老舗とは

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先日当店のお客様が、地元の九州のある都市の呉服店で、お嬢様にと思って、訪問着を衝動買いされたのですが、そのことについて大変ご不満をお持ちのようです。

そのお店は業歴が100年近い、いわゆる地元の老舗です。

ただどうもその取り引き先は我々のような専門問屋ではないようで、あまり高級な店というイメージではありません。

その訪問着はお写真送っていただいて見る限り、そうひどいものではありませんが、型物か、糊を型で置いてあるかで、どちらにしろ、そこそこ数を作っているだろうと思われるものです。

ところがその呉服店の説明は。手描き友禅で、しかもその色は自分の店から指定して作ってもらったということでした。

ところがその方がネットで違う店のことを見ていたら、その店舗の写真に、なんとそのキモノが写っているのです。それも近所の店です。

型糸目のものは手挿しですので、手描き友禅というのはあながち間違いではありませんが、型友禅の物をそう言ったなら明らかに嘘です。

そして何よりもダメなのは、自分の店にしかこの色は無いと言っているところで、つまり色だけ指定しているということはこのキモノは他にもあるということを暗にほのめかしていますし、完全な手描き友禅でないことも知っているのですね。そしてその色は自分のところだけだというのも真っ赤な嘘ということです。

オリジナルだというので買ったのに、すぐ近所の店に同じものがあるのはどういうことかと問い合わせたら、それは勝手に問屋が真似をして作らせたものだと宣ったそうです。

どうしてそんな嘘をつくのでしょうかね。確かに同じ地区に同じキモノがあるということは、同じ問屋が無神経に売ったか、貸したかしてということでしょう。

そうでなければあちこちの問屋に同じものがあるということでしょう。

そのお客様は当然ですがその店では二度と買わないし、呉服屋とはかくも嘘をつくのかという不信感を覚えておられ、泰三さん以外は信じられないとおっしゃっています。

地方都市の老舗というところは、地元のお客さまに可愛がっていただいた結果長く商ってこられたわけですから、そうしたお客様との信頼御関係が何よりであることは言うまでもありません。

老舗呉服店と言うのは信用が一番ということはどんな仕事でも同様です。

お客さまはこの店は老舗だから、嘘はつかないだろうし、誠意ある仕事をしているだろうと思われるでしょう。つまり老舗は安心感を売っているのですね。

置いてあるものも確かなもので、商品知識もあって色々教えてもらえるだろうと消費者は勝手にそう思います。

それが現実にはそうでないとわかった時は信用は一挙に失墜します。

また老舗がそうでない店との違いは、そうしたクレームに対しての対処です。

お客様が納得できるようにとことん誠意を尽くすことですね。

ところがこの店はそれもできていません。

商品はどこにでもあるようなものを集め、その知識もあやふやでクレーム無処理もできないとなると、老舗という名にふさわしく無く、逆に老舗だからお客の失望感や風当たりは強いと思います。

堤防も蟻の穴から壊れます。

社員教育も含め、当たり前のことが当たり前にできるよう心掛けるべきでしょう。

実は最近業歴は古いけれど何の特徴もない、ありきたりの店というのをよく目にします。

老舗だからこそできることは何か、差別化するために何が必要か、よく考えて欲しいと思います。

どんな時でも消費者目線は忘れないことですね。

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