秋になって

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色々私事で忙しくやや投稿ができませんでしたが、あっという間に酷暑も過ぎ去り朝晩も涼しい風が吹いています。

最近の天候は不安定で、超優秀なコンピューターを持ってしても外すことも多く、特にゲリラ的な豪雨にはキモノを着ていたときには特に困ります。

さて9月も半ばとなり、流石に透けるキモノというのも気恥しく、単衣を着ておりますが、夏物でも今シーズン一度しか袖を通していないものも何枚もありますし、お手入れに出すのがもったいないような気もしますが、それでも衿の汚れくらいは始末しておいたほうが良いのです。

そうすることでいつまでも綺麗に着られます。面倒くさいようですが、汗シミなどや脂質などは経年では取れなくなります。出来ればちょっとしたお手入れをしてもらえるところが近くにあれば良いのですが、無ければネットなんかでもそういう業者がありますし、余り難しく無い手入ならそういうところでも十分です。私共でもお引き受けします。

ただちょっと難しそうなものはそれなりに技術のあるところでないと、後でもめたりしますので注意が必要です。

過日リサイクル業者の知人と話していたら、タンスのキモノの整理を頼まれて行くと、9割ほどは、引き出しを開けた瞬間にカビ臭くその埃の様なものが舞うそうです。

もちろんキモノにすべてカビが生えているに違いなく、使いものにならないでしょう。

カビをおとしても、菌が入りこんでいるので、また同じことを繰り返します。

中には躾糸がそのままになっているもの、嫁入りの時にご両親がお買いになったものがそのまま箪笥の中に眠っていたといたと思われるものが、数多く在るそうで、彼もその話を聞いた私も非常に悲しい思いをします。

我々が職人さんとともに心血注いで作り上げたキモノがそんな状態で置かれているとしたら、残念を通り越して涙が出そうになります。

着て頂くことが、まずは買っていただいたご両親への感謝、或は販売したもの作り上げたものへの励ましになります。

日本女性でありながら全くキモノをお召にならず、しかもそれなりにお金を持ち地位もある人なら、ぜひ日本女性の代表として世界最高の服飾文化であるおキモノをお召いただきたいと思いますので、余計に悲しい思いをしています。

外国人から多くの方が来られご接待されるような立場なら、最高級のキモノでお出迎えされることが、真の最高のおもてなしでもあると思いますし、そのことで日本人である誇りを改めて取り戻されることでしょう。

どんなブランド物を買われようが身に付けられようが、それはそれでまた結構なことですが、おもてなしにもメリハリを付けられることが当然でしょうし、その服飾のジャンルにはキモノを入れていただけないものかと思っております。

それなりの場所でのキモノをお召になるだけでなく、普段でもお召になるために紬や小紋などの普段着もお求めになれば、毎日の服飾ライフにバリエーションがとてもふえて人生が楽しくなります。

キモノ業界では、この春過ぎたあたりから、底浅いアベノミクス効果も薄れたのか、全般に需要がかなり落ちており、産地のあきらめムードにも拍車がかかっています。

それぞれが相当な危機感の中で四苦八苦しておりますが、しょせん需要がなければ生産がないというわけで、その需要喚起にどんなものを作れば良いのか呻吟しています。

こんなものが欲しい、こんなキモノが着たいという消費者の声が届かないのです。

仕方なく最近は小売屋の展示会にも作り手が出て行って自分で売ると言う時代で、その中で得た情報で物づくりをするということでしょうが、こんなことがずっと続くわけもありません。

結局消費者と製作者の間の情報交換をダイレクトにすることが望ましく、それは現代ではITの駆使です。

私は今年孫に恵まれましたが、地方都市にいるので毎日会えないわけですが、今は所謂、テレビ電話のようなソフトも多く、私共夫婦も毎日アイパッドで孫に話しかけています。

また東京の方が当然子供服なども豊富にあり、孫の洋服などを買う時にも、娘とアイパッドで見せ乍ら選んだり、本当に便利な時代です。

専門店でももっとそうしたことを活用されればお客様とのコンタクトが容易になるのにもかかわらず、いまだに食わず嫌いなのか、HP一つないところも非常に多く、これではいまどきの消費者がすべてそうしたツールを使うのに、情報が発信できません。

ですから作り手自らがそうしたことに積極的に取り組むことをずっと以前から申し上げていますし、現実にそういうところは増えています。

ただ気を付けなければいけないのは、我々から見て、ここは酷いというところほどこういうことに熱心なので誤った情報を消費者が受けている可能性は否定できません。

私は業界が最高だったときにこの仕事に従事し始め、いま最低のレベルの時までつぶさに見てまいりましたので、業界のネットワーク、知人も多いので、お困りのことや分からないことがあればお尋ねいただければ色々お調べいたします。

私はいつまでこの業界にいることはなくとも、そういうコンシェルジュのようなことは一生できますし、遠慮なくお尋ねいただければと思います。

この秋のキモノへの需要がどれほどか、みんな心配しています。

私自身はハッキリ言って売れなければ、私の時代が終わったとすぐにでも身を引きますが、まだまだ先のある人たちは大変です。

陰乍ら応援しているのですが、モノづくりの精神というものはどんな時代であっても変わらないという事だけは自覚しておいて欲しいのです。嘘をつくようなものづくりは長く続かないのです、誠実で良質なものづくりを忘れず続けていただきたいと願うばかりです。

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