キモノにも流行があります

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先日友人から自社のオーナー夫人の他人の婚礼でのキモノ姿の写真を見せられました。

結構良いキモノだと思うけれどと言うので見てみると、今時珍しく、親戚でもない婚礼で黒留め袖を着ていて、しかもそれは明らかに嫁入りの時に持たされたものです。
多分今から50年近く前のモノに違いありません。

どうしてそんなことが分かるのかと言われますが、洋服でも詳しい方は古いモノを着ていればそれはいつ頃はやったモノだとすぐに分かるでしょうが、キモノにも洋服ほどめまぐるしい流行の変化はなくても、社会の世相を反映した柄、色などがあるのです。

昭和の40年代は高度経済成長下で、社会全体に勢いがあって、経済的にも豊かになって行ったわけで、こういうときは割と、大きな、大胆なデザインのものが好まれますし、色調も派手目で明るい色が流行します。つまり自分を主張するモノを好まれるのです。

私の父もご多分に漏れず、大きめの柄をデザインしていましたし、泰三の留袖は友禅で取り方(道長取り、流水取り、松川取り、雲取りなど)を取って、その中に縫箔で大胆な意匠を表現していました。

私は昭和47年にこの業界に入っていますので、そうしたキモノをずっと見ておりましたし、その頃に作られたものは大体想像がつきます。

友人から見せられた写真も明らかにそうでした。その女性はいわばセレブなお人ですが、そのキモノ姿の写真を見ただけで、少なくとも、今の時代に相応しい、その方の年齢や地位に相応しいキモノを買ったことがない、キモノの知識が無い、茶道や華道の嗜みもないと言うことはすぐに分かってしまいます。今の総理大臣夫人も同様です。

晴れの席でのどんなキモノをお召しになるかということはキモノ文化大切な要素です。

その地位に相応しいキモノをお召し頂きたいというのは我々作り手の願望です。

日本女性で、しかも海外でも活躍されるような地位を持つ人が、キモノのことを知らない、持っていないというのは極めて恥ずべきことです。

今の女性政治家でも全くのように知りませんし、伝統文化への教養を持つ者は極めて少なく、従って正しく日本の歴史を把握しているとは言いがたく、そんな輩が次世代に何を残せるのでしょうかね。

キモノの模様などの変遷は過去ブログにも書いていると思いますが、我々は有り難くも先人が考案した文様、模様を下にして、今の世相に合う、柄、地色、配色などを考えています。
ですからその文様の成り立ちなども知る必要がありますし、当然歴史に興味があるのです。
梅垣さんも色々な過去の模様や文様を参考にされていますので、歴史のことは良く勉強されています。

先人の遺業を知って初めて現代が理解できるのです。

私も先代のデザインを見つめ直し現代にマッチするように私の感性を投入し、泰三らしい物作りを目指したいモノです。

ただ凄い加工のものは難しいので、汎用性のある上品なキモノを考えたいと思います。

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