超減産

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昨年秋に消費税が上がってから、キモノ市場は一段と消費不況に陥っていたところに、今年の騒ぎで、とんでもない状態となって、秋口からやや回復の兆しもあるようですが、全体的に、とんでもない需要減で推移しています。
当然ながら新規生産に悪影響を与え、かつてない考えられないほどに超減産模様で、来年からの生産に暗い影を投げかけております。

手描き友禅の生産現場では維持化給付金で首のつながった職人さんたちも、高齢者が多いだけに来年は何の手当もなければ、仕事がほとんどない状況だけに、この辺で切りを付けようという人が必ず出てくるでしょう。

又問屋などで余剰な人員を抱えているところも雇用調整金の期限が切れる年内以降、相当なリストラが断行されたり、自分から辞めて行くものも増え、企業そのものも賃貸収入があるようなところ、つまり辞められる環境のあるところも今までの本業に見切りをつけるところが必ず出てくると思います。

そうやって淘汰されながら超縮小した市場規模に合ったサイズに合わせて行くのでしょうか。

先月白生地の2大生産地、丹後が1万反、長浜が450反という1か月あたりの生産統計が出ていましたが、まさに産地存亡の危機です。

以前にも書きましたが、丹後は最盛期1か月に83万反、長浜が15万反ほど生産していました。

あまりの減りように開いた口が塞がらないという状況です。
新規生産があまりにも減っている証左です。特に上物の生産は微々たるものです。

ただ新規の生産が仮に止まっても、この業界の抱えている余剰在庫は半端ではありませんし、当分の間は市場から無くなってしまうという事はありません。
ただ選択肢がだんだん減っていくだろうと思います。

これは単に手描き友禅の世界だけではなく、貸衣装用のキモノを作っている業者でも赤字のところも多いようで、黒留袖の過半数の生産をしていた業者の廃業が聞こえてきたりしますが、まあインクジェットでの生産で間に合うでしょうし、しばらくは不自由しないでしょう。
完全な生産停止という事はまだもう少し余裕があるとしても、過去に作れていたものが姿を消すという事は現実となりつつあり、誂えならぎりぎり作れるものもあるでしょうが、
もうあとわずかで姿を消す技もたくさんありそうです。
かくいう私でもモノづくりの方向性を変えるつもりで重い訪問着などはもう作りませんから、今あるものでお気に召せば幸いです。
どこかでターニングポイントとなって再び増産に向かうという事があって欲しいですが、その時には職人さんがいないでしょう。
最盛期を知る私としては寂しい思いをしているこの頃です。

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