内製化

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最近の職人さんの高齢化、生産数の減退で、後継者難が言われて久しいですが,かつてのように、職人さん自身が弟子を取って育てて行くということはほぼ不可能な事態となっていて、手描き京友禅、西陣織という京都を代表する文化は、このままでは風前の灯火で、継承は極めて困難です。

かつては京都の基幹産業として戦後の京都の経済を支え、夜の街も、繊維や関連業者でにぎわったものでした。

それが今やおそらく全産業中最も構造不況という状況で、40年以上連続して生産が落ち込み、最盛期の2ないし3パーセントの生産しかないという状況では、後継者を育成するための仕事がなく、非常に厳しい状況であることは誰の目で見ても明らかです。

こうした状況になるであろうと言うことは私は20年以上前から警鐘を鳴らしてきたのですが、いくらああだこうだといってもこの業界の人は茹で蛙状態で、風呂から出るのをきらい浸かり続けているので根本的な解決に立ち上がろうという人がいませんでした。

業界挙げて取り組むべき問題ですが、みんなばらばらで、まとまりがありません。

余りにも分業制が細分化されているので、いわゆる組合なども、各業種別にあったりするのでまとめにくいし、総論賛成各論反対のような人ばかりで、行政も組合から何か言ってこないと動かないというのが常ですし、そのうち組合も力が無くなって発言する馬力もなく、衰退するままに流されていると言うことになっていますから、組合自体が解散したり、組合から脱退する者も増え、いずれ消滅の憂き目に遭うでしょう。

ほんのわずかな数ですが、友禅の職人養成を目指す有料の講座があったりするのですが、受け皿がなかなか無いと言うことが悩みのようです。

京都で職人生活をしたいと願う人は実は結構いるのですが、生活が出来ないと言うことが難なのです。
これを面倒見ることが出来たら、すなわちサラリーマン的に定収入が約束されたら募集をすればなり手はいるのではないかと思われます。

実はキモノ業界にもこれからもまだまだ長く仕事をして行かねばならない業者の跡取りなどは、物作りが出来るかという危機感を抱いていますので、西陣でも京友禅でも一部の企業は、全部外注で出していたことを一部内製化し、自分の会社で職人を育てて続けていこうという目論見をしているところが有ります。

勿論コストの掛かる話ですし、財政的に余裕のあるところしか出来ないかも知れませんが、そうでもしないかぎり、いずれはものづくりはインクジェットでしか出来なくなります。すでに型友禅業界では、9割がインクジェットで生産されていますので、知らないうちにそうした小紋などを買っている可能性があります。
この業界は姑息で、製法を明記していないので、まず言わなければ分からないでしょう。

生地が薄いなとか、見分ける方法もないではないですが、売り手も素人のような人が多いので尋ねてみても分からないかも知れませんね。

手描き友禅業界でも糸目糊置きの部分を型で代用したり、完全にすべて手作業ですると言う物の生産は一部の軽い付け下げ程度はまだしも、絵羽の重い仕事は本当に難しくなるでしょう。
金沢の加賀友禅は工房形式の作り方をしているところが殆どですから、まだ若い人もいますしそちらとタイアップするという作り方も可能かも知れませんし、若い人はそうした情報交換や交流を是非持って欲しいと思います。

本家本元の京都でものが作れなくなると言うことは非常に恥ずかしいことですし、行政も本腰入れて人づくりに力を貸してほしいものです。
ただいつも言いますが、需要あっての生産ですし、流通業者が暴利を貪るような売り方をすることなく、生産者の立場に立って上質なモノをリーズナブルな価格で販売できるよう鳩首談合して貰いたいモノです。

私はそうあるようまだまだ元気な内はキモノファンのために尽そうと思っている次第です。
今度の16日、17日も、梅垣さんの新作や、着やすく買いやすい付け下げや小紋なども提案しますので、ご興味有ればどうぞ銀座東武ホテルにお立ち寄り下さい

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