絽のキモノ

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夏のキモノにも色々なものがありますが、これと言った改まった場所に着て行くものはやはり絹の絽の付下げ、訪問着などが相応しいでしょう。
やや軽いものでは絽の小紋があります。
かつては絽の振袖、黒留袖、色留袖なども生産されていましたが、近年ほとんど作られていません。実際絽の白生地の主たる生産地の新潟県の五泉などの統計を見ると、三本路、五本絽などとても生産が落ちています。これにはそれなりの原因があるように思います。
それなりの場所に着て行く絹の絽のキモノ、普段着としての麻や絹の紗のキモノ、そして浴衣などそれなりに以前は場所やその必要に応じて着分けてきたものですが、近年浴衣を夏のキモノとして代用するような傾向が強く、もともと浴衣の一種でもあった綿紅梅や絹紅梅なども襦袢を着て夏のキモノなどとして通用していたり、本来は夕刻から夜に着る浴衣も昼でも堂々と着る時代になってきました。
こうした変化が絽のキモノの生産を著しく落しているように思います。
麻のキモノや紗のキモノも良いですが、後染めの柔らかな絽のキモノは上品で涼味もあり、是非お作り頂きたいと思いますね。
最近は夏の婚礼でも絽の振袖など探してもないので、冷房も完備していることだから袷の振袖でお出ましになることが多いようですが、色々なキモノを作っていた昔が懐かしいですね。
当社も絽の黒留袖を注文生産で結構作っていましたが、今は需要もないのでしばらく染めていません。それなりに地位ある人が着て頂ければ需要が復活するでしょうが、現実は望むべくもありませんね。

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孫が6月生まれでお宮参りの祝着は絽にしなくてはならないのかと思いきや「絽の祝着は作っておりません」と言われました。白生地から買って作ればできたのかも知れませんが、出産するまで万が一ということもあり、あまり早くから作るのも如何なものかと思われて。女児でしたので七五三のことも考え袷のものを購入しました。婿(=孫の父親)も7月生まれですが、彼の祝着は絽だったとのこと。この30年で呉服業界も随分変わったということでしょうか。

呉服業界が変わったというより、社会環境が変わりました。 今時絽の産衣や祝い着を作る人が激減しているのです。夏に生まれるという事でしかも最近は 性別がわかっているのなら、最低三カ月以上前から誂えをしなければ、出来合いのものはありません。 戦前は殆どお誂えでしたが、戦後よく売れるようになって業者もそれなりに作っていたのですが、近年はキモノのことをご存じの方も激減していますので、お誂えは止むを得ませんね。

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