道がないわけでは無い

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ちょっと孫に会いに行ってきましたので、投稿に間が開きました。
東京との往復と、孫に会いに行く旅行で1か月があっという間に過ぎて行きます。

ところで先日また和装業界でやや大きな倒産があったようです。
東京の和装小物の老舗の問屋です。

業歴85年もあるのに、倒産するのはそれなりに理由はあります。

かつては都内の専門店を中心とした商いだったそうです。どちらかというと中級品を扱っていたようですので、取引先の数も多かったようです。

ところが、バブル経済破たん以降、専門店の退潮は著しく、廃業、倒産が相次ぎ、その問屋の売り先がどんどん減って行ったわけで、当然ですが売り上げも急減し始めます。

それでその問屋は、その活路をNC(ナショナルチェーン)に求めたわけです。

全国に支店のあるようなところと取引ができると、一挙に100店舗も得意先が増えるようなものですから魅力的だったと思います。

しかし近年のNCは買取をほとんどしませんし、総量委託でありながら、とんでもない利益率を要求します。

全国に店があることの経費は確かに大変なのはわかりますが、総じて旧態然とした経営で、売り上げ落ちてきたから4倍も5倍もの利益率が必要などと言うのは尋常ではありませんし、それはあきらかにビジネスモデルが間違っているのです。

NCが生き伸びる道は、本当は独立採算制と、本体経費の節減です。

その時代に合わせた機動的な経営が必要なのはどんな業界でも同じですが、呉服業界では成功体験をした経営者がまだいると、どうしてもその良き時代のことが忘れられず、迅速な的確な手が打てません。

また経営者が急に若返ったとしても、キモノという文化を全く知らず数字だけで経営するから益々ろくでもないものを高く売るようなことになり、消費者目線無視の経営となります。

全国同一の金太郎飴的経営は、市場が拡大しているときにこそ有効なのですが、縮小しはじめ、価値観が多様化すると、店によって非常に売り上げにムラができます。こんなことは直ぐに理解出来ます。

なぜそうなるかという根本の原因も分からず、ただ数字だけを言う経営では、会社は劣化するばかりです。

地域性を重視し、それに合わせた個性的な品揃えができる体制づくりが肝要ですが、まあ今の現状では人材レベルにも問題がありますし、今後のNC経営は多くの課題を抱えています。

その問屋はあるNCと深く取引を開始して、生き延びたかに見えたのですが、そのNCも昨年の消費税アップ以来急激に退潮しはじめます。ただでさえ売り上げが出来ても利益率が低いのですし、実はかなり以前からかなり苦しい経営を強いられていたのですが、急激な売り上げ減にとどめを刺されたようです。

長い期日の手形で支払っていたことが仇になったのも確かです。

要するに時代の変化について行けない旧態然とした経営に終始していたということなのでしょう。

時代と共に多くの社会環境に変化があるのは当然で、だから同じ事を同じようにしていても続かないのです。一時時代の寵児のように扱われた会社であっても、急激な変化の中での的確な戦略転換を果たせなければ、一挙に業績は落ち始めます。

これをどう凌ぐかとぃうのが経営者の手腕ですね。シャープなどはそういう意味で最悪の判断をしてしまい、益々状況が悪化したという典型例でしょう。

いまの時代日本は教養がなく、何を変え何を残すかと言う価値判断のできない輩のために
確実に多くの文化が壊れ、低質化しています。

そうした環境の中で、キモノ業界でも作り手の段階で色々な試行錯誤がなされていますし、生き残りをかけて呻吟しています。

ところが本当は一番変わらなければいけない売手が変わらないというのがいまの業界の一番の問題だろうと思います。

消費者が、お客様が何を求めているのかということに、一番敏感であるべきであり、また新しい御客の獲得に、一番知恵を出すべき存在なのに、旧態然としてHP一つもないと言う状況が変わりません。

私は今の小売店などの実態を見るにつけ、もちろん頑張っているところも少なく無いとは言え、作り手としてモノづくりを守るためには、SPAを考えるのがもっとも自然だと考えます。

私が15年前にそのことに一歩を踏み出し、色々ある意味慣れないことゆえ苦労もしましたが、物づくりの方向性に迷いもなく、私のこだわりを伝えてこれましたし、同時にお客様が何を求めておられるのかを肌身で感じられたのは大きな成果です。

物づくりが止まらないよう、無くならないようにすることを売り手に求めるのは当然ですが、それができないという状況なら、それをいかにしてカバーしていくのかと言うことを考えるのは極めて当然であり、それには色々な方向性もあるということです。

作りて段階の若い人には、後ろ向きにならないで、悲観的にならないで、流通の壁を突破で来れば必ず道が見えてくると私は信じています。

きっと我々のような年長者よりはるかに面白い提案をしてくれるものだと思っています。

まずは一歩踏み出す勇気です。

しかしながら伝統をぶっ壊し安物ばかり作るような輩もいますが、まず続かないでしょう。

何が大事で何が変えるべきことなのかだけはこれからの若い人もよく考えてもらいたいと心から願っています。


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