ものすごい減産

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今年になってキモノ市場は非常に低迷していますが、特に災害が続いてからの店外催事などの集客も悪く、購買単価も落ちています。

今月の顔見世ツアーの成績も振るわず、業界全体に暗雲が立ち込めています。

9月に西陣産地の出荷は対前年で24%も落ち込んだということですが、こんなことはかつてありません。キモノが売れなければ当然帯も売れす、小物も売れません。

先日もある組紐メーカーが破たんしましたが、どの段階、どの職種も総じて苦境で良い話を聞きません。

でも私はこれは単に景気が悪いとか、災害での心情的な買い控えというような原因だけではなく、近年の業界の歩んできた道に問題があると思っております。

最近は週末になると問屋やメーカーの人間が専門店やデパートの催事に手伝いに出かけます。かつてはまさに会場でのキモノを畳んだり、衣桁に掛けるという補助的なお手伝いで、そのことに感謝して、宿や食事はその店が持ってくれたものです。

ところが今は様変わりで、交通費宿泊費は自分持ちで、品物を貸してそれを設営して、販売までさされますし、展示会終わっての撤収までやらなければなりません。

勿論日当もなく、来るのが当たり前、問屋が売るのも全く意に介さず、何でも売れれば良いというような呆れた呉服屋が山ほど有るのです。

リスクはすべて問屋持ちで、ひどいところは値札も付けさせ、案内状の作成まで頼んでくるところがあるそうです。それでいて掛け率が2倍どころではなく、作り手が口を開けてあんぐりするような値が付いているのです。

勿論すべてがそうと言うわけではありませんが、そういう展示会をすることに何の衒いも無く、恥とも思わないのでしょう。ひどいところはその上に問屋への金払いが悪いのです。

それでも集客が出来ていて売れるのならまだしも、真剣に商っていないので、雀の涙程度の来客では、折角京都からわざわざ出てくる問屋等に失礼この上ない話です。

結局仕入れ先のことを馬鹿にしているのでしょうし、思いやりなど欠片もありませんね。

売り先が次々無くなっていくので問屋も我慢していてもこんな店はいずれ駄目になるのも目に見えていますし、問屋からも袖にされます。

デパートも基本的には似たようなもので、問屋に感謝の念を持つような者はほぼ皆無ですし、勿論勉強もしていません。

過去から言い出すと切りが無いほど、真面目に真剣に消費者目線で、消費者の声を聞いて商っている、自らも自分に金を掛けて,自らの文化力を高めるような努力をして居る者にほとんどお目に掛かったことがありません。

私が知らないだけなのかも知れませんし、そういう努力をされているところは営々と商っておられることだと思うのですが、総じてこの業界の流通業者の文化力は極めて低く、伝統文化を背景としてキモノを着たいと言われる方々にまともなアドバイスが出来ません。

そうした流通側の人材の劣化と商う手段方法が完全に間違っているのに、つまらない付録商法や値引き商法が蔓延し、結果消費者の不信を生むだけでなく自らの首を絞めています。

つまらないことに金を掛けるのではなく、本来品揃えにリスクを張って貰いたいですし、その店の好みが見えるような品揃えをすべきです。

そうすればその好みを愛でる客が必ず付いてきます。

潜在的にキモノを買いたいという人は少なくないのです。

災害のせいにしないで、どうしたら新規客の獲得だけでなく従来からのお客を商品で満足させられるのかと言うことに第一義的に傾注すべきだと何時もながらに思っています。


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