こんな時こそ良いものを

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キモノ業界は昨年からの天候不順や台風などによる風水害等々の影響もあって、ずっと低迷しており、特に令和になってからの落ち込みがかなり大きいようで、方々から悲鳴が聞こえてきます。
原因も色々あろうかと思いますが、気になるのはリサイクル市場もかつてない落ち込みだということです。
デパートなどでも全般に物販は低調で、対前年をかなり割り込んでいるようです。

こうしたことの原因は何かというとかなり複合的な理由によるものではないかと思われますし、ろくでもない下品な政治が続く限り、不要不急の消費はやはり落ち込むだろうと想像されます。

ただ可処分所得の高い人たちにとっては、本当に欲しいものがあれば景気動向は関係なくお買いになるわけですし、高級呉服もそのジャンルの1つでしょう。

昔から高級呉服は不況に強いなどといわれていましたが、まさに泰三のキモノの高級なものは出会いさえあればお買いになります。

ところが高級なキモノづくりは激減していて、そういう人たちが買いたいと思われるキモノや帯になかなか出会えないという現実があります。

高級品と高額品は違うということはいつも申し上げていますが、デパートの特選売り場などは富裕層だと思うと、物の良し悪いやセンスは別にしてやたら値の張る作家物のとんでもないセンスの悪い物でも売りつけようとします、情けないほどものを知らない連中が増えて、高級品というとそんなものしか薦められないのでしょう。

コーディネートする力もなくセンスも悪い者がほとんどとなって、今は買いたいと思っているのにもかかわらずそういうものにお目にかかれないキモノ難民と称する人たちが増えていると思います。

そうした社会背景に鑑みると、こんな時こそ上質で上品な上物を作るべきだと思って、付加価値の高いものにチャレンジしているのですが、価格と品質ンバランスも大切で、泰三のものは見た目より安いと思われるはずで、それもあってか新作もお買い上げいただいております。
仮に100万円でもそれ以上に思えるものと、半分の値打ちしか感じられないものもあるでしょう。消費者目線でよくよく考えた価格設定をするべきです。
ところが現実は消費者無視のとんでもない値がついているのです。

業界の自分勝手な理由によるものですが、それを消費者に付け回すというのはいかがなものでしょうか。

社会は確実に変化しており、旧来の考えを消費者に押し付けて行こうなどというのは時代遅れも甚だししく、そのことが消費を減退させていくのだろうと思います。

格差社会に応じたマーケティング、きめ細かな販売戦略が求められているのですが、流通側の人間も高齢化していて、価値観の変化にとてもついて行けない人材ばかりですし、理解できる人が自助努力で変えていくしかありません。

組合や行政に頼るのというのもやや手遅れです。生産上の諸問題も解決することもできないまま年月が過ぎ去り、2度と作れないというものがますます増えています。

目線を下にもっていけばもっていくほどに本物のものづくりは消えていくことになります。良いものを作って妥当な値で販売できる構造を再構築できるのかということに尽きるのですが、手遅れ感が蔓延するこの頃です。


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