和装振興研究会

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最近経産省が、表記タイトルの研究会を立ち上げて、いかにもっとキモノを着る人を増やすかということを主眼に、いわば自分たちの勉強会を始めたようです。

どんな経緯で、その委員を選んだのか知りませんが、私とは目線の違う人が多いので、私が思うような道筋の議論にはならないでしょう。

まあいまのところ各委員のプレゼンを聞くだけの段階で、非常に漠然としていますが、どんな結論を導き出したいのかということが明確ではありません。

経産省は本来産業振興の立場ですので、着るものが増えれば当然産地は潤ってくるだろうと思っているでしょうが、現実にはそうなっていないことが、複雑なところです。

着る人は確かに増えていて、若い女性だけでなく、中年女性でも初めてキモノを着ようという気になった人も少なくありません。

ですから、キモノという文化が消滅するということは絶対になく、キモノを着る人自体はこれからも減ることもなく、以前よりは増えて行くのだろうと予想しています。

ただ問題はいつも指摘していることですが、まあ当然ですが、家にある母や祖母のキモノを着てみる、あるいはリサイクルのキモノで始めてみるということが多くて、着る人が増えているといっても、新規のキモノ販売に結び付かないのです、

ですからいくら着る人が増えても、産地の疲弊に歯止めがかからないのです。技術者の高齢化は半端では無く後継者がいません。

ですから何とか市場開をしなければということでということで、買いやすい値のものを提案しようという動きも過去に比べて活発です。

そうして自分なりの好きなキモノを買っていくことで、徐々により高級なものへという道を敷くというのが理想ですが、残念ながら多分そうならないでしょうし、仮に可処分所得が大きく増えても、その時にはものづくりができていない可能性があります。

今の職人さんは70過ぎた人も多く、健康上の問題でいつ辞めていくかわかりません。

突然のように辞めていくということも最近ままあり、痴ほう症になったりで仕事が出来なくなったなど、高齢化は半端では無いのです。

また業界人でも次々廃業しており、西陣でも知らない人がいないような名門織屋が辞めていく話を聞かされて本当に寂しいのです。

安いもので市場を活性化しようという思いはわからないではないのですが、それで産地が保てるのでしょうか。先人から継承してきた世界に誇る技が護れるのでしょうか。

憧れのキモノを作る人もいることで初めて文化の全体構造が成立するのではないでしょうか。

いつもしつこく言いますが、そのためにも専門店が目線を上げて、自らを鍛えて、知識を増し、より上質なものを薦めて行って欲しいのです。

地方から上物を求めて銀座の店に来られる方も少なくありませんが、地元にはその方たちの感性を満足させるものを置くところがまったくないということを聞かされるたびに、何か残念な思いをしています。

我こそキモノ文化を支えるのだという自負をもって、使命感のもとに尽力していただけることを期待しています。

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