キモノの色について

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近年京都に来られるとお気づきになるでしょうが、若い女性がレンタルキモノで観光している姿が急激に増えています。

中には外人も結構いますが、京都は確かにキモノがニアう街だと思いますし、そのキモノを着ることが浴衣以外の初体験という女性も多いようで、キモノを着る楽しさを感じて頂ければそれはそれで喜ばしいことではあります。

勿論料金が非常に安いせいもあって、材質はポリエステルの機械染めばかりですから、冬などは寒々しい感はぬぐえません。帯も浴衣に占めるような半巾のもので、太鼓結びはできません。

それはそれで仕方がないのですが、問題はその色目や柄が、如何にも京都には相応しくないだろうというものが多々あることです。

このことは結構最近問題視する人も多く、余りにもけばけばしい、浴衣の出来そこないの様なキモノは、京都の景観にそぐわず、逆に損ねるという風に思う人は少なくありませんし苦情も多いのです。

看板条例で色の規制などをするのなら、このことにも京都市は業者にもう少しシックな京都にふさわしい色目のものを取りそろえるように申し入れればどうかと思います。

浴衣しか着たことがない女性がそういう目でキモノを選ぶとそんなものを借りてしまうのかも知れませんが、業者のアドバイスも大切だと思います。

ただそのけばけばしいものも、沖縄等の南国で、太陽光がさんさんと降り注ぐ場所でなら何の違和感も感じず、逆にシックなものは反対にまったくよく見えないということになるでしょう。

ハワイに行って、渋い色のものを着用しても決して良い色のように思えないでしょう。

つまり服飾の色というのは、その場所や環境によってよく見えたりそうでなかったりします。

一つは光源の問題があります。

色というのは、光源からの光を反射してみていますので、同じものがその光源の変化で違った色に見えることはままあります。

我々作り手は光源を一定しないと配色するときに困り、正に色に迷います。

かつて職人さんは午前中の直射日光の当たらない北側の窓から入る陽の光で配色をしたりしていました。一番太陽光が安定しているとのことでした。

太陽光の反射で見る色に近いような蛍光灯などもあって、室内でも色々工夫はするのですが、配色する部屋を変えるとまったく違ったりして本当に難しいのです。

ですから同じキモノでも、沖縄と京都ではその太陽光に違いがあるので、違った色に見えることは当然です。

また場所によって相応しい色というのはその周りの環境に寄っても大きく違います。

ビルに囲まれた大都会で、高級ホテルの中でよく見えるようなシックな色を、正になにもまわりに無いようなところでは場違いとなるでしょう。

キモノの色を選ぶとき、どんな場所で、どんな時に、どういう時にそれを着るかということからして考えて見るべきであり、またそれを考えるのが楽しいのです。

お洒落というのは、そうしたことを色々勘案し、かつ会う人への思いやりが基本であることは今も昔も変わりません。

そのためにもやっぱり良く着ることからでしょうね。

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コメント(1) | コメントする

10数年前、京都で舞妓の衣装を着たことがあります。そのときには、着物についてまったくわかっていませんでした。だから一番安いプランの着物にしました。今見ると非常に安っぽい柄と色です。もっと高いプランにしたなら、もっと良い着物だったのだろうかと思います。

着物のことがわからないと、いきおい、華やかなものを選んでしまうのだな、というのは演劇部の高校生の活動にかかわってよくわかりました。(演劇という活動の方向があるにしても、舞台衣装でないところでも、華やかな色で大柄なものが好き)

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