プロであることの意味

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私が東京にいる間に最近毎日にように新しいお客様が色々なところが来られます。

ほとんどの人の申されることは、どこに行ってもセンスの良い物がない、正しく知識を持った人がいないということです。

大体日本橋のM、Tデパートは行かれているようですが(後のデパートは論外です)、
曰く、センスが悪く、値段ばかり高く、知識不足で本当に信用が出来ないと、まあいつも同じようなことを言われ、泰三の作品を見てもっと早くこの店を知っていたかったと言われますし、現実にお買いいただいています。

もちろん好みというのは千差万別で、私が本当に超田舎臭いと思うものでも、それを勧められるままに買う人もいますし、何がベスト等とは申しません。

当店に来られてよかったと思われる方は、私の物作りの姿勢や好みを良しと思われるお客様と言うことです。

ただキモノを何も知らない人に、正しく色々な知識をお教えすると共に、その方に本当に似合いそうなものをお薦めするという仕事だけはきちんとして欲しいものです。

MもTも社員のレベルは下がる一方で、もの知らずで、本物を探すというか勉強しようという意欲もなく従来からの問屋の持ち込むままにとんでもない値を付けています。

情けないほど品質やセンスが落ちているのに値段は以前よりも高いというのは我々ベテランにはすぐ分かりますし、その問屋もののづくりのレベルの低下に暗澹たるものを覚えるのですが、過去の良きものを見たことがないものにはそのものの価値と値段の釣り合いも何も分からず、情けないものを掛けています。
売る方も、何が良いかどうかも分からない、自分の感性を磨くために一生懸命そういう勉強も何もしていない、素人同然の連中が、半マニュアル的にものを言って、よく知るお客様に呆れられています。

私も時々両デパートは覗きますが、まあレベルが下がりましたし、後数年でベテランがほとんどいなくなってしまいます、

だから今は人を育てるのだとそれなりに努力をしているのでしょうが、キモノそのもののことだけでなく、感性を磨いたり、キモノを着る背景の伝統文化のことなど何も知らないようでは、やはり客の失望を益々増大させるばかりでしょう。

バイヤーの連中ももっと真剣に色々なものを見に行って欲しいものですが、買い取りゼロで委託ばかりで問屋の褌で相撲を取ってばかりいるようでは、真にお客の声など分かるわけはないでしょう。

自分で買って、自分で着て、色々なところに行ってみると言うようなことを実践できないものが、どうしてお客のニーズに応えられますか。相談にのれますか。

私は20年前くらいからそうした思いを強く持って、自分で前に出たわけです。
私の方が遙かにものを知り、伝統文化そのものを自分で身につけてきたわけですから、私がアドバイスする方が世のためで有り正義だと思ったのです。だからこそ売り手としてある意味初心者であっても長く続けられたのでしょう。

私はこうしたブログやSNSなどで情報を発信していますが、当初はきもの雑誌などにもそれなりに広告などを出して写真なども掲載されていたのですが、そう言う雑誌の編集者たちがあまりにもものを知らないという現実を見て、とんでもなく品のない輩が大きな顔をしていることもあって、そんなところに情報を出すことを良しとせず、最近はいっさいつきあっていません。

経営母体が外国などになったところもあって利益第一主義で何でもありですし、いつも暗澹たる思いをしています。

きもの雑誌もいくつかあるのですが、どちらかというと普段着のそれもかなり低レベルな事を発信しているところなど、もう呆れかえるレベルですし、結局はキモノを買えない層に発信してるし、その内容も益々軽く教養がないので、実際発行部数が相当伸び悩んでいるどころではなく苦戦しているところが多いようです。

10万円以下で買えるキモノの情報をいくら発信しても、キモノの振興にはほぼ役に立たないことがその編集者には分からないのでしょうね。

結局それも本物の綺麗な品格のあるキモノを見たことがなく、アパレル的発想で片付けるからです。
こうしたアマチュアのような者が、知ったかぶりでキモノ業界にものを言うのが私は許せないのですな。
ちょっと顔が良い、ちょっと弁が立つ、ちょっと筆が立つ程度でキモノ文化をさも自分はよくよく知っているがごとくに発信するのは辞めて貰いたいものです。

本当にプロと思うのならもっともっとど真剣に勉強してください。知識だけでなく自分の目を肥やす努力をしてください。

私も若くないので、あまりうるさく言いたくありませんが、消費者と真面目な作り手との間に立つ橋渡しの役の不勉強は益々目立ちます。

もちろん日々研鑽を積む人もおられることでしょうし、そう言う人に出会えた消費者は幸せです。

豆に色々な店で色々な販売員と話してみてください。そのうちにそうした真面目な消費者思いの、センスの近い人に会えると思いますし、そう信じたいです。

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