友禅生産統計

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毎年京友禅協同連合会と言うところが、各組合の生産統計を発表しているのですが、最近は去年までカウントしていなかったものを生産に含めたりしているので、やや不正確な統計ですが、少なくとも手描き友禅の生産量は減り続けていると言うことは間違いありません。

先頃昨年の統計が先頃発表されていたのですが、全体の生産量は昨年も40万反に届かず、最盛期の2%強くらいですし、そのうち機械染め(インクジェット含む)の生産量が65%程です。手描き友禅全体の15%位しかなく、一昨年に比べて15%以上減少しています。

この統計は2017年12月から2018年11月と言う変則な物ですが、昨年秋以降急速に縮小してるので、多分現在は最盛期の2%を割り込んでいるように思います。

業者も職人さんも廃業が続いているので、その分また生産が減るという悪循環を続けています。
ただ手描き友禅の中で唯一付け下げの生産だけが増えています。
これは訪問着が大きく減少しているのと逆の動きですが、仕立て上がれば訪問着と変らない様な付け下げを近年作っていることの証拠でしょう。

その方が安く早く作れると言うことでしょう。実際付け下げにしては柄が重いものを最近よく見ますが、その割には加工度が低く、刺繍などでも申し訳程度にしかしていないので、やはり安くしろと言う先からの影響かと思いますが、まことに中途半端で消費者の満足できるものとは思えません。

私は自分の目で当社では作れない様な付け下げなどをお借りする時がありますが、そういうモノがあったときは、私は自らメリハリを付けるために当社の職人さんで、縫箔の加工を足します。
そうすると本当に見栄えがよくなり、お客様も大変喜ばれます。

そうした提案力を磨くためにも、売り手は色々なモノを見る、現場をもっとよく知るということを心がけて欲しいものです。

素敵で綺麗なキモノを買いたいという潜在的な需要は少なくありませんし、そういう声を的確にフィードバックすれば、まだまだ売れていくだろうと思いますし、悲観することはありません。
ただ買い手と作り手を結ぶ導線をどうするかにかかっているのも何時も申し上げているとおりです。

私はそうした風が吹くようにこれからもお手伝いをしたいと考えています。

早い物で大学を出てこの業界に身を投じて47年が過ぎ去りましたし、あと3年で50年です。
また(株)染の聚楽は創業して72年ですし、父は黒染め業だった祖父と袂を分かちましたが祖父の代からだともっと長くこのキモノの仕事に従事しているわけで、血としても3代目の長男として少しでも長くこの業界に恩返しのつもりで微力ながら頑張りたいと思っています。

今まで本当に辛いことや苦しいことがありましたが基本的に私はキモノが好きで、和文化を良く知っていたから続けて来れたのでしょうし、これからも楽しみながらお客様のためになるように続けていければと思います。

作る方も、私がいなくなっても(株)染の聚楽のノウハウをある企業に伝え、生産を維持して頂くよう話し合っておりますし、製造、販売共に維持できるよう先のことを考えております。

勿論社会の諸情勢で大きく変化することも有ろうかと思いますが、今しばらくは知恵を出してこのキモノ文化の維持継承に努めて参る所存です。

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