覚悟

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11月15日はキモノの日ということになっています。
昭和41年に全日本きもの振興会が記念日協会に登録したものです。

七五三に、お子様だけでなくご両親やご親族にもキモノを着て頂きたいということからこの日にしたようです。5月29日をゴフクの日ということで、その日でもよかったのではないかと思いますが、何かの風習に合わせたということ自体は理解出来ます。

ところがその記念日に、業界として全く統一した運動は皆無なのです。

全日本きもの振興会が決めたのに、全く何もしません。

せめて全国のキモノ関係者が代表者は少なくともみんなキモノを着るとか、これといって金をかけないでもできることはあります。

経産相の繊維担当の役人が16日にわずかな人間がキモノを着て、取材させていましたが、抱腹絶倒のバカさ加減です。

過日和装振興研究会なるまったく意味のない会議を何回か重ね、その結果が役人が11月15日キモノを着るというようなことを決めるだけで終わりました。

最初からそのメンバーの名前を見て、まあこの程度の結果しかならないだろう思っていましたが、今さらながらに教養ない経産省の木っ端役人のレベルを見た思いです。

彼らにはキモノ文化の何を守るのかがまったくわかっていませんし、メンバーも本物を知らないような連中ばかりでしたので、素人同士のような話しです。

知ったかぶりの外人が言うことに頷くレベルでした。

まあ言った手前、キモノを着たのでしょうが、このことが全省庁に広がれば少しは評価しますが、人間のあまりのような教養の欠けらもないような大臣の下ではあり得ない話です。

今の役人どもにはキモノ文化の真髄等全く知りもしませんし、屑レベルの知識でどうしてこの文化が守れるでしょうか。

私が大学を卒業したころ、当時で1兆円産業でした。それもほとんどキモノだけの末端需要です。当時大卒初任給が5万円ですから、今は20万円ということを考えると、現在価値で4兆円以上の商いの業界ということになります。

現在3000億と言いますが、その数字はNCなどチェーン店の数字を入れていますが、こういうところは、宝石、毛皮だけでない色々なものを販売をしていますから、純粋にきものだけならもっともっと少ないのです。

仮に2000億とすると、現在価値の5%ですし、まあ実情に合っています。

ただネット販売や、リサイクルでの販売が統計に出ませんので、実体は捉えにくいのです。

少なくとも新規需要は減り続けており、当然製造も同様です。

こんなジリ貧状況が長く続けば、インクジェットや機械染めのようなものだけが残るということになるのでしょうか。

私自身は高度な技の継承のために、微力乍ら色々なものを犠牲にしても頑張ってきたつもりですが、今の世代にはそんな根性を感じません。

売れれば何でもありの安物志向で、相も変わらず知らない消費者を騙す商いが横行しています。

真面目に考える人がバカを見る業界に成り果てて、廃業は増えるばかりです。

詐欺にも近い商いで店舗を増やしてきた屑が倒産して、それを支援していた大手問屋も反省して、真面目な商いに戻るかと思ったものですが、とんでもなくて、益々輪をかけたようなあほ商いを続け、消費者をだまし続けてきた報いで、他のチェーン店の急激な退潮を受け、大手問屋は大苦戦です。

この業界で上場企業は少ないのですが、一応売上トップの会社が、このたび上場廃止を決め話題になっています。

他の上場企業も赤字が続いたり、急速に業績が悪化しています。

この先どうなるかわかりませんが、今のまま何も体質を変えなければ、非常に危険です。上場廃止する問屋は、レンタル市場に本格的に参入するなどと言っています。

嘆かわしい思いをしますが、今の日本では大きな流れなのでしょうか。

最盛期の5%もないような状況の中で、これからこの業界で食って行く人には、それなりの覚悟が問われます。

どんなキモノを次の世代に伝えて行くのか、それはこれからの人たちの見識や良識に関わる問題です。

私はそろそろ世代交代だと思い、引いて行こうと思っていますし、それが正常な行動だと思っています。

晩節汚す欲深い紬作家などを見るにつけ、この業界の程度の低さに辟易し、早く去りたいとは思っても、真に本物を伝えるところが減り続けている現状では、なかなか引退の覚悟も鈍ります。


別にそれをするからと言ってキモノがよく売れるということではありませんが、

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織物の作り手をしている者です。
泰三さんのブログは時々拝見させて頂いていますが、歯に衣着せぬ物言いで読んでいてとてもスカッとします!

「晩節汚す欲深い紬作家」の方は噂も色々と聞いているので全く同感です。
同じ立ち位置で表舞台にあまり立たずに南の島で後継者育成をされている方の爪の垢を煎じて飲ませたいですね。

同感ですね。一族のためだけに名声を利用するなどもっての外です。重要無形文化財保持者は、後継者育成のための名目で年金が出ています。そういう活動をされているとはとても思えません。弟子につくらせた質の悪いものを飛んでもない値で売る不見識に、作り手としての良識があるのか理解に苦しみますね。

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