紗合わせ

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フェースブックにはすでに投稿したのですが、5月とは言えこんなに暑くなると、単衣や夏物を着ようかと言うことになります。
実際街で袷を着ている女性を見ると暑そうに見えるのもやむをえないような異常気象ではあります。
大体は6月から単衣物を着始めるわけですが、伝統文化を厳しく守っていこうというような席以外は、私は臨機応変で良いと思いますので、暑ければ5月からでも単衣で良いし、ものすごく暑ければ薄物で一向構わないと思いますので、私もこのところずっと単衣を着ています。
ですから4月末には単衣や夏物をいつでも着られる状態にしておきます。

さて単衣物の一種で紗合わせと言うキモノがあります。我々は無双と呼びますが、絽や紗の無地に友禅加工をしてその上に無地染めした紗の生地を合わせたもので、下の柄がモアレのように浮き出る非常にお洒落なキモノです。

昭和40年代から50年代にかけては結構作られていたのですが、最近は殆ど無いに等しく、仕方ありません。

ただ母様から譲られた物などをお召しになるについて、いつどんなときに着るのかと言うお問い合わせがあり、そのことで驚いたこことがありました。

大体は袷と単衣の間という感覚で、5月下旬から6月初旬に着るというのが普通だろうと思いますが、毎日無双ばかり着ていると言うことではないでしょうし、いわば単衣物の特殊な物という位置づけでしょうか。
あくまで洒落物ですし、正式な場所には着ていくのは憚られます。

京都では花街の芸妓さんたちが、持っている人は、今年など暑いのでもう着始めています。

ところがその問い合わせして来られた方が、ネットで調べると、単衣と夏物の間で6月の下旬と9月の上旬に着ると書いてあったとのことで、私も調べると本当にそう書いてある記事を見つけて呆れています。

生地が紗とか絽だけで、2枚重ねてあるから夏物の前に着るものだというのでしょうな。
でも6月下旬に着ている人を見たこともないし、まして9月に着るなど考えられません。

自分では持っていないで着たこともない人がさもそうであるがごとく書き込まれると、それを信じた人がまた書き込んだりするので混乱します。

ネットの恐ろしいことは、発信力のある者が、知ったかぶりで発信すると、影響を受ける人も多く、呆れたことになりかねません。

ですからやはりプロが正しい知識を世に知らしめるよう頑張らねばなりませんが、段々プロでもこうしたキモノの事を知らなくなって来つつあることが心配です。

ベテランがどんどん現場を去ることで、キモノ文化は混迷の度合いを深めていくのかと思うと頂けませんが、そうならないよう私どもも啓蒙に努めます。

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