2014年1月アーカイブ

底なし沼

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また京都に帰ってまいりましたが、今月も生産地としてはかなり厳しい状況が続いており、丹後や長浜の白生地生産もまだ下がり続けています。 丹後は、紋意匠と言って柄のあるモノを織れるので用途の広い色々なものが織れるのですが、それでも私の若いころの最盛期年間約1000万反の生産があったのが、昨年で43万反ほどまで落ちています。ついに5%を割り込みました。 長浜は無地ものでは丹後より品質が

おもてなし

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最近「おもてなし」と言う言葉が流行語になっていますね。 勿論例の女性がパフォーマンスしたことから始まったことですが、私は奇異な思いがしたものです。 つねに色々な人が訪れてきたことで成り立ってきた歴史を持つ京都人からしてみれば、おもてなしなど当たり前の様になされてきたことですし、今さら口にしていうことでもありませんのでね。 日本人は世界から来る方々を心からおもてなしを致しますから

売手の育成

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先月から色々よろずご相談を受け賜っていますが、本当に業界人として恥ずかしいような話が次々と飛び込んできて、腹立たしいを通り越して、本当に申し訳ない思いがいたします。 よくある話は、私が以前から申し上げていることですが、売手無知から来るもので、先日もある高額な紬に、ご丁寧に三つ紋を入れてしまい、ある意味どこへも着て行けないキモノになってしまったとか、大体紬の用途に関するお話しが多

伝統文化の継承とお金

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先日の新聞記事によると、大阪市の文楽への補助金が減額されることが決定的となったそうです。 今年度の補助金は、観客数10万5千人達成が条件で、それに満たない場合一人当たりについていくら減らすとかで、9万人だとゼロになるようです。 この1月の観客動員数にかかっていたのですが、15日現在で8万8千人だそうで、残りの公演日数からして、満席でも10万5千人の達成はできないのです。 観客数

縁は異なもの

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私は清元という浄瑠璃を長くお稽古しております。 かつては謡曲も小唄もお稽古していたのですが、近年は忙しくてこの清元一本です。 もうかれこれ40段(邦楽では長いものを数えるときには段といいます)近くお稽古したのですが、 時々復習しないと忘れてしまいます。 今は「隅田川」を復習していますが、先日私の大学の級友で天台宗の層になっている男から、この曲の中に出てくる梅若丸の塚のあるお寺で
先日、職人さんの気力が落ちているのは何も体力だけでなく、仕事量や質が大きくかかわっていると強く思いました。 特に値切られてばかりで良い仕事をさせてもらえない事が一番の不満であることはよくわかります。 実は私自身がここのところずっとそうでした。 業者間取引は委託が殆どで、売れて値切られたり、一番リスクを負って、真面目に良いものを作ろうとするのに、一番利益が少ないという状況は、筋が

良い仕事をしないと

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昨日例年のごとく、職人さんがご挨拶に見えましたが、車で来る人も多く、余り以前ほど酒を呑まなくなりましたね。 しかしそれだけでなく、高齢化は否めません。 京手描友禅は長い工程がありますが、それぞれの仕事は、それだけをなす専門の職人さんが担当して、分業制でつないでいきます。 このブログでもその仕事を詳しく解説していますので時間が在れば参考になさってください。 多くの仕事はその職人さ

謹賀新年

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明けましておめでとうございます。 今年も相変わりませず御厚誼のほど心からお願い申し上げます。 ことしは午年です。 馬と人間は正に古い付き合いで、馬の存在なくしては今の世界がなかったかもしれません。 名馬が人間を救ったという事は枚挙にいとまがありません。 しかしそれは騎手と馬との相性がいいからでしょう。 駿馬となるか駄馬となるかは、騎手次第でしょう。 人馬一体となってこの難しい時
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