東京の老舗問屋の廃業

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先日とても驚く知らせが飛び込んできました。

日本橋で3代にわたり、有名老舗問屋として名のあるHというところが2月末をもって廃業するということでした。

この問屋は主に専門店筋のキモノや帯を扱うところで、東京だけで無く関東一円の専門店や、京都にも支店があるので、近畿圏にも取引している専門店があります。

キモノ業界は20年くらい前からバブル景気以降の後退で、次々と倒産が始まり、日本橋の専門店向きのキモノを扱う専門問屋はどんどん姿を消していき、この問屋がある意味最後だったのです。

仕入れ先への支払いは保証するとか言っていますが、メーカーにしてみるとまた売り先がなくなるわけですし、専門店にしてみると借りる先がなくなります。

取引内容の悪い行儀の悪い専門店はいよいよ淘汰されていきますが、お客様は困られるでしょうし、ますます消費者が求めたいようなキモノを見る機会も減っていくでしょう。

昨年秋から相当に業績が落ち込んでいますので、相当悩んだだろうと思いますが今回の決断に至ったのでしょう。

私は社長とは昵懇の仲でしたし、良く知るものが次々と現場から去って行く事は極めて寂しい思いをいたします。

社会の変化に如何に対応するかと言うことに何ら手を打てなかったということかも知れませんが、旧来の商いが機能しなくなっているという現実に、これと言って抜本的な手を打てないままに推移し、自ら首を絞める消費者の信用を失うような商いに走ったことが今のような苦境の原因の1つであることも否めません。

デパートでもひどい商いをするようになって来ましたし、如何にして消費者の信を得るかと言うことはとても大きな課題です。

私はそう思って頑張って参りましたし、真面目な売り手の一因としては辞めるに辞められません。
作り手の高齢化でもう5年くらいで良い物はつくれないだろうと業者間で互いに言っているような現実ですし、人づくりは手遅れに近いかも知れませんが、すぐにでも何らかの対策をこうじなければ、手描き友禅や西陣織の歴史が終わってしまうという危機も見えてきます。
良い物が作れる間にと言うことで梅垣さんも歯をくいしばって頑張っておられますが、本当に今のうちに買っておかないと良いモノが買えなくなると言う事は益々現実味を帯びてきました。

知人友人が次々とキモノ業界から去って行くのはなんとも寂しい事です。

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