再び紋についてのお話し

カテゴリー:,

以前にもお書きしていますが、キモノにつける紋の話です。

日本には家紋と言って、各家に紋章がありますが、これは世界でも特筆すべき文化です。

欧州では一部の貴族に紋章があっても、一般人にはそうしたものはありません。

家紋のルーツは、公家が好きなデザインを衣裳や身の周りの装飾品などにつけたことに始まりますが、鎌倉時代くらいから、武士が旗指物に敵味方を区別するためのマークを付けたことが、家紋の始まりとされていて、それが後に江戸時代中期くらいから庶民に伝わりました。

明治以降一般化し、どの家にも家紋が存在しています。
最近は自分の家の紋名を知らない人も多いのですが、業者でも紋に関する知識を持っている人も少なくなっています。

紋に関して一番身近なのは、キモノの販売店だろうと思いますから、我々が正しい知識を持っていることは肝要です。

紋を入れるキモノ、紋の種類、紋章そのものの持つ意味、などなど勉強しておくことはたくさんあるのですが、そのことはここでは触れませんが、問題は女紋のことです。

何度も何度も触れてきたつもりですが、まだまだこのことに関して東日本の販売店が知識を持ち合わせていないところが多く、再び記しておきます。

大体、愛知県の岡崎あたりを境にして、東側には女紋と言う存在が伝わっていないので、東京でも女性のキモノにもすべて家紋を付けておられるというのが現実です。

西側には総じて女紋と言って、女性だけがつける紋が存在していて、女性が家紋を付けることはまずありません。

母系の紋と言って、母が娘に、そしてまた孫娘にというように、女性の紋が伝わっていきますから、嫁ぐときもその紋を持って行くのが普通です。

かつては箪笥や鏡台など、嫁入り道具にすべてその紋を付けていたものですが、それは嫁入りで持ってきたものを亭主が勝手に売り飛ばしたりすると罪に問われたらしく、だれのものであるかということを明確にするという意味合いもあったようです。

東京などにはこの女紋と言う存在がないので、家紋を付けるのが当たり前になっていますが、庶民の紋章が武士から下がってきたものが多いので、中にはとても女性がつける紋としては強いものがあります。

その代表が違い鷹の羽という紋章です。

武士が勇猛な鷹を好むのは当然ですし、違い鷹の羽という紋も非常に好まれました。

その紋が当然庶民にも伝わり、それを家紋としておられるお家も多いのは確かですから、女性でもそれをそのままキモノの紋として使われている方も同様に少なくありません。

しかし我々女紋文化圏で育ったものにすると、この紋は女性が付けるには強すぎるし、重すぎ、違和感があります。

女紋は優美で柔らかなものであるべきですし、私は強制はしませんが、そういう非常に硬い、強い家紋をお付けになっておられる方には、女紋の存在を縷々ご説明申し上げ、この際お家の女紋をお作りになられたらどうですかとお薦めします。

そうすると違い鷹の羽をお付けになっておられた方は、100%新しい女紋をお嬢様などとご相談になってお作りになられました。

勿論そうでなければならないということではありませんが、やはり武士の紋のようなものを付けていることに大変抵抗があったと申されておられましたし、自分の紋を持つことをとても喜んでおられました。

御一家でおいでになった時でも、御主人にも家紋の歴史や文化から説き起こしていくと、問題なく女紋をお作りになります。

昔と違って今は人が東から西、西から東に大変良く動くわけですから、東西の文化の差も、我々は良く知る必要があろうかと思います。

関西から女紋を付けて嫁に来たら、何故嫁いだ先の紋を付けないのかと文句を付ける家人がいたとしても、キモノをお世話した販売店などが正しくそうしたことをご説明出来れば問題ないのです。

私の若い頃に、このことで実際に破談になったことがありましたが、中に立つ呉服屋の無知に呆れたものです(倒産しましたが)。

キモノは日本伝統文化の粋のようなものであり、そういう意味では作り手も売手も勉強することは山ほどあります。

Tシャツ売ってはいおしまいというわけにはいかないのです。

家紋を付けるキモノというのは、いわゆる礼装ですが、振袖もミスの第一礼装ですし、私共では最低一つ紋を刺繍でお入れします。

ところが振り袖に紋は付けないという呉服屋がいるそうでその無知に呆れかえります。

礼装のしきたりは、服飾文化の中で最も大切にしなければならないことで、これは洋装でも同じことです。フォーマルに対する知識がなくなるとその文化は確実に低級化し衰退します。

少なくとも紋を入れたほうが良いかどうかということも含めて、売り手はお客様に納得いくだけの知識を持っているのは当然のことです。

東京のデパートの呉服売り場の販売員でもこうした紋の知識がほとんどありません。正しく勉強不足なのですが、無知であることに気がついていないことがまた問題です。

私もあまりいつまでもああだこうだと言いたくはないのですが、かつてより輪を掛けてひどい販売員の質の悪さの話を聞くたびに、まだまだご意見番として辞めるわけにはいかないのだろうとつくづく思うこのごろです。。

先月たまたまお客様に紋をお入れするときに、うかがった紋名が、連続して、たまたま違い鷹の羽でした。

この紋は武士が好んで使った紋として名高く、


以前にもお書きしていますが、キモノにつける紋の話です。

日本には家紋と言って、各家に紋章がありますが、これは世界でも特筆すべき文化です。

欧州では一部の貴族に紋章があっても、一般人にはそうしたものはありません。

家紋のルーツは、公家が好きなデザインを衣裳や身の周りの装飾品などにつけたことに始まりますが、鎌倉時代くらいから、武士が旗指物に敵味方を区別するためのマークを付けたことが、家紋の始まりとされていて、それが後に江戸時代中期くらいから庶民に伝わりました。

明治以降一般化し、どの家にも家紋が存在しています。
最近は自分の家の紋名を知らない人も多いのですが、業者でも紋に関する知識を持っている人も少なくなっています。

紋に関して一番身近なのは、キモノの販売店だろうと思いますから、我々が正しい知識を持っていることは肝要です。

紋を入れるキモノ、紋の種類、紋章そのものの持つ意味、などなど勉強しておくことはたくさんあるのですが、そのことはここでは触れませんが、問題は女紋のことです。

何度も何度も触れてきたつもりですが、まだまだこのことに関して東日本の販売店が知識を持ち合わせていないところが多く、再び記しておきます。

大体、愛知県の岡崎あたりを境にして、東側には女紋と言う存在が伝わっていないので、東京でも女性のキモノにもすべて家紋を付けておられるというのが現実です。

西側には総じて女紋と言って、女性だけがつける紋が存在していて、女性が家紋を付けることはまずありません。

母系の紋と言って、母が娘に、そしてまた孫娘にというように、女性の紋が伝わっていきますから、嫁ぐときもその紋を持って行くのが普通です。

かつては箪笥や鏡台など、嫁入り道具にすべてその紋を付けていたものですが、それは嫁入りで持ってきたものを亭主が勝手に売り飛ばしたりすると罪に問われたらしく、だれのものであるかということを明確にするという意味合いもあったようです。

東京などにはこの女紋と言う存在がないので、家紋を付けるのが当たり前になっていますが、庶民の紋章が武士から下がってきたものが多いので、中にはとても女性がつける紋としては強いものがあります。

その代表が違い鷹の羽という紋章です。

武士が勇猛な鷹を好むのは当然ですし、違い鷹の羽という紋も非常に好まれました。

その紋が当然庶民にも伝わり、それを家紋としておられるお家も多いのは確かですから、女性でもそれをそのままキモノの紋として使われている方も同様に少なくありません。

しかし我々女紋文化圏で育ったものにすると、この紋は女性が付けるには強すぎるし、重すぎ、違和感があります。

女紋は優美で柔らかなものであるべきですし、私は強制はしませんが、そういう非常に硬い、強い家紋をお付けになっておられる方には、女紋の存在を縷々ご説明申し上げ、この際お家の女紋をお作りになられたらどうですかとお薦めします。

そうすると違い鷹の羽をお付けになっておられた方は、100%新しい女紋をお嬢様などとご相談になってお作りになられました。

勿論そうでなければならないということではありませんが、やはり武士の紋のようなものを付けていることに大変抵抗があったと申されておられましたし、自分の紋を持つことをとても喜んでおられました。

御一家でおいでになった時でも、御主人にも家紋の歴史や文化から説き起こしていくと、問題なく女紋をお作りになります。

昔と違って今は人が東から西、西から東に大変良く動くわけですから、東西の文化の差も、我々は良く知る必要があろうかと思います。

関西から女紋を付けて嫁に来たら、何故嫁いだ先の紋を付けないのかと文句を付ける家人がいたとしても、キモノをお世話した販売店などが正しくそうしたことをご説明出来れば問題ないのです。

私の若い頃に、このことで実際に破談になったことがありましたが、中に立つ呉服屋の無知に呆れたものです(倒産しましたが)。

キモノは日本伝統文化の粋のようなものであり、そういう意味では作り手も売手も勉強することは山ほどあります。

Tシャツ売ってはいおしまいというわけにはいかないのです。

家紋を付けるキモノというのは、いわゆる礼装ですが、振袖もミスの第一礼装ですし、私共では最低一つ紋を刺繍でお入れします。

ところが振り袖に紋は付けないという呉服屋がいるそうでその無知に呆れかえります。

礼装のしきたりは、服飾文化の中で最も大切にしなければならないことで、これは洋装でも同じことです。フォーマルに対する知識がなくなるとその文化は確実に低級化し衰退します。

少なくとも紋を入れたほうが良いかどうかということも含めて、売り手はお客様に納得いくだけの知識を持っているのは当然のことです。

東京のデパートの呉服売り場の販売員でもこうした紋の知識がほとんどありません。正しく勉強不足なのですが、無知であることに気がついていないことがまた問題です。

私もあまりいつまでもああだこうだと言いたくはないのですが、かつてより輪を掛けてひどい販売員の質の悪さの話を聞くたびに、まだまだご意見番として辞めるわけにはいかないのだろうとつくづく思うこのごろです。。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.taizou.jp/mt/mt-tb.cgi/1489

コメント(8) | コメントする

泰三さま

ご無沙汰しております。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

紋のお話、女紋のお話とても勉強になりました。
ありがとうございます。
小さいころから仕立物の仕事をしていた祖母の横で
時々女紋の話しが出ていたのでなじみのある
言葉でした。
実家の紋は木瓜紋です。
女紋は木瓜紋でもちょっとかわいくない紋でした。
(かわいいどうこうで話しをするものではないということはわかっていますが)
もちろん私はそのかわいくない木瓜紋を留袖につけて
嫁ぎ先に持って参りました。
この、かわいくない方の木瓜紋は娘がやがて嫁ぐ場合にも
持たせていけばよいのでしょうか?
それとも、義母の方の女紋を持たせた方がよいのでしょうか?

それと、女紋を作るというのは、殿方が使われるような紋でなければ
紋帳から選んで決めればよいのでしょうか?
まだまだ勉強不足です。申し訳ありませんが教えていただけませんでしょうか?
よろしくお願い致します。

成人式の振袖のお着付けをさせていただくのですが
おばあちゃまの振袖を着られるからと
お持ちになる振袖の中に紋の入った振袖を見せていただくことがあります。
紋が入っているだけで、お着付けをさせていただく方にも
緊張感が走りますね。とても素晴らしいですね。
娘には私の振袖に一つ紋の縫い紋をつけて、
成人式に着せてやりたいと思います。

いつも楽しく頷きながら 拝読しています。
私も 紋では悩みっぱなしで 女紋をつけたかったのですが 家庭内のいろいろで結婚前・後共にごたごたして 作れませんでした。
今新たに自分の紋を選びたいと思っても どのようにしたらよいのかわかりません。
紋帳から選ぶのでしょうか?どんな紋が女紋にふさわしいのでしょう?
教えていただけるところが欲しいものです。

アドレスが記してありますので、直接ご返事申し上げます

ひよっこさん

  個人的なことに対しては直接メールを差し上げますので、出来ればアドレスをお教えください。

泰三さま

ご親切にありがとうございます。
よろしくお願い致します。

女紋について色々と調べており、こちらのブログにたどり着きました。
既婚者ですが、最近着物に興味を持ち礼装を仕立てようと考えています。
母に女紋を尋ねたところ、五三の桐とのことでした。
通紋のため、せっかく誂えてもレンタルと思われるのは残念ですので、
紋を変えようと思っています。
桐飛び蝶や桐揚羽蝶等を候補として考えておりますが、これらは一般的な
紋として扱われているのでしょうか?
仕立て屋によっては一般的な紋以外は付けられない、または別途料金が
必要というところがあり、ご教示ください。
また、他にどのような紋が女紋として相応しいかも合わせてご教示いただ
ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

当家は祖母の時代は、女紋は五三の桐でした。母はつまらないと言って光琳桐に変えましたが、家内は娘と計らって、桐飛蝶に変えています。
これは確かに一般的ではありませんが、それなりに主張するところが多く、ずっと使っていくでしょう。
関東にも女紋という歴史が伝わってもよかったのですが、当時の関東の呉服屋の無知で、家紋をそのままつけているというのが実情です。ただ家紋も女紋も紋には違いなく、私どもはそれがどんな紋であっても同じ値段です。その業者の言うことはとんでもないですが要はとんでもない安物屋です。仕入れ紋というのですが、五三の桐のようなものは紋型があるがそれ以外の場合は型を作らなければならないので別料金をくれというのでしょうが、呆れました。
そんなところで仕立てたりするのはおやめになった方がいいですね。
女紋は基本的に優しい紋が多く、草花をアレンジしたようなものが多いですね。現在ある紋をネット上でもたくさん見ることができます。ちょっと便利帳>家紋の図鑑で9000載っています。新しい女紋をお考えでしたら、アドバイスいたしますよ。

泰三さま
お礼の返信が遅くなり、大変失礼いたしました。
ご丁寧にありがとうございます。
大変参考になりました。
銀座のお店にも今度是非立ち寄らせていただきます。
その際は何卒ご指導よろしくお願いいたします。

コメントする

月別 アーカイブ