文化講演を続ける意義

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先述したように平成という時代は残念ながらキモノ離れが進行し、国会議員や財界人たる者もキモノを着ないなど、日本人が自ら行く道を過ち、この先どうしたら良いのか右往左往、迷走をしっぱなしと言う状況に陥ってしまいました。

令和という御代がどれほど続くかは別にして、是非その道を修整し、日本人としての矜持を持つためにも、キモノを着る人は当然ながら増えてほしいものです。
特に上に立つ者は着ないと恥だというような風潮に戻って欲しいとつくづく思います。

元号の典拠を万葉集に求めたなどと我が手柄のように吹聴する総理が黒紋付き1つ着ないで、わかりもしないくせに文化文化と大声でいうのはみっともないので辞めていただきたいのですが、女性だけでなくそれなりの立場の男性がキモノをさりげなく色々な場所で着るというような時代への回帰を強く望みたいものです。

振り子は振り切れば戻ります。今戻り始めていると信じたいのですが、問題は政官財の日本文化への無教養で、どうすれば良いのかと思案します。

聞けば今年度から大学改革で理数系は人文科学系の履修時間を減らそうと文科省が考えているとのことですが、まさに本当は逆の事をしようとしています。

確かに専門家を育てる教育は大切ですが、社会に出る前に、いわゆる教養を積み重ねておかないと、今の官僚のように世間知らずで頭でっかちの机上の空論しか言えないような人間ばかりになってしまい、新しい発想がでない創造力の無い者が増えてしまいます。

すぐ金になるような研究しかしない人材を育てないという発想がさもしく、それではまさにグローバル化から遅れる一方です。

左脳ばかりを使う人間では新たな発想は生まれません。右脳をバランスよく使うためにも美意識を育てることが肝要です。

近年欧米のエリートはアートを勉強しているとのことで、有名な美術館もそうした教養講座を開設しているそうです。

MBA等の資格を取得する人は勿論それなりに頭も良く優秀でしょうが、結果何を得るか
というと、分析能力や論理的思考と言うことで、つまりは経験則に照らしてああだこうだと言うことは言えても、新しい改革的思考に疎く、社会の変革期に役に立ちません。

経営は一種の直感力がとても大事です。机上の空論を闘わせるより、トップの感で多くのヒット商品が生まれてきたという事実に鑑み、創造力や直感力や美意識を持たないトップでは組織全体も停滞して意思判断決定が遅れるばかりなのです。

実は今日本が抱える問題はそう言うところにあるのだと思います。
特に大企業がバブル崩壊以降、管理畑の人材がトップに立つようになって、営業系を遠ざけ、茶坊主ばかりを周りに置くことでまさに役所のような組織となって、停滞し衰退をしてきたと思います。

自分の保身ばかりを考える輩が経営陣に巣食うと必要な改革がどんどん先送りされてしまいます。

極めて日本はそういう意味でも危機的な状況だと思うのですが、無能でもそういう地位にいる者は、利権を離そうとしませんし、2流のトップから3流のトップへ移管し、その後は4流となります。

組織全体も同様に腐る一方となり、世界から益々立ち後れていくのです。

令和の時代には先人の築き上げた良き文化を守りつつも、先に向かってチャレンジする若者のパワーが増大して欲しいと願って已みません。

和文化の見直しの気運は近年感じますし、何の勉強する気も無い中年以降の教養無き連中は論外ですが、これから学ぼうという若い人たちに我々の獲得した経験や知恵が上手く伝わるような仕組みがあれば良いと思っていますし、私もこれからもその一助となれる事を願ってやみません。

今回の東京での用事は泰三の会だけでなく、サロンのようなところで文化講演を依頼されお話をしてきたのですが、短い時間でキモノ文化を語るのは極めて至難の業です。
それでもキモノと言う文化を理解いただくためにもご依頼有れば労苦は厭わないつもりですのでご用命ください。

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