秋の風

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過日の延焼火災に関しては色々とお見舞い頂きまことに有難うございます。

当初は大変でしたが、大分落ち着いて参りました。

とは言っても家は全損で、建て直しをすることになっておりまして、今まであった物は断捨離をしての搬出が続きます。

焼失、焼損、水濡れなどで、思い出の品も多く失いました。子供達を育て上げた家がなくなり、悔しく悲しいですが、今度は孫達が新しい家で育って行ってくれればと思います。

まさに代替わりという感があります。

しばらく仕事どころではありませんでしたが、どうもこの夏は専門店筋は過去最悪の様相です。

仕立てをしている人がどこか専門店を紹介してもらえないかというようなメールをしてくるほど、仕事の量が減っているようです。

仕事が入っているところでも仕立直しの仕事がとても多いとのことです。

こうした背景を受けて、水面下では廃業の話が聞こえてきますし、実質廃業状態というところも少なくないようです。

新規客を取れなかった専門店は客の高齢化と共に衰退していくのは摂理でしょうが、元来伝えるべき筋の良い商品が、売り手の不存在と共に消えていくという現実も否めません。

私もずっと以前からなんとかしなければと言う思いで、自ら売り手となっていたわけですが、私自身も70歳まであと1年少しともなり、個人的な理由もあって自らの断捨離を進めるべき時なのだろうと思っています。

今のうちに私が教えていけることは出来るだけ伝えなければという焦りを感じるこの頃ですが、世の中がこれからどのように変化していくのかということにキモノ文化の未来も掛かっているのです。

それにしてもフォーマル物の販売が一段と減っていくことで、売り手が本当に一番知っていなければならないキモノのプロトコールを知らないで販売している者があまりにも多いことに愕然としています。

キモノコンサルタントなどと称する女性も、たかだか普段着が好きで着ていることからキモノの仕事しているという人が多く、晴れと褻の境も分からず。フォーマル品に付いては自分で買ったことも着たこともないというのですから、口から出任せでいい加減なことと言いまくっている輩もいます。作り手も同じです。ただただフィーリングだけのものづくりですし、これでは伝統文化の継承は不可能です。

産地の苦境などから今のうちに良い物は買っておいた方が良いですよとか、業界の状況や環境や詐欺的商法はこうだとか色々消費者の警鐘を鳴らしてきましたが、しょせんは消費者が自ら勉強しないと分からないということもあり、相も変わらずろくでもないところでとんでもない物を法外な値で買わされていながらも、気が付かないで悦に入ってFBなんかに貼っている人もいますし、もう暖簾に腕押しのような気もしますので、次回からは初心に返ってキモノのイロハ特に、礼装についての知識を書いていこうかなと思っています。

業界は秋風どころか冬の木枯らしのような状況ですが、真摯に取り組んで消費者の声を取り込めば必ずや、インクジェットなんかの安物ではない筋の良い物の販売は出来ると信じています。


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