いよいよ不安です

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新年明けても何かと忙しくブログのアップがおろそかになっていますがお許しください。

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キモノ業界はいよいよ産地情勢が厳しさを増し、高齢化と相まって廃業が続いています。

先頃白生地の2大生産地丹後と長浜の昨年度の生産統計が発表され、愕然たる思いです。

丹後の生産量が28万反、長浜が3万6千反です。

最盛期は丹後が1000万反、長浜が180数万反です。

つまり丹後は最盛期の3%以下ですし、長浜はまさに2%です。

白生地は表地だけでなく、裏物や小物にも使われますガ、それをすべて入れてこの数字です。
まさに底なし沼状態ですし、高齢化と採算が取れないこともあって廃業が相次ぐのです。

近年丹後は実は大半は帯の賃機として成り立って来たので、西陣の帯は丹後無くしては織れないということなのです。ところが昨年から西陣の出荷量が激減しており、そのために丹後への発注も相当落ち込んでいるのです。
事業所の大半は夫婦2人だけでしているところが多く、しかも高齢者が多いので、この辺を潮時と見てどんどん廃業が増えているそうです。

ですから単に白生地の生産を危ぶむだけでなく、帯もかなり危ない状況となってきました。

生産数が減り、業者も減れば残ったところが一人勝ちだろうという人がいますが、真逆の意見です。

白生地は精練という工程を経て生糸で織られたものをある意味洗濯することで、蚕の吐いた生糸に含まれるセルシンという不純物を取り去り、そうしてしなやかで光沢ある白生地が出来上がります。

地元で練るのを地練りと言いますが、余りに数が減ると、毎日ボイラーに火を入れることが出来なくなって、売れている生地でもなかなか出来上がらないというジレンマに落ちいっています。

地練りが出来なくなって他産地に依頼しても、それぞれの産地の精練にはそれなりのノウハウがあって、同じような生地は同じ産地でしか作れません。
そういう意味で精練はとても大事な仕事ですが、行政に訴えても理解がなく、このままなら最悪白生地自体が織れなくなり、染めのキモノが生産不可能という自体になるとも限りません。
仕事を辞めないで残っても、そうした工程を経るためのコストがどんどん上がり、それがために廃業に追い込まれると言うことも考えられますので、残れば一人勝ちなどではなくて真逆なのです。

上質な生地を使ったキモノがリーズナブルな価格で販売されるような流通構造の構築と、真にキモノが分かる売り手のプロの育成しか、この問題を解決するすべはなさそうです。

といううなことを思わざるを得ない心配な今年の船出です。


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