当たり前の話

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キモノ業界は全般にこの5月位から相当に苦戦な状況です。

不安定な天候にも影響されていますし、ろくでもないカスのような政治で将来への不安が増し、不要不急のキモノの購買が減っていると言う側面もあるでしょう。

或るナショナルチェーン店は会社ごと売りに出されているといううわさもありますし、チェーン店の苦境は半端ではありません。

当然そこの納めている問屋の苦境も同様です。

不要不急のものを買わないということは、決して経済が良くなっていない現われです。

つまりそういう心のゆとりがないということです。

また違う側面も考えられます。
チェーン店の社員の質、売っている商品の質等が低いということがある程度キモノのことがわかってきた消費者が見抜いてしまうのでしょう。

私もあるチェーン店と取引していたことがありますが店外の催事で売ることが多く、その会場では社員は何もわからないので、コーナー展開しているメーカーのところへ誘導するだけで、しかも私から見ると飛んでもなく品質も低く、何処で着るのかわから無い雑巾のようなキモノをとんでもない値で売っていますが、そのメーカーの契約している派遣の女性の口から出まかせのとんでもない嘘に初心者が騙されていて、本当に可哀想になりました。社員は横にいて口裏合わせて、何でもいいから売ろうという姿勢で、本物など何もわかりません。

私は余りにも商品の扱いもひどいし、社員のレベルがあまりにも低いので、そのチェーン店との取引を辞めましたが、本当になぜ勉強しないのか理解できません。

デパートも似たようなもので、本当に消費者はどこに買いに行けばいいのか分からないのです。なぜもっとデパートも販売員強化の人材教育をしないのか。

実に腹だたしい限りです。中には見どころのある社員もいますが、総じて勉強不足で何も知りません。

この業界を救うのは、何時も申しあげているように、商品知識もあり、お客の身になってアドバイスできる真面目な売手の存在です。

問屋のマネキン(派遣社員)などはキモノを着て売り場に立っていますが、当然ながらその問屋のものしか薦めませんし、隣りに本当はその女性に合うキモノがあっても無視です。

それが特定の問屋の契約社員であることがわかれば良いのですが、さもそのデパートの社員であるがごとくの言動をさせるので、知らない消費者は本当にそう思って信用して、後で後悔するとか、余りにひどいレベルに呆れるとか、そのデパートの評判そのものを落とします。

本当にお客を育てようとか、お客のキモノコンシェルジュになろうとか、真面目に努力して欲しいのです。呉服部に回された社員でも、問屋をうまく利用することばかりに熱心で、自分はなにも知らないというような輩が山ほどいます。

これは専門店でも同じです、展示会で問屋に売ってもらわないと売れないなど恥かしい限りです。

一体誰のために、何のために仕事しているのか、極めて理解に苦しむ業者がいますが、このままなら真面目な作り手は高齢化でみんな辞めてしまいます。

他の物販に比べてキモノは覚えることも多く難しい職種です。それに以前ほど売れませんし、皆が儲かるようなこともありません。

ですから余計に以前以上のよく勉強する人が必要とされますが、現実は逆です。
原因は必ずしもキモノが好きでないものが商っているからでしょう。

先日知人がキモノをもって来てこれに羽織を作って欲しいというのですが、どんな時に着たいかというと、婚礼とか祝い事だというのです。

しかしそのキモノは完全な紬でご丁寧に家紋が刺繍で入っていました。それを頼んだ呉服屋は私もよく知っているのですが、その社長は人前で俺はキモノが嫌いだと平気で嘯くのです。つまりキモノを知らないので、そんなものを儀式の時にしか着ない知人に作ってしまったのです。結局お召しの上下をもう一度作ることにしましたが、情けない話です。

好きでもないものが雑誌などには偉そうなことを言っているのですし、本当に許せない思いですが、これがこの業界の現実です。

最近キモノが好きで小売業界に参入する若い女性などを時々見かけますが、こうした人たちが嫌気がさすことなく、キモノ文化継承の一助となってくれることを心から願いますし、そういう人たちに色々と私がお手伝いできればと思っています。

何度も何度も同じようなことを書いていますが、消費者と作り手の間に立つ者の重要性が益々問われているのです。


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