生地一つで

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当社は先代以来、慶長小袖をベースにした、桶染めによる絞り染めと縫箔の高級な技を駆

使した振り袖を製作して参りましたが、加工度が相当に重いので、生地も特注で、ある丹

後の織屋さんに頼んで直接織っていただいていたのですが、近年の消費減で、私共もかつ

てほど振袖を製作できなくなってしまいました。

それでも残っていた生地を使い切ってしまったので、次に製織依頼をすると、最低ロット

が30反お願いしますと言われ、現状ではとてもそれは無理ですので、結局長い間使って

きた生地を使用できないという事態になりました。

それで今市場で流通している中では一番重めの綸子の生地を使ってみようと言うことで

一枚作って見たのですが、今までの色が出ません。

泰三の振袖の色は、泰三でしか出せないと言われています。長い間一緒にお仕事していた

だいているからこそ出せる色目なのですが、白生地変えたらその色が出なくなってしまい

ました。

非常に難しい問題ですが、その生地を使うなら、以前の色が出るまで、試行錯誤を重ねないとなりません。

深く考えたのですが、色々な諸情勢から鑑みて、大変残念ながら生産を止めることと致しました。

従って現在ある在庫がなくなれば、それまでとなります。

父が初め私が引き継いできた泰三の振袖製作の歴史に幕を引くのは忍びないのですが、

満足のできるものづくりができないと言うのは私の沽券に関わりますし、製作終了の決断

を致しました。最低ロットを小さくしてくれれば考えたのですが、丹後も今大変な状況で

すし仕方ありません。

そんなわけですから泰三の振り袖にご興味ある方は早い目においでください。

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