この1年を振り返って

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本年も後数時間を残すのみとなりましたが、個人的には思いもよらない災難に遭遇し、心身共に疲労した一年でございました。

銀座の店も17年を過ぎ18年目に入っておりますが、良く今日まで京都と東京の二重生活を送りながら維持してこれたものだと思っております。

毎月のように新しいお客様が全国からおいでになるのもこうしたブログなどノ発信のたまものではありますが、基本的には製品の良さと誠実な商いをお認め頂いていると言うことだろうと思います。

製造小売り型経営はその個性を問われますし、リスクも大きいのですが、作り手としての嘘偽りのない思いを発信するには、いわゆるリアルショップは必ず必要だろうと思いますし、そのことをおいで頂けたお客様がお認めになって頂いてきたと自負しております。

今後の産地の環境や人材のことを考えると、いわゆる本物とは何かということを知らないものが売っていき、またそれにつられ作り手も変化していくことは致し方ありません。

誠実な専門店が次々と姿を消していった事を受け、量販店、チェーン店との取引に活路を見いだした問屋は、その下品な商いの片棒を担ぎ、結果的に自らの首を絞めたことに、今頃になって気が付いても手遅れです。

かつて一円振り袖商法、モデル商法、デート商法などよくもまあ次々と詐欺まがいの商法を考える物だと呆れていましたが、結局はほとんど倒産してしまいました。

当たり前のことを当たり前にすると言うことが如何に大事かと言うことさえわかりもしない超無能の流通業者がこれ以上跋扈したら、この業界は消滅して行くでしょう。

この1年は生糸価格が暴騰している事を受け、産地状況は極めて深刻で、先行きが危ぶまれていますが、それにもかかわらず、最近とんでもない値引き商法の広がりを見て、大変危惧しているところです。

当店で売っている値段の4倍くらいの上代をつけて、値引きしますと言って半分まで下げます。それでも普通の値の2倍です。こうした商いは他の業界でもないことはないのですが、製品をネットで検索するとすぐに値段が分かりますので、あまりひどいことは出来ません。
ところがキモノはちょっと調べようがないので、こうした詐欺に近い行為が何の衒いも無く実施されていて、知らない消費者はとんでもない値で買わされているのです。
そうした販売は法律違反であることもこの業界の無知無能の輩は知らず、いずれかならず警察沙汰になるでしょうし、新聞の紙面を賑わすかも知れません。

そのことでまたまたキモノ業界への不信の念は、レンタルばかりが栄えるのでしょうが最近そのレンタル価格もとんでもないモノがあって、もう開いた口が塞がりません。

なぜこんなろくでもない連中がこのキモノ業界にこれほど多いのか、腹の立つのを通り越していますし私自身嫌気がさしています。

チェーン店の店外催事などではどこに着ていくのか理解に苦しむような粗悪なキモノや帯を、口先三寸で問屋卸価格の4倍から6倍で販売しますから、メーカーからの出荷値から考えると10倍から20倍と言うことになっています。

着付け教室での販売も誠実なところよりも飛んでもない値で消費者を騙して売りつけるところが多く、これもまた大きな問題ですが、結局はこうしたところと取引する問屋の見識や良識がゼロにも等しいので、いつまでたっても消費者サイドのものの考えも出来ません。

こうした下品この上ない商いをさせないようにするのは、問屋が卸さなければ良いし、問屋がどうしようもないのならメーカーが出荷停止すれば良いのです。

デパートでもかつてより遙かに質もセンスも悪いものを老舗だと称して、かつてより遙かに高い価格で売りつけており、もう未来がありません。

えり善さんなどのように頑なに真面目な商いを徹底させておられるところももちろん少なくないのですが、発信力の欠如で初心者がそこに行き着かないのは極めて残念です。

現状を考えると物作りをするところはどんどん減って行くでしょうし、私から見て本物というものにお目に掛かる機会は一段と減ることだろうと思います。

キモノが好きで伝統文化を愛する業者という存在がほとんどいなくなる中で、私はある意味貴重なのかも知れませんので、元気な間はコーディネーターやアドバイザーとしての仕事を一生続けていければと思います。

来年は色々な意味で今年以上に変化の多い年となるような気がしますし、業界全体も真剣に取り組まねばならない正念場ですが、まともなリーダーはゼロにも等しく、結局まとまり無く、消滅していく運命の足音が益々大きく聞こえてくることでしょう。

キモノを買う人が減ったのは、自分達が売れなくしてきたのだという事実に目を向けて真摯に商いの基本の立ち返り真面目な商いに徹して欲しいと今更ながら希求する年の瀬でございます。

本年も変換間違いも多々あったと思いますが、雑文、拙文におつきあい頂きまことに
有難うございました。

明年からもキモノを愛する人、きものに興味を持ってキモノライフを始めようと知る人達への何らかの道しるべとなるようなことを書き連ねて行きたいと思っております。

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