和装振興研究会の成果は?

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経産相が和装振興研究会というものを初めて、先日も第4回目も終わったようで、あと1回だけとなりました。http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/wasou_shinkou/004_giji.html


ここで話されていることはいちいちもっともなことではありますが、私はこの会の委員の面々を見たときに、キモノ業界の重鎮としてリーダー的存在の人がだれもいないこと、産地のものが参加していないことなどから、結局経産省は何をしたいのか全く最初から見えませんでした。

どうやら地方創生というテーマの中でキモノ文化がその一助にならないかと言う事を模索するためだけの目的だったようですから、いま現実に何か模索して動いている人を委員として選んだようです。

結局どんなイベントしようとかそんなことの提言で終わりそうです。

その一つとして経産省の役人が年に一度キモノの日にキモノを着ましょうというような極めて陳腐な提言位でお茶を濁そうというのですかね。

そもそも経済産業省は、産業振興の立場であるわけですが、キモノは従来から伝統産業の範疇としての扱いで、おざなりの補助金行政でしたので、今回のこうした取り組みは多少期待したところもあります。

キモノを文化として捉えたとき、そのものづくりが未来に掛けて続けていけるか、どんな形で続けられるかが問われるわけですが、若しかしたらインクジェットや機械染めだけが残るのか、それはそれとして、手作業の高度な技を必要とするものも同様に残っていけるのかは、本当に喫緊の課題です。

基本的にはキモノという産業が残るのはキモノを着る人が増える、キモノを買う人も増えるということに違いないわけです。

我々が社会人になってスーツを買い始めたとき、いきなり高価なものが変えるわけはなく、やすいものから買い始め、それなりの所得を得るようになって、より品質の高いものを求めるようになるというのが自然な需要です。

キモノでも同じことで、これからの人にキモノを着てもらいたい、買ってもらいたい、そして将来はより付加価値の高いものを購買していただきたいというのが本来の業者の姿勢のはずです。

ですからインクジェットなどで製作されるキモノなどはそのエントリーとしては最適なわけで、この技法が開発されたときは、そういうものづくりに使われるだろうし結構なことだと私は思っていました。

ところが現実は、安く作るだけのためという動機が強く、それを製法を記さないで、さも京都の友禅染のごとく消費者を欺いて、インクジェットで作った割にはとても高い上代を付けるというようなことをしてきました。

こうしたことが消費者の不信をますます増大させ、混乱を生むだけの結果となっています。正しい説明があって消費者がそのことを理解し、それに見合う価格なら、インクジェット製法そのものが否定される物ではないと私は考えます。

買う側の目線で正直な商いをすれば、洋服と同じような消費の流れを生むと思うのです。

こんな当たり前のことでさえこの業界はできませんでした。

そのうえ売るのでは無く、レンタルするような呉服屋が増えてしまい、益々産地は細るだけです。

当然ですが、本物を作るための職人さんの高齢化と後継者難で、安いものから始めて良いものへたどり着くという道筋が描けなくなりつつあります。

私は経産省のこの研究会に、インクジェットや機械染め、手描き友禅など、おおざっぱでいいから主たる製法表記を義務付けるような結果を導き出してくれないものかと期待していたのですが、どうもそういう流れになっていないようです。

結局産地目線がなかったことがこの会を陳腐なものにしているのかもしれませんし上物屋が誰一人参加していなかったことも、真の技の価値を訴えることが出来なかったということかも知れません。

あと1回あるようですが、何とか未来への向けて、産地にとって希望の光の見えるような提言をして貰いたいものだと願わずにはいられません。

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