材料への不安

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過日中国に一年ぶりに出張して参りましたが、上海の発展ぶりや変化のスピードには驚かされます。

ITを駆使したような産業はどんどん発達していて、色々な決済が殆どすべてスマホで済ませられるようです。

日本の場合は利権をむさぼることと甘下りのことしか頭にないろくでもない官僚のせいで口では規制緩和と言いながら、一向に変らないので、益々中国などに置いて行かれます。

政治家の質の悪さと前例主義の保身しか考えない官僚が、財界とぐるになって国のことより自分のことしか考えないのでこういう連中に食いつぶされて行くのです。

今や日本は中国にとってはお手本にならないと思っている節もありますし、円安の影響も合って上海の在留日本人は急激に減り始めていますし、観光客の姿も見ません。

行政組織の劣化、総理以下の無教養な輩の先を見る目のないことで、前を常に見ている途上国にドンドン追いつかれ抜かされていくことでしょう。もっと日本人は外に出て、危機感を持つ方が良いと思います。

ところで、日本の絹のきものが使う生糸は海外からの輸入に頼っており、国産の生糸生産が2%あるかないかですし、しかも質も余り良くないと言うことで、その輸入生糸の半分ほどが中国からのものです。

それがこの3年ほど、中国の養蚕不作もあるのですが、絹そのものへの中国国内需要が高まり、また最高級の糸はヨーロッパの高級ブランドが買い占めているとかで、生糸価格が急激に上昇しています。

かつては生糸の輸出先の最大手は日本でしたから融通も利いたかも知れませんが、今では需要は右下がり一方ですし、日本に輸出しなくても大丈夫というような状況となるので、生糸価格が下がることはここしばらくないだろうと言うことです。

実際白生地3丈もの1反でで5,6千円も値上りしているので、全国の絹物産地に与える影響は小さくありません。

丹後や長浜などの白生地産地は糸を自分で買わなければなりませんので、資金的な負担も大変です。価格転嫁はされていくのですが、こうしたことで需要がまた減退しており、生産がまだ落ちています。

中国がもう本当に日本の輸出しないと言い出すこともないわけでもなく、そうなると今度は需要があっても作れなくなると言うことになるでしょう。

政治的にどうもぎくしゃくしている関係のために、中国は日本をスルーし始めているということを感じます。

泰三の作品の特徴の、素晴らしく繊細で美しい刺繍の加工は、蘇州の人たちとの交流があってこそ可能となりました。京都の刺繍職人が逆立ちしても出来ない高度な技を駆使した物作りが40年以上も続けられ、現在では本当に細々とした生産でも嫌がらずしてくれるのは良好な人間関係があるからに違いなく、これからもわずかではあっても品質の高い物作りは、しばらくは続けていけるだろうと思っています。

ただ国内の職人さんの高齢化と枯渇という現実の方が深刻で、原料関係は非常にタイトとなるでしょう。

そちらの方が心配だと言うことです

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