泰三の振袖

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7月末閉店までだんだんカウントダウンのような状態で、お買い上げ頂くことで一つずつ棚から消えていきます。

振袖ももう今あるものだけですし、生地も無いと言うこともありますが、これからの製作も厳しく、今仮にお嬢様がまだ年若でも、今のうちにお作りになることをお薦めしています。

現に5歳のお嬢様のためにお買いになられた方がおられますが、仕立ての前の段階まで仕事をしておいて、丸巻きの状態で桐箱に保存しておきます。

仮に成人になられたときに、私どもがまだお世話ができそうならお仕立てさせて頂きますが、そうでなくても十数年後に仕立屋さんはあると思いますので、お願いされればいいのです。

当店の価格設定は仕立代も税金も込みとなっていますので、この場合仕立代をお引きしてお渡しします。

泰三の振袖は戦後父が創業して間もなく、安土桃山時代から江戸時代の初期に掛けてつくられた豪華な慶長小袖をベースに、絞り、刺繍、金彩の加工を駆使した華麗なもので、そんな振袖を戦後作ったものは誰もいませんでした。とてもそんなものは売れないだろうという人もいたでしょうが、豈図らんや羽が生えたように売れて一世を風靡したのです。

大変難しく手間の掛かる桶染めや、手の込んだ仕事は他を圧していたと思います。

私も父のその遺業を踏襲し、父のとき以上に豪華なものも作って参りました。

しかし近年は振袖もレンタルが増え、もの作りも低級化の一途となり、我々も白生地自体がなくなりつつあり、また職人さんの高齢化にも拍車が掛かり、長い間作り続けてきた同じレベルでのモノづくりをすることが困難となりつつあるのは悔しいけれど現実です。

そんなわけですので、将来に良い物をと思われておられるのでしたら、是非1度ご覧になっていただければと思います。

いまは閉店に向けたセールをしておりますのでお値打ちだろうと思います。

あれが作れない、来これももう駄目だというような話が枚挙にいとま無くこれから出てくるでしょうが、正に手遅れで、仕方ありません。

インクジェットで生産した振袖が主流となり、手描きの本物は市場から徐々に姿を消しつつあります。寂しい思いをするこの頃です。

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