高品質病

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日本という国は物づくりで飯を食ってきたということに間違いはありません。

色々なところから伝わった文化をもとにして、それを咀嚼して、それ以上の品質も多い求めたものづくりをしてきた結果、世界最高水準のものを数えきれなく作り出しましたし、それを輸出し、或いは国内で消費してきました。

ものがない時代は、作れば売れるという事ですし、買う側も可処分所得も上がり続けていた時代は、もっと良いものを求めたいという志向から、作り手も研究し、工夫を凝らし、より良いものを求めるという時代が続きました。

これがある意味日本の地政学的な理由から来ることで涵養された特質かもしれません。

島国だから、他国の目を気にすることなく、いわゆる物づくりがガラパゴス化したということでしょう。

その結果コストも上がり、とても品質もいいけれどちょっと高いということになったわけですが、世の中にはそんなに高品質でなくてももう少し安いもののほうがいいという人もたくさんいます。

よく引き合いに出される半導体は、かつて産業の米と言われ、日本の半導体は世界を席巻したものです。
ただもっともっと良いものを作りたいという日本人気質で、DRAMなどでも先行していたのですが、結構コストもかかるという事で、韓国がその後を追いかけてやや性能は劣るが安い物を大量に作りはじめ(日本人のサラリーマンが教えてしまったのですが)、一挙に日本の牙城が揺るがされ、逆転してしまいました。

ですから汎用品では太刀打ちでき無くなってしまいましたが、それでもまだまだ超高品質な部分では健闘しているようです。

その韓国が、今度は中国に追いかけられているわけで、安物を追いかけるとこういうことになるのは自明の理でしょう。

半導体で言えば、世の中が今後、よりITを駆使した高度社会になればなるほど高性能高品質の物が必要となるんので、日本が挽回できるチャンスはあると言われています。

しかしこの高品質なものをいつも作りたいということはもちろん決して悪いことではありませんが、どうしても周りが見えなくなって、作れば売らなければいけないのですが、その使う側のことを考えないということになりがちです。

そしてその高性能高品質の開発に携わったものに、安くて汎用性の高いものを作れというと、非常に嫌がります。

これが高品質病ですね。

日本はどうもこの病気が蔓延していて、消費者が求めているものよりもっと高性能高品質の物を今でもつくり続けています。勿論をそれを要求する人がたくさんいれば良いのですが、僅かな人では、最高のものづくりは厳しくなります。

今テレビでも4Kとか8Kという超高品質な画面を作っていますが、確かに8Kなどはある種の職種には大変有用ですが、一般の家庭にそこまでの高画質が必要とも思えませんし、第一非常に高価です。

採算が取れないのに、それでも開発者はつくりたがります。

市場性を無視した、消費者が求めている以上の高機能のものを作るという事がどうも近年の日本に見られる傾向です。

そのため経営上大きな禍根を残した会社は枚挙にいとまがありません。

作り手が陥りがちな誤謬を防ぐためには、つねにその製品の使い手の心理を読まなければなりません。

そんなことはマーケティングの基本ですが、どうも自分たちの都合の良いような解釈をしてしまうのです。

いまの政治も同じですが、人の行動心理を読むことが、商いでも求められます。

昔のように作れば売れる、売れ残れば安くすればさばけるというような時代ではありません。

成熟した市場の中でどんなものを作っていくかは、きめ細かなマーチャンダイジングが求められます。

キモノ業界でも全く同じことですが、あまりにも市場が狭いので、大企業とは比較できないかも知れませんが、まあ私もその高品質病にかかっているのかも知れませんが、

高品質でかつリーズナブルな価格を維持するために、流通環境を変えることができたのと、生産量も少いですし、正に非常に狭い市場だから、何とか続けてこれたのだろうと思います。

私も今さらインクジェットのようなものをt苦労とは思いませんので、高品質病のまま終わりたいと思うわけです。

どちらにしろ、着る人の立場に立って物を考えるという事がこれまた基本であることは間違いありませんね。

相手の立場で物を考えるという事が出来なくなってきたことが、色々な溝が深くなっている大きなな原因でしょう。大きく言えば思いやりや優しさの欠如が問題なのだろうと思います。


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