廃業続く

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10月もあと1日。早いものです。

今月も当社と同じほどの業歴を持つ、私と同じくらいの経営者の日本橋の問屋が呉服部門から完全撤退するとのことでした。不動産があるので、その運用で食べていけるのだそうです。

実はこういう会社が次々とキモノの仕事から離れて行っているのです。

早い目にそうした収益物件を取得しておいたというのは慧眼のようですが、結局キモノの仕事を生業として貫く覚悟がないのでは無いのかと思います。

私も同じようなことを考えたこともあるのですが、賃貸物件はある程度の年齢を経るとメインテナンスにどんどん金がかかるようになってきますし、それほど利回りが良いとも思えず、借金をしてまでするのなら、その金で物づくりをしようと思った次第です。

ですから今でも日本最高峰のものづくりが維持出来ているのだろうと思いますが、現実は寂しい思いです。

かつて父は戦後当時では考えられないような高級な絵羽物の生産で一世を風靡しましたが、
後に同様に高級なキモノを生産するところも出て来て、切磋琢磨、競争をする時代となりました。

ある呉服屋が今や泰三の黒留袖も日本一では無いと偉そうなものの言い方をしましたが、口だけ大きな呉服屋で後に消えてなくなりました。

でも実際良い時代はみんな切磋琢磨していたのは事実で、それぞれの特長を出したものづくりをしていたものです。

それが次々と安物志向に走ったり、辞めてしまったり、私が競っていた人が次々といなくなりました。

私に言わせると、そのライバルたちのものが売れないほうが不思議なのですが、原因は流通業者の急速な劣化です。

嘆かわしいほど勉強をしていない輩が、売れれば何でもいいというような輩が激増した結果、
本来売れるはず、消費者が求めているはずのものづくりが急激に減退してしまいました。

消費や目線ゼロの呆れ返るほどの低レベルな売り手が激増しては、従来の流通構造では、絶対売れるはずのものづくりが止まっています。

私はそうした流通業者の不勉強、教養という言葉とは無縁の無知をずっと苦々しく思っていて、
その連中を飛び越えて行くしか、私のこだわりを徹底完遂できないと思ったので、アンテナショップを作りました。

問屋が小売りをするなど片腹痛いと思っていて、絶対うまく行かないと思われていたようですが、消費者目線のない教養などかけらも無い輩よりは、私が前に出ることが正義だという自負があり、現実そうなりました。

銀座で高級フォーマルでは今や他の追随を許しません。というより銀座はそういう街なのです。
どこにでもあるような紬などを売る街では無いはずなのです。

従来の銀座の店はお客を大事にして、暴利を貪るような値入れもしません。

新興の店で紬をとんでもない値で売っているような店があるようですが、銀座の店がすることでは無いと私は嘆きます。

消費者が本当に求めるものを作り手に伝えるのが、売り手の大きな役目です。

それをなにもしないで良いものがないなどとほざくのはお門違いです。

売り手と作り手のタッグマッチがうまく行くかどうか、共存できるかが何時の時代でも基本です。

両者が良く勉強して、本物を作って欲しいとつくづく思います。


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