金払いを良くしたところで

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経産省が、和装振興協議会なる集まりを開催しています。前身は和装振興研究会だったようですが、11月3日のキモノの日に経産省の担当役人だけがレンタルキモノを着るという、振興とは名ばかりのまさに無残この上ない結果で終わっています。

全省庁だとか、国会議員だとかが着るというのならまだしもマスコミを入れて自分たちがレンタルキモノを着て仕事をしているところだけを写真に撮らせてプレスリリースをしているという情けないていたらくです、

教養無き役人のやりそうなことだと思って苦々しいのですが、そもそも文化そのものの概念さえ分かっていないような輩が、キモノ文化の振興の話をする資格もなく、生産者目線のない輩が好き放題色々言ったところで、文化の本質は見えません。

キモノという文化の何を残し何をどう変えていくのか、そのために何が国として出来るのか、何も分からない連中がなんとなくただ話を聞いているだけのことで、この協議会もあと1回だそうですが、何を結論として導こうかと言うことを全く何も分かっていない輩の結末はまあ程度の低い提言で終わるのは目に見えています。

私は日本文化も語れない輩が国の役人になるというのはとんでもないことだと常々言っていますので、こういう無教養な役人からは毛嫌いされこういう場所に呼ばれることはありません。

だから余計に好きなことがいえるのですが、そもそもメンバーが低価格志向の業者ばかりで、それも古着屋までがはいっています、インクジェットで物を作る、高級な文化を知りもしない、まさに目のない連中がキモノ文化の何を語るのですか。

着るだけのことなら実はドンドン着る人も増えているし、レンタル屋も活況を得ていますから、キモノをもっと着ましょうとか啓蒙しましょうというと言う時点は過ぎています。

地方にもっとキモノを着る人を増やすにはそれなりの場所の提供、あるいは伝統文化の復活など、また色々打つ手は違いますが、少なくとも大都市部ではこれからもキモノを着ようという人は増えていくと思っています。
古着屋がこのメンバーに入っているのが理解できませんが、この会は何を目的としているのかも最初から見えていません。
育ちの悪い日本文化など何も知らないような役人が高尚なキモノ文化など何も知らないような連中を集めて何を話すのかと思っていたら案の定結局何も出来ないままに時間と金の無駄遣いをしているのです。

文化としてとらえるとき一番肝心なことはその産業育成、つまり生産地の活性化がまず第一義的に話し合うことで、当然作り手の声が入らないと意味が無いのに、産地側のメンバーがほとんどいなかったと言うことだけでもいかに役人が不明であるかの証左です。

物を知らなければそれなりの見識ある物に聞けば良いのによりによって、超安物キモノのことしか考え無いような輩に聞くのは呆れるばかりです。

私は宮中にもおキモノをお作りしてきましたが、そういう方たちのお召しになるキモノや帯を作ることが出来なくなったら、文化として誇れるのでしょうか。

そういう観点を持ち得ない、高級な技のことなど何も知らない、高級な日本文化の教養を持ち合わせない者が何を話すのでしょうか。

茶道も知らず、能、歌舞伎、文楽も知らないような程度の者が日本の大切な文化の未来を語れる資格などありません。

私は東大出の無教養男が死ぬほど嫌いなので、呼ばれても席上で強く糾弾するでしょうからこれからも呼ばれることはありませんね。

産地の活性化のためには思いつくだけでもいくつもの道が見えます。

現実にそういう話は何十年も前から言われていて、問題は先を読んでどういう道筋が実現可能で有効かと言うことなのですが、彼らの議事録読むとどうでも良いような話ばかりで終始しています。知ったかぶりの外人の話も腹立たしいですが、ほとんど生産現場を知らないような連中が大きな口を叩くのは許せません。

過日の話し合いで、業界の流通段階での悪習慣が取りざたされていたようですが、金払いが悪い問屋などがいるから生産者が苦しむのであって、支払い環境をまず整備しようなどと、いったい今頃何を言っているのかという思いです。
金払いの悪い業者には、経営がどんぶり勘定の超無能だから払えないというのと、払えるのにわざと払わないという、まあどちらにしろ商いをする資格もないような輩がこの業界に山ほど今でもいるのは確かです。

基本的には金の払わない輩とはつきあわなければ良いですし、メーカーならそういう問屋と取引辞めれば良いのです。

にもかかわらずそんなところをつきあってしまうのか。

結局は急激な需要減退が根底にあります。

売り手が次々廃業、倒産が相次ぎ、つまり納めるところがドンドン少なくなっていき、
多少金払いが悪くても、残った問屋と取引せざるを得なかったと言うことなのでしょう。

ところがメーカーも次々廃業が続き、生産が急速に細っているので、放っておいても、金も払わない問屋は排除されていくはずなのです。そうでなければそういうところはいずれ自滅して行くはずなのです。

ですから今更金払いのことを論議するなどナンセンスも甚だしいと言わざるを得ません。

今年も6ヶ月を過ぎ、需要は益々細っています。

あるNCなどは明らかに倒産への道を歩んでいますし、消費者をだまして催事でろくでもないキモノを5倍も6倍もの掛け率で、嘘をついて売りつけてきたようなところはそのとがめを受け始めてるのは明らかです。

そういう詐欺まがいの商いを仕掛けてきたのは程度の低い、品格無き大手問屋と称するところですが、どんどん売り上げが減り始め、同様に破産への道を歩んでいるところもありますし、キモノから撤退の方向にあるところも多く、あるいはレンタルやリサイクルに舵を切っているところもあります。

友禅業界で最も古いと言われてるメーカー問屋も赤字が続き債務超過が続いているような状況ですが、これはこの数年の物もよくないのに値段だけ上げたというようなこれまた消費者目線ゼロの商いの結果です。

そう思うと作り手にとって絶望的な状況のようにも思いますが、私はそうとは思いません。
ろくでもない商いを仕掛けてきた屑のような流通業者がなくなって言うことは結構なことで、まじめなところが残っていくことは歓迎なのですが、ただほとんど委託商いのなかでは、残ったところが大きなリスクを持つことになりかねず、かといってかつてのような買い取り優先の商いに戻ることも100%ありません。

残る道はいかに消費者とメーカーとの距離を縮めるだけです。

まあ基本的にはキモノが好きな、仕事の好きなメーカーや流通業者が手を組んで、努力することですし、あるいはネット販売やアンテナショップでの販売などのダイレクトマーケティングを画策することでしょう。

私はまじめな人の方が多いのだと思っていますし、色々と生産上の制約は今後も増えて行くでしょうが、それでもその時代時代で出来ることで頑張って行ってくれると思っていますし、私のやってきたことは出来なくても、すべてがなくなることはありません。

まじめにやっていくところが阻害されることがないようにすることは少なくとも願いたいです。

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