大都会と地方

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先週の四国西条市での泰三展は私が思っていた以上に売れましたが、色々考えさされまた気付くこともたくさんあり勉強になりました。

そのお店は三代にわたって京友禅の上物ばかりを中心に扱ってこられ、今の当主も神戸の有名な専門店で修業されましたし、家に帰られてからも愚直に真面目に家の歴史を守って来られました。

ちなみに老舗とは、先祖の仕事を似せるということでシニセというのですね。

本来するべきことをしないで欲をかいてチェーン展開したり、安物の店を作ってあっと言う間に名声を貶め、どこかへ飛んでしまった呉服屋を私は山ほど見てきました。

京都の老舗の菓子屋のように、店は大きくしないけれど人と違う誇りある商いを長く続けるというのが本当のシニセです。

姿勢は同じでも、色々変えて行かねばならないことがあるのは当然ですが、良いお客様をいかにして守っていくかということが一番大切なことです。

そう言う意味でもこのお店は確かにそんなに大きな街でも店でもありませんが、歴史と伝統を受け継ぐ人たちに真面目な商いをされてきて信用もあり、現に物も良いので、その人たちは大都会に行くこともなく、そのお店に親と娘が一緒に振袖だけでなくその他のキモノも買いに来られます。

若い時からそうした経験をしているとキモノのこともわかるようになり、つまらないところでだまされて粗悪なものを買わされるということもありません。

かつては日本中そうして親が娘にそうした文化を授けて行ったものですが、核家族化で、子供が大都会に出たりすると、そうした家の習慣や知恵、文化が途切れてしまうのです。

大都会で販売に色々問題があるのは、そうしたものを知らない人を口から出まかせで騙してでも売りつけようという連中がうようよいるということです。


キモノを着たこともなく知識もなく何も知らないものに、生命保険のおばさんと同じで知り合いにだけ売らせて売れなくなったらお払い箱というような店が、キモノの本では名店だとか老舗だとか、呆れ返るようなことが進行中です。

近年倒産している新興の店はすべて同じ手法です。。

呉服屋というのは絹織物を扱う最高のキモノやのことを本来いうのですし、もっとよく勉強して誇り高き商いをしてほしいと常々口が酸っぱくなるほど言いますが実情は、ベテランが去るほどにもっともっと状況は悪化しており売り手が不存在となっています。

良いものがあれば買うというお客様がおられることは今回でもよくわかりましたが、それには店とお客様との信頼関係がいかに大事であるかということで、こうした基本を実践されているところでは今でも高額なフォーマル品でも売れていくのです。

本来の呉服屋の実力はフォーマルをどれだけ売れるかということです。

冠婚葬祭での衣裳の知識は一番大切で知っておくのは基本中の基本ですが、これが本当に今一番欠けているのは大問題です。

私はずっとそうしたフォーマル品を長く扱っていますのでわからないことがあれば何でもご相談ください。

地方の購買力は根強くあります。それを掘り起こすことが出来れば大都会に取られることもなく、またそのまま買わないということもありません。

買ってみたいというモノを揃えるという基本的な努力を怠り、程度の低い大手問屋の言うままにして、お客様目線を忘れたとき、必ずそのしっぺ返しが来ると覚悟すべきでしょう。

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