが大切です。

こんなこと言っているとなかなか隠居はできそうにもありませんがね。

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