何も変わらない

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京都の帯のブローカー問屋が破産したというニュースが飛び込んできました。

かつて大変有名な帯の専門問屋が、バブルはじけた後の極めて放漫で、無策の経営の前にあえなく破産したのですが、その時の社員でデパート係だったものが、デパートに口座をもらい、織屋の協力を得て、ブローカー的な商いをしていました。

ほとんどメーカーからの借り物で商っていますし、相手はデパートで支払いも良いので、真面目にやっていれば潰れるなどありえないのですが、代表者は私と同じくらいの年齢で、ここのところの市況悪化で、辞めたかったようですが、実体のないものに給与を出したり、極めて計画的な倒産ではないかともいわれています。

現在の破産法では、厚生年金などは守られているので、仕入れ先に多大な迷惑をかけても、本人は普通の生活ができてしまいます。

かつては破産させれば、代表者は相当に個人保証をさされていましたから、家屋敷も取って行かれ、下手をすれば路頭に迷うのですが、そういう経営センスのない無能にもかかわらず再起を目指させるということで、かつての債務がチャラになってしまうような理不尽な法律は、正直者が馬鹿を見るだけです。この業界に限っては無能ばかりで、再建したなど近年聞いたこともありません。

作り手の応援あってこその会社だったはずが、多分途中から自分たちが売ってやっているのだという驕り高ぶりがあったのではないでしょうか。

真面目に必死になって働いていた社員も青天の霹靂だったそうで、情けない逃げ方です。

今から20年くらい前から10年間ほど、老舗、名門と言われたような問屋や小売店が次々破綻していきましたが、極めて放漫な経営で、というより経営以前の問題で、まさに噴飯物の倒産劇が続きました。

その当時多くの仕入れ先が被害に遭い、連鎖倒産したところも数知れず、そこの社員だった男がまた再び潰れた本家と同じようなことをするというのは、まさに何の勉強もしていなかったということでしょう。

本家がなぜ潰れたのか、どうすれば潰れなかったのだろうかというケーススタディをすれば、見えてくるものがたくさんあったはずです。

経営者の資質が一番問われるのはピンチの時です。

右上がり経済ではだれが社長をしても儲かりますが、問題は業績が右下がりになってきた時で、そのために何をしたらいいのか何をしてはいけないのかというのは、歴史に学べばいいのです。

そして先人が何をどんな時にしてきたかという中にヒントがあるはずなのです。

先を読むことがトップの仕事なのですが、まあ政官財とも目先しか見えない無能ぞろいですから、キモノ業界にそんな見識ある人材が育つわけもないかもしれませんが、長い長いモノづくりの歴史が途絶えるかそうでないかは、消費者との仲立ちをする売り手にかかっているのは紛れもない事実です。
メーカーを助ける肚のあるものもいませんし、メーカ自身が消費者に向かっていくしか道はないと思います。

本当に何も変わっていないと暗澹たる気持ちになった嫌な日でした。

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