材料や道具がない

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昨日、仕立て屋さんに取って欠くことにできない鏝(こて)を製造していたところが廃業をするということで、和裁業界で大きく取り上げておられます。

まあ鏝は丈夫なもので、一生使えると言えばその通りですから、その物への需要は昨今の状況に鑑みると右下がり一辺倒なのは当然でしょうし、そういうものをつくる大手の電機会社などありません。

この鏝を作っていた電機会社は大阪の中小企業ですが、特殊なものだけを生産していてもやはり需要が相当に落ち込んでいたのと後継者がないのではないかと推察されます。

キモノを生産するにはまさにたくさんの人たちが関わっていて、その中には材料やこうした道具を作る人たちも必要ですが、特に高級品の生産が激減しているだけに、最高級の品質の材料が次々と生産されず枯渇し始めます。
西陣でも高度な技を持つ職人さんの高齢化だけでなく、金箔の質の劣化も始まっています。

梅垣さんはそれを見越して作れるときに箔だけを生産して取り置かれていたのですが、高級なフォーマル帯の販売が不調ですから、なかなかその高級な箔を使った物の生産はためらわれます。

ところがそれどころではなくて、その箔を使って織れる職人さん自体がいなくなりつつあって、売れるか売れないかわからなくてもその箔を使わないと作れなくなるということで、この間から頑張って高級なものを生産されています。

今そう言う帯が店に来ていますが、見事としか言いようがありません。本金箔の輝きは上品で飽きが来ません。
お時間あればぜひご覧においでください。
デパートでとんでもない値で売っているどこかの帯より、はるかに質が良く、センスが良くかつ安いです。
本物の良いものを作っていこうという人が極めて少なくなっている現在、何とか梅垣さんの帯がもっと広く認知され売れていくように私もこれからも尽力したいと思っています


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突然の書き込みで申し訳ありません。たいへんですねえ。鏝自体は一生使えるとしても、それを温める釜は電気ヒーターですし、あと工業用アイロンも静岡の(確か・・・)パールとかいう会社がやめられてこちらだけだったのではないでしょうか。鏝はたしかに和裁に限られるでしょうが、アイロンはテーラーをはじめ、洋裁の世界でも必要なものなのに、着物業界というより、繊維業界全体が縮小化しているのでしょうか。名前は伏せてられるのであえて伏せておきますが、こちらのアイロン、コードの抜き差しだけでの温度調節、油断をするとオーバーヒートするという、現在ではちょっと素人が扱うのは危険視されるそれ、昭和30年前後に結婚された方のお嫁入り道具の一つとして愛用された方多いでしょうに。現在の便利で小奇麗なデザインのアイロンにとってかわられるのは必然だったのでしょうが・・・、機能に特化した重い無骨ともいえるあのアイロンは工業用、プロの地直し、仕上げに最も適していたのに、残念です。

確かにアイロンの影響の方が大きいかも知れませんね。非常にアナログな機械だけに、何処か引き受けてくれるところがあるか疑問ですね。繊維業界自体が苦戦で縮小傾向でしょうが、作り手の方が先に辞めていくとしたら、物作りは本当にピンチです。
どうなるのか暗中模索ですね。

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