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    <title>銀座泰三ブログ</title>
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    <title>改めて桶染めについて</title>
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    <published>2012-02-02T06:32:18Z</published>
    <updated>2012-02-03T06:13:11Z</updated>

    <summary>来月、泰三の振袖を買われたお客様を、その製作現場、つまり職人さんのところにお連れ...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <category term="京鹿の子絞りの話" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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        <![CDATA[<p>来月、泰三の振袖を買われたお客様を、その製作現場、つまり職人さんのところにお連れするのですが、泰三の振袖は、慶長小袖をベースにした華麗なキモノです。</p>

<p>桶染めという特殊な染め方をして、金彩、刺繍を駆使した作品は現在ではコピーするところがあっても同じような仕事はできません。</p>

<p>この桶染というのが非常に難しい技で、京都でも本当に上手くできる人はわずかです。</p>

<p>写真のように、色と色の際が綺麗に分かれているのは、桶づくりがよほど上手でないとできません。</p>

<p>ある老舗問屋で桶染め風の物がありますが、よく見れば色と色の間に白地が大きく見えています。これは桶染めで作ったものではありません。</p>

<p>下の写真のように、桶の中に染まってはいけないところ、染めるところをその桶の外に出して、桶の際に針を打ちつけ、上から蓋をして棒をかけて縄で縛ります。これを桶づくりと言います。</p>

<p>そしてこれを絞り染屋さんにもっていって、染料タンクの中でこの桶を転がしながら染めていくのです。</p>

<p>染め上れば、桶を割ると言って、その桶の心張棒を外して、中の生地を取り出します。</p>

<p>この作業を４色なら４回繰り返すのです。これは染めるためだけの作業で、疋田絞りなどがある場合はそれ以前に絞っておきます。</p>

<p>この仕事は本当に大変難しくて、一人前になるのに１０年は楽にかかりますし、もうこの桶そのものを作ってくれるところもないそうで、今当社がやってもらっている名人の職人さんがなくなればもうそれで多分終りで、飛び柄の物しかできないだろうと言われています。</p>

<p>７０歳を超えているだけに、後なん年だろうかと思いながら、日本最高の仕事を続けております。多分もう他社ではやっていないと思いますから、私が生産を停めればそれで、もしかしたらその歴史が閉ざされるのではないかと思います。</p>

<p>もうそういうところまで色々なものが出てきています。</p>

<p>職人さんに跡取りもなく、出来るだけ命を長らえて、ぎりぎり生産を続けようという毎日です。</p>

<p>ご興味あれば店においでになって手に取ってごらん下さい。</p>

<p><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="桶染め１.JPG" src="http://www.taizou.jp/blog/img/%E6%A1%B6%E6%9F%93%E3%82%81%EF%BC%91.JPG" width="400" height="344" class="mt-image-none" style="" /></span></p>

<p><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="桶作り１.JPG" src="http://www.taizou.jp/blog/img/%E6%A1%B6%E4%BD%9C%E3%82%8A%EF%BC%91.JPG" width="400" height="300" class="mt-image-none" style="" /></span></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="桶.JPG" src="http://www.taizou.jp/blog/img/%E6%A1%B6.JPG" width="400" height="300" class="mt-image-none" style="" /></span></p>

<p><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="桶染めタンク.JPG" src="http://www.taizou.jp/blog/img/%E6%A1%B6%E6%9F%93%E3%82%81%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF.JPG" width="400" height="300" class="mt-image-none" style="" /></span></p>]]>
        
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    <title>キモノを着るのが面倒臭いでしょうか</title>
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    <published>2012-01-31T06:40:21Z</published>
    <updated>2012-02-01T08:11:57Z</updated>

    <summary>私はフェースブックなどにも投稿していますし、キモノの啓蒙に使える媒体はできるだけ...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <category term="コラム" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>私はフェースブックなどにも投稿していますし、キモノの啓蒙に使える媒体はできるだけ活用しようと思っています。</p>

<p>キモノ業界は極めてその点で劣っており、私のような６０過ぎてこうした発信を続けている者は相当に少ないのは事実です。</p>

<p>そんなことをして何の意味があるとか、分からないで済ませてしまっていて、もったいないことをされているなという思いです。</p>

<p>小売りの団体もＨＰがあっても誰も何もそこで発言しません。事務局に更新を任せているのが関の山です。</p>

<p>本当にキモノの文化を啓蒙したいと真剣に思うのなら、公の立場で自分の言葉で色々語ることが大切ですがキモノ業界でそんなものはほとんど見たこともありませんので、私のブログは極めて異質なのかもしれませんね。</p>

<p>ところで、そのＦＢで女性にキモノを着てくださいねというようなことを言うと、中には大変興味を持っているとか、現実の色々お稽古事をされていて良くお召しになる方もおられますが、中には色々仕事をしていて活躍している女性でも、着るのにコストがかかるとか、移動するのが大変だとか、なんだかんだ言い訳して全く着ていないという女性がまだまだ非常に多いことに気が付きます。</p>

<p>私は極めて残念かつ情けないことだと思っています。</p>

<p>民族服をその国民が着ない、着られないというのは世界でも奇異なことでしょう。</p>

<p>小さなときから縁が無いという今の時代では致し方ないともいえますが、日本人であるなら着たいとか、着なければと思うのが本当だろうと思います。</p>

<p>家には祖母のもの、母の物があります。男性なら父親の物があるという家は多いのです。</p>

<p>よほどの身長差でなければ、キモノは仕立て替えをすることでまた次世代でも着ることができます。そういう意味では洋服よりも遥かにお得なのです。</p>

<p>しかしそれでも着たことが無いという人の方が圧倒的に多いのは確かです。</p>

<p>結局は日本人が日本の文化を全く意に介していないということです。</p>

<p>女性のキモノ姿は世界の民族衣装の中でも最もあでやかで、注目に値します。</p>

<p>海外でキモノを着ればお姫様のような扱いを受けます。日本のキモノ文化が他の民族衣装に比べ極めて文化的に高度なものであることは世界でも周知の事実です。</p>

<p>にもかかわらず、日本女性がキモノを着ない、着られないというのはやはり尋常なことでは無いと思います。</p>

<p>これから海外ででも活躍しようとするのなら、日本文化を十分に身に付けていくことは大変な武器になります。当然キモノを着ることは、仕事上でもプラスになることが多いでしょう。</p>

<p>毎日着なさいとは言いませんが、これと言った時にキモノ姿で出かけたら、見る目も変わります。そして生活にメリハリがつくでしょう。</p>

<p>小紋や、付下げなどを着るのでもいちいち着付けしてもらえば確かにお金もかかりますが、それ自体が普通のことではありませんね。</p>

<p>着付け教室に通う時間もなければ、少し誰かに見てもらえればすぐにできます。<br />
少なくとも太鼓結びだけでいいのなら、帯をそのように作り付け、ベルトの様に締められる仕立て方があります。</p>

<p>このことは以前にも何度も書いていますが、そうした工夫をすれば、旅先で着ることも億劫ではないはずです。</p>

<p>着付けにお金がかかる、面倒だから着ないというのは、日本女性としていかがなものかなと思う次第です。</p>

<p>真のグローバリゼーションとは欧米化ではありませんし、特に文化が同質化していくことなどあり得ません。</p>

<p>それぞれの国家が、国民がアイデンティティを確立していることが大切で、それが無いと結局強者が弱者を飲み込んでしまいます。</p>

<p>将来の国益と言いながら、他国にその利益を吸い取られるようなことがグローバル化とは決して言えません。</p>

<p>お互いの長所、短所を補完できるような取組が大切で、そのためにはお互いの国の、歴史、伝統、文化を理解し合うことが大切です。</p>

<p>そのためにも自国の文化をよく知っていること、そのことに誇りを持っていることは当然なのです。</p>

<p>ににもかかわらずこの国は、素晴らしい文化を有していながら、政治家も、官僚も国から金をもらっているのに、この国の歴史と文化を正しく理解していないという極めて尋常ならざる国なのです。</p>

<p>男がどうしようもなく無教養で、だらしなければ、少なくとも日本女性に頑張ってもらいたいですし、大和撫子として日本文化にもっと積極的に触れてもらいたいと強く思うこのごろです。</p>

<p>キモノは面倒くさいから着たくないなどという言葉は少なくとも私はあまり聞きたくないですね。</p>

<p>着てみたいから色々アドバイスしておっしゃるのなら嬉しいですがね。<br />
</p>]]>
        
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    <title>産地に在庫がない</title>
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    <published>2012-01-30T12:39:07Z</published>
    <updated>2012-01-30T14:16:23Z</updated>

    <summary>今日ある業界の人と話ををしていたら、ある紬の産地などでは在庫が本当に少なく、特に...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <category term="キモノ業界の話" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>今日ある業界の人と話ををしていたら、ある紬の産地などでは在庫が本当に少なく、特に手のかかるようなものはもうほとんどないというのです。</p>

<p>問屋に売れ残っているものがあれば引き取ってもいいというのだそうです。</p>

<p>まさに異常な事態ですが、問屋が発注を極端に控えているので、ロットのある織物産地などは、作ること自体を停めてしまい、急激に産地のそれもいいモノの在庫は減ってしまったそうです。</p>

<p>あまり手のかかっていない低級品だけはあるそうですが、品質にこだわらない値段だけの量販店くらいしか逆にこんなものは動きません。</p>

<p>良いものを欲しいという消費者はいるのですが、現在の流通市場にある過去のものがなくなれば、当分モノが無くなってしまうということです。</p>

<p>そうなってから発注をしても、その時には作り手自体がいなくなっているのではないかと言われています。</p>

<p>本業だけでは作り手は殆どが赤字ですし、不動産収入などがあるところだけが残れると言っても、代が替れば本業を辞めてしまうでしょう。</p>

<p>またある西陣の織屋さんの話ですが、昨年有名な織屋さんが辞めてしまったのですが、心無い流通業者が、そこの真面目なつくり方をしたものを、背に腹は代えられないと、ネット業者などに安く売ってしまったりして、市場でどんどん値が下がってしまい、その織屋さんは資産もあるので、馬鹿らしくて辞めてしまったのです。</p>

<p>ところが過剰な流通在庫が払拭され、その帯の物の良さが見直され、分かる人がそれなりの値で商いし始めたので、残った在庫も値が通っているのだそうです。</p>

<p>要するに市場をよく見て、過剰生産にならないよう上質なモノづくりをしていれば、必ずそれなりの値で流れていくのです。</p>

<p>流通業者は、そういう真面目な人が作るものが結局一番ありがたいのだということをよく考えるべきで、そういう意味ではよく勉強しなければなりません。</p>

<p>大手問屋の何でもありの、安物を高く売ろうとするような催事販売などがいつまでも続くわけがありません。</p>

<p>こうした現実に鑑みると、作り手と正しい手の組み方ができ無い者は、予想よりも早く市場からスポイルされていくことだろうと思います。</p>

<p>この仕事で今後飯が食いたいのなら、当たり前の商いをすることです。売れても金を払わない、早く払うのが馬鹿らしいなどというような流通業者は当然ですが、淘汰されてしまいます。</p>

<p>また借りた商品のとんでもない値付けをして、客がちょっと興味を見せるとすぐに半額にしますとか、異常な商いを平気で続けているところもあります。</p>

<p><br />
ここまで業界が縮小したら、本当に問屋があるいは産地が、あまりにひどい商いをするところを排除していかないと、消費者のこの業界に対しての不信感は払底できません。</p>

<p>買いたいのに何か騙されているのでは無いかと思うという様な声を聞くたびに、本当に悲しい思いをしますが、そういう現実が分かっていながら、卸してしまう問屋の責任は小さくありません。</p>

<p>結局真面目なものは馬鹿らしくて先に辞めることとなってしまいます。</p>

<p>ただ産地の在庫状況がタイトになれば、産地からの逆選別がいよいよ本格的に始まるであろうと思います。<br />
金を払わないところには売れ残りの駄ものしか回ってこないということと覚悟することでしょう。</p>

<p>ここ数年で団塊の世代も去り、世代交代が急激に進んでいくことでしょう。<br />
若い人たちはこれからがありますから、横暴な商いは当然忌避して行くでしょうし、色々な意味で、消費者にとっていい方向へ変わっていくことを期待しています。</p>

<p>この日本の大切な文化が、悪貨で駆逐されることのないよう、お役をしているような人には特に見識を持っていただきたいものです。</p>

<p>しかしそれにしても産地の疲弊状況は半端なものではなく、廃業が止まらないということは事実です。小さな生産でもバランスが保てるようになるまで、まだ縮小していくのだろうと予想されますが、果たして職人さんがいてくれるだろうか、それだけが心配です。</p>]]>
        
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    <title>京手描友禅、京鹿の子絞りの啓蒙活動</title>
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    <published>2012-01-27T13:05:39Z</published>
    <updated>2012-01-28T02:53:22Z</updated>

    <summary>京都は紛れもなく、今でも友禅や帯の一大生産地で、京でもモノづくりが止まるというこ...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <category term="キモノ業界の話" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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        <![CDATA[<p>京都は紛れもなく、今でも友禅や帯の一大生産地で、京でもモノづくりが止まるということは、先人が築き上げてきた文化の一つが消滅するということです。</p>

<p>加賀友禅、東京友禅、十日町友禅という産地があっても、それはすべて京都の亜流であり、京都が常に洗練された染のキモノの最先端にいたことは確かです。</p>

<p>ところが近年、量販店、ＮＣなどの流通事情から、インクジェットなどの印刷キモノのシェアが高くなり、心無い一部の業界人は恥ずかしげもなく、その振袖を京友禅などという証紙を貼って、何も知らない消費者に販売しています。</p>

<p>消費者がよく知らないから、ある意味だますなどと言うような情けない業界に未来はないのですし、そういう流通業者が淘汰されてしまう方が世のためであることも間違いではないにしても、何より本物の京友禅とはこういうものだということを、消費者に知ってもらうことが大切だろうと思います。</p>

<p>京都では手描友禅の生産に携わる業者が組合もいくつもあり、京都では毎年展示会なども催されています。</p>

<p>しかしいくら京都でそうした活動をしようとも、漁場で魚を売るのと同じで、啓蒙、啓発活動には殆どなりません。</p>

<p>本物の京手描き友禅のレベルの高さを多くの人に知ってもらうことが、消費者が誤ったものを売りつけられないことにつながりますし、是非全国の消費地で展開するべきなのです。</p>

<p><br />
私はそういう団体の一つの京都染色美術協会（通称美協）に属していました。</p>

<p>この会は元知事の肝入りで、京都市美術館で唯一毎年キモノの展示ができる団体で、府、市からも補助金が出ています。</p>

<p>この会員はそれこそ京都の高級な友禅のほとんどすべてを生み出している染匠で、かつてはこの会員であることが高級友禅業者の証であり、誇りでもありました。</p>

<p>ところが１０数年くらい前から流通環境が、大きく変わり、大手問屋にとっては高級な品格ある友禅のキモノは無用のものとなってしまし、その問屋の社員でも美協のことさえ知らないというような情けない低級化が急速に進みました。</p>

<p>こうした背景を受けて美協はその存在意義、性格を、単なる友禅のエリート集団という自負を持つ者の集まりから、京友禅の本物上物の、つまりは京都の文化の発信団体として脱皮すべきだと私は思い、そのための組織変更（今は単なる任意団体）をすることなどを画策したのですが、私の力不足、先を見る目のない高齢者のために潰されてしまい、私は<br />
その団体に属している意義が無いと思い脱会しました。</p>

<p>私が辞めたことで多くの会員が追随したのは忸怩たる思いですが、その後私の予想した通り、一段とその存在価値が見えなくなり、退会するものが止まらず、新会員が入っても、最盛期６０名の会員が、今はたった１０数軒となってしまいました。</p>

<p>青年会も解散し、今年はまさに背水の陣です。</p>

<p>復帰してくれという声もあるのですが、やや手遅れという感は否めません。<br />
ただ何でも反対するような高齢者が退会したようですし、若い人たち中心に運営していくということですので、側面からバックアップできればと思っています。</p>

<p>これからの茨の道を嫌でも切り開いていかねばならない若い人たちが、お互い協力して、その啓蒙活動に取り組んで欲しいのですが、そのためには前売りの方たちの協力も大切です。</p>

<p>心ある人たちが、本物を残そうという思いで助け合っていただければ、日本中に京都のモノづくりの魅力を真摯に発信できると思います。</p>

<p>消費者の知識が増えることで、販売店にそう言うものを求める声が高まっていくことが望ましいと私は思っています。</p>

<p>本で読むだけでではだめで本物を手にとって見ることが大事なのです。</p>

<p>専門店も当然ながらそうした勉強を重ね、消費者にその魅力を伝えてほしいと願うものです。</p>

<p>あと２年ほどで、我々団塊の世代は全員６５歳となり、現場を去るものも急速に増えていきます。あとを任される若い世代がそれなりの見識をもって、次の時代に向けて行動していかれることを願っていますし、私のできる範囲での協力は惜しまないつもりです。</p>]]>
        
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    <title>小物もない</title>
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    <published>2012-01-26T06:42:49Z</published>
    <updated>2012-01-26T06:46:11Z</updated>

    <summary>私は仕事柄当然ともいえますが、自分自身がキモノを着るのが好きなので、若い頃からこ...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <category term="キモノのについての話" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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        <![CDATA[<p>私は仕事柄当然ともいえますが、自分自身がキモノを着るのが好きなので、若い頃からこつこつと作ってきたキモノは今では５０枚以上あると思います。</p>

<p>お稽古をしたりしていましたのでキモノを着る機会も多かったこと、また務めて多くの会合にキモノを着ていったので、それなりに数も必要だったのです。</p>

<p>まあそんなわけで、私の店でも男物をお世話することがあります。</p>

<p>私はお洒落に、かつ品よく着ていただきたいと思い、初心者にはお召しの上下からお勧めしているのですが、最近とみに困ることがあります。</p>

<p>男物は色々と決めなければならないことがあります。</p>

<p>長着と羽織の生地が決まれば、長着の裏地をどういう色にするかを決め、既存の物で無ければ染めることもあります。大体市販の物は決まった色しかないので、それこそお洒落な裏を付けようと思うと染めるしかありません。</p>

<p>また羽織には羽織裏が要りますが、これが困るのです、粋でお洒落な一枚ものの額裏（一枚ものはそのように言います）は、今探してもなかなかありません。</p>

<p>私が持っている羽織の裏には、色々な柄があります。</p>

<p>かつては浮世絵風の色っぽい物もたくさんあったようですが、そういうものが姿をけし、型物のやすけない物はたくさんあっても、洒落た柄を探すのは至難の業です。</p>

<p>たとえば私の物のに、ソラマメが大きく二つ絞り加工で並んでいるものがあります。</p>

<p>これは商売人はマメマメしくという洒落ですし、これも絞り染でナマズの柄がありますが、これはナマズというのは地震を予知することから家内安全という意味と、ナマズは夜行性で、夜目が効くそうです。</p>

<p>夜の目が良い→夜目が良い→嫁が良い　ということで一族の繁栄を願うという意味で江戸時代などにはよく使われた柄だそうです。</p>

<p>この間お客様にお世話したのは、瓢箪の横の方に小さく馬が一頭いて、つまり瓢箪から駒などという洒落です。</p>

<p>こうしたさびのきいた洒落た羽裏を探そうと思っても本当に少ないのです。</p>

<p><br />
鳥獣戯画だとか、富士山だとかならあるのですが、それも加工方法がレベルの低いものが多く、決していいとは言えません。</p>

<p>こだわればこだわるほどものがありません。昔はよく売れていたので、色々業者も知恵を絞ったのです。</p>

<p>男物の羽織は作る人が本当に少ないので、今度は羽織の紐にも困ります。</p>

<p>これも定番のようなものばかりで、ひねりのきいた良い色目の物が本当に少ないのです。</p>

<p>それに襦袢がまたいいものが少なく、その衿が良い色があまりないので、これもまた場合によっては染めます。</p>

<p>草履の鼻緒も洒落たものが無いので、私は全部誂えます。</p>

<p><br />
このように、表地が売れないと、今度は小物も売れませんから、売れ筋の物しか作らなくなり、キモノをよく着る人には選ぶモノが無くなり、全部誂えるということになりその分高くつくという結果になるのです。</p>

<p>全体の生産や販売が好調だとその中で洒落たものとか、思い切ったものを作れるので、キモノの達人を満足させるものもあったのですが、最盛期のたった数パーセントの生産しかない様な状況では、キモノにこだわる人ほど満足できるものが無い、昔の物の方がはるかに良いと言われて、実際売るものが無くなっていきます。</p>

<p><br />
そういうことに気が付いて少しはお洒落なものも作るところもあるのですが、いかんせん販売が伴いません。</p>

<p>専門店は男物の場合長着だけでなく是非羽織もお作りになるようお薦めしてください。</p>

<p><br />
昔は男は羽織を多用したので、羽織専用の生地、羽尺（もちろん女ものも）がありましたが、近年は羽織が売れないので、結局長着を羽織にしていますので、生地が余ります。</p>

<p>そして裏物もいいものが無くなっていきます。</p>

<p>誂ればいいとはいっても、そのことをよく知らないと誂え注文も取れません。</p>

<p>売り手がもっとキモノをよく着て、ＴＰＯだけでなく、そうした小物のことなども勉強しておかないと、困った事態がおきるのです。</p>

<p>キモノで飯を食う人はキモノを着るという基本を忘れないでいただきたいものです。</p>]]>
        
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    <title>とりあえず動くしかないでしょう。</title>
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    <published>2012-01-25T14:13:44Z</published>
    <updated>2012-01-25T14:46:39Z</updated>

    <summary>１月からも少なくとも呉服市場は低調です。 キモノというビジネスを取り巻く環境は今...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>１月からも少なくとも呉服市場は低調です。</p>

<p>キモノというビジネスを取り巻く環境は今後も非常に厳しいと思われます。</p>

<p>消費税増税は明らかにマイナス要因ですし、また首都圏の地震予想も、平和産業のキモノ業界には良いニュースではありません。</p>

<p>勿論当たらないことを祈るばかりです。</p>

<p>ただキモノそのものへの潜在的な願望は、徐々に増えていることも確かですし、実需へ結びつく努力はどんなことがあっても続けて行かねばなりません。</p>

<p>願わくばそれが正しい方向で有って欲しいということで、見立てを間違うことなく、敵品をそれなりの値で販売すること、消費者に対しての信頼、信用を得る商いをしなければならないのは言うまでもないことです。</p>

<p>そういう意味では次第に胡散臭い店外催事も淘汰されて行くことでしょうし、本来の商いを真面目に続けていくところに自然に人も集まっていくことになるでしょう。</p>

<p>その淘汰されるまでの間まだ時間がかかりそうですし、その間まだ生産が落ちていくことでしょう。</p>

<p>これから考えられることで私が一番心配しているのは、今年団塊の世代の昭和２２年生まれが６５歳となり、どんどん退職し、第一線を去っていくのです。来年も、その次の年も同様です。</p>

<p>専門職などで一部残る人がいるかもしれませんが、大半は引退することになり、小売業界ではベテラン販売員が大量に減っていくことになります。</p>

<p>また問屋段階でも同様で、次々と去って行きます。</p>

<p>ある意味そのことで世代交代が進むとはいえ、残念ながら次世代に対する教育が行き届いていないことが多く、正しい知識が伝わっていくかということが危惧されます。</p>

<p>あまり先のことを読むと暗くなる要因が多いのですが、その中でも本物は残るのだという信念を持って、今は当面の間前に向かっていかなければなりません。</p>

<p>果報は寝ても得られないでしょう。</p>

<p>何をするにしても、今、色々動くべきでしょう。目標に向かって行動あるのみですが、間違った道を歩くものはどんどん本来の道から外れ、崖から落ちてしまいます。</p>

<p>修正するのも今でしょう。</p>

<p>この２、３年で色々な動きがあるでしょうし、それに備えて、堅実な行動を起こすべきです。</p>

<p>私も疲れていても、これから先やるべきことはたくさんありますし、じっとしていても何も始まりません。行動あるのみだと自覚しています。</p>

<p>若い人はなおさらです。とりあえずいろいろプランを練って動いて見るべきです。<br />
それが情報発信になるでしょうし、頑張ってほしいものです。</p>

<p>いよいよ世代交代が来ると思って、自覚をもって行動してほしいものです。</p>

<p>願わくば仁、義、礼、智、信、忠、孝、悌という徳の道を歩んで欲しいですね。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>普遍の美</title>
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    <published>2012-01-22T06:30:36Z</published>
    <updated>2012-01-22T06:41:49Z</updated>

    <summary>キモノの上物、本物の生産がどんどんと減っていく原因に関しては、もちろん市況に関係...</summary>
    <author>
        <name>銀座泰三</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>キモノの上物、本物の生産がどんどんと減っていく原因に関しては、もちろん市況に関係していることは否めませんし、これほど長くデフレ経済場慢性化している現在では、何もキモノに限ったことではありませんね。</p>

<p>高額で、不要不急なものは、本当に必要な時にしか需要が出てきません。</p>

<p>かつて高級呉服は、いわゆる富裕層の消費アイテムの一つでしたが、それは着る機会が多くあったからでしょう。</p>

<p>結婚式では最近仲人がいないのが当たり前のようになってきたので、黒留袖の需要が大きく減退しました。</p>

<p>それなりの立場の奥様はど何度も仲人を頼まれることが多いので、どうせ要るからと言って呉服の展示会で黒留袖を買った方も数多かったのですが、今は花嫁、花婿の母としてだけの需要ですから、式が決まって、ああだこうだと言っていて急に欲しいというような方が多く、私共でも２週間先の婚礼で飛び込んでこられた方がおられました。</p>

<p>こうした環境の中で、従来からの上物を作り続けること、揃えていくことは確かに難しいことかもしれませんが、そんな中でも売れ続けて行くものがあるはずです。</p>

<p>現にキモノだけではありませんが、高額でもずっと定番のように売れ続けているモノがあります。<br />
時代が移り変わっても、形も変わらず売れ続ける高級な腕時計とか、装身具など意外とあるものです。</p>

<p>なぜかということを考えると、変わらないから良い、あるいは変えようがないほど洗練されているということなのだろうと思います。</p>

<p>勿論材質も製造方法も最高のもので、性能もよく、実際どこを変えても良くないというようなものがあるものなのです。</p>

<p>これこそ本物ですし、それを良いと思わせる普遍性、普遍の美があります。</p>

<p>キモノの場合、柄のあるモノは同じものを作り続けるということは、高額品では御法度ですが、そのモノづくりをする者のベースのセンスがあります。</p>

<p>泰三の縫い箔を中心としたモノづくりにはそれなりの個性がありますし、名を知る人はすぐにこれが泰三の物だというセンスを感じるでしょうし、真似をしたものはすぐに見破られてしまいます。</p>

<p>手前味噌ですが、親子二代で培ってきたセンスが本物だからここまでモノづくりしてこれたのでしょうが、</p>

<p>他のモノづくりにもいえますが、それは本物とはシンプルなことが一番で、出来るだけ余計なものをそぎ落としていくということが大事なのです。</p>

<p>シンプル　イズ　ベストなのですが。これが分かっているようでわからない人も多いのです。<br />
ややもすると、すぐに柄を増やしたりしてしまいがちで、あるいは多彩にして豪華さを出そうとかしてしまいます。</p>

<p>またもう一つ難しいのは、普遍性があるということは、あまり大きく変えてはいけないという側面もあるので、その中で少しは変えることのむつかしさを感じ、あるいは作り手そのものがなんと無く飽きてきて、ガラッと変えてしまうことがあります。</p>

<p>そのことが新境地ということで、一段と評価される人と、全く逆の評価を受ける人がいます。</p>

<p>私は日本画が好きなので、若い頃から日展を初め、多くの日本画展を見てきましたが、どんな作家が流行るだろうとか、どんな絵が売れるだろうということはある程度わかります。</p>

<p>今の流行作家がどんな画風をもっているかということもある程度知っていますが、ある時突然その流行作家の画風が変わることがあります。</p>

<p>年を取って新境地の開拓で、食べるということから離れて、自己実現の欲求を達成しようという人の意欲的な作品は、それなりにわかるのですが、そうではなくて、自分自身が勝手に自分の絵に飽きて、変える人がいます。</p>

<p>しかしそういう作品はほとんど評価されることなく、せっかく名が出ていたのに、それで終わってしまった人も数多くあるのです。</p>

<p>この人はきっと真の美とは何かを理解していなかったのだろうと思います。</p>

<p>たまたま今まで描いてきたものにそういう美を感じられたのに、自分が分かってい無かったということでしょうか。</p>

<p>同じ題材でもどんどん極めていくというのが本当で、そうであれば飽きるということはないはずなのです。</p>

<p>奇を衒った作品で、底辺に真の普遍性の美を感じないものは、必ず消えてしまいます・</p>

<p>自分の作風を確立し、それを極めていく中に道が開けるというのが本当です。</p>

<p>作り手のそうした思いを受け止め、あるいは指導アドバイスしてくれるパトロンがいれば一番ですが、キモノ業界などにはそういう存在がほとんどいなくて、本物を知らないからすぐに目先を何か変わったモノが無いかと変えてしまう人がいますが、結局少しは違う需要があっても、それが本物でなければ続きません。</p>

<p>消費者はそうは思っていないのに、提案する人が自分で勝手に飽きてしまうというのは不幸なことなのです。</p>

<p>本物のわかるお客様に本物が届けられないというような不幸なことが無いよう、間に立つ者の見識が一段と問われることでしょう。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>１４年連続マイナス</title>
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    <published>2012-01-21T12:04:33Z</published>
    <updated>2012-01-22T04:49:52Z</updated>

    <summary>過日の新聞報道で、デパート業界の販売統計が１４年連続マイナスだと出ていました。 ...</summary>
    <author>
        <name>銀座泰三</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>過日の新聞報道で、デパート業界の販売統計が１４年連続マイナスだと出ていました。</p>

<p>非常に深刻な事態ともいえますが、トータルの数字だけに、その間に何があったかというと、デパート業界の統廃合、支店数の減少、地方デパートの倒産廃業などなど、大きく環境が変わったので、この数字だけをもって簡単にデパートの凋落という風には結論付けはできません。</p>

<p>またデパート会社によっても、あるいは地域的にも相当な差があるので、ああだこうだと一概には言えません。</p>

<p>ただデパート業界を取り巻く環境は確かに大きく変化しており、流通業界全体はこの１０年ほどで大きな変貌を遂げています。</p>

<p>１つのモノを売るのに、色々な手段、通り道が増えて、無店舗でもモノが売れたり、コンビニで売られるもののアイテムも増え、アウトレットモールなどという業態も出てきました。</p>

<p>まさにデパートはいわゆる百貨店として地域に君臨するというような悠長な状況では無いことは確かで、またバブル期の過剰な投資がたたって経営が傾いたところもあり、ご存知のようにいくつかのデパートが統合されました。</p>

<p>それぞれの企業の歴史や文化の違うところが１つの会社になるというのは大変難しいことで、しかも新会社にはそれなりに株主の目も厳しく、どうしても利益優先、効率化、リストラなどが先行し、多くの正社員が現場を去り、業態が大きく変化し、いわばビル貸業、ディベロッパーと似たような商いへ変化したように思います。</p>

<p>スパースをどんなテナントで埋めるかということに腐心し、売り上げ歩合のテナント収入などが主な収入源、あるいはまるまる建物ごとどこかに貸すまさに不動産業となっているような気がします。</p>

<p>まあ他のスーパーなども似たり寄ったりではありますが、デパートは本来小売業ですし、<br />
この１０年間で一番大事な、自ら売るという気持ちを忘れてしまったのではないかと危惧されます。</p>

<p>その影響を一番大きく受けたのが呉服売り場かもしれません。</p>

<p>アパレルなどは従来からメーカーのＳＰＡ戦略の中での売り場がデパートにあるという位置づけで、商品も販売員もすべてメーカーが揃えるという形でしたし、中にはデパートのプライベートブランドのコーナのあるところもありますが、総じてメーカー頼みで、面積割や売り上げ歩合のテナント収入を得ていました。</p>

<p>しかしいわゆる呉服系のデパートなどの呉服売り場は、従来は一部の小物などを除いては社員で販売していたところも多く、売り場にはたたき上げのベテラン社員がいたものです。</p>

<p>ところが、統合による効率化の波を受けて、そうしたベテラン社員が去り、その分デパート問屋が派遣する女性などが販売するということが徐々に常態化しつつあります。</p>

<p>地方のデパートで健闘されているところなどにはまだまだ社員で販売するというところもあるのですが、総じて多くのデパートではスペース貸しのような商いへ変化しています。</p>

<p>なかには呉服売り場自体が無くなるというところもあります。</p>

<p>呉服売り場はアイテムが非常に多く、販売知識も豊富に必要ですし、その割には昔のような来店客も少なく、いわゆる日銭が稼ぎにくいということで、縮小したり、店外での催事で売ろうということも多いので、そのデパートの核の売り場とは言えなくなっています。</p>

<p>販売員も、商品も問屋にお任せで、社員は催事企画や経費、売り上げ数字の管理などをしているということになっています。</p>

<p>ある時期から、売り場の専門職の社員を育てることを辞めてしまっていますから、キモノをそのものを知らない社員が呉服売り場にいるという奇異なことが進行中です。</p>

<p>老舗のところはギリギリまだ人がいますが、電鉄系などにはもうそういう存在はほぼ皆無です。</p>

<p>そのわずかなベテラン社員もあと１０年以内にほぼ全員現場を去ってしまいますから、呉服売り場は結局問屋が面倒を見ることになるでしょうし、問屋の負担は益々大きくなります。</p>

<p>ですからこれからは派遣で出す販売員の技量が問われるのですが、これと言った研修をしているようでもなく、益々モノを知らない販売員が増えていくのです。</p>

<p>多くの街で呉服専門店は力を失い、後継者不足ですから、本当はデパートがキモノという文化に対してそれなりの見識を持っていれば、将来一番の稼ぎ頭になるやもしれ無いという可能性を秘めています。</p>

<p>地方に良い専門店が無ければ、デパートのバイヤーがそれなりに勉強して見識があれば、いやでもいい商品はデパートに集まりますし、販売員も鍛えておけば、消費者はデパートで買うということが増えていくでしょう。</p>

<p>しかし現実は逆の動きをしているところが多く、実に残念で惜しいと思います。</p>

<p>箱貸し、場所貸しの商いのための社員を雇うというのは、本来の物販業者ということからすると大きくかい離しています。</p>

<p>呉服だけではありませんが、モノを売るというのはその売り手の器量によって大きく左右されますし。また品揃えも、人が考えることですし、その地域、その顧客層に合った品ぞろえを売る側が揃えるのがほんとうで、そのための人を育てていくことが肝要です。</p>

<p>もしそれがプロパーの社員で無理なのなら、外からベテランや志の高いある人を契約社員で雇うことも考えるべきではないかと思います。</p>

<p>キモノの仕事で身を立てたいと思う人は実は結構いるのですが、現実にはほとんど食べられないということで、結局この業界にそういう人を取り込めません。</p>

<p>作り手の消費屋の橋渡しとしての売り手の存在が、これから一段と問われていますし、そうしたキモノをよく知る人がその販売に携われるような仕組みが必要だろうと思います。</p>

<p>商いは人なりです。人によって大きく変わります。その人がいなくなっていることがデパートの苦戦の原因ではないかと私は思います。</p>

<p>学歴よりも現場での経験が本来モノを言うはずですし、ぜひそうした専門職を育ててほしいと、作り手としては切望するものですし、それが消費者のためにもなるのですね。</p>

<p>一生懸命勉強しておられるデパートの呉服売り場の人も知っていますが、残念ながら舌が育っていないということが多く、その人の経験や、お客様へのカオがつながりません。</p>

<p>経営陣に呉服売り場は宝の山だということに気がついて欲しいのですがね。</p>

<p><br />
</p>]]>
        
    </content>
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    <title>組織はトップ次第</title>
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    <id>tag:www.taizou.jp,2012:/blog//1.1076</id>

    <published>2012-01-18T02:55:32Z</published>
    <updated>2012-01-18T07:03:30Z</updated>

    <summary>私は大学を出てもう４０年になります。 大企業サラリーマンへの道を選ばず、父の後を...</summary>
    <author>
        <name>銀座泰三</name>
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    </author>
    
        <category term="コラム" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>私は大学を出てもう４０年になります。</p>

<p>大企業サラリーマンへの道を選ばず、父の後を継ぐことを決断したので、修行中に問屋に勤めた以外は、多くの友人たちとは違う道を歩いてきました。</p>

<p>私のゼミの恩師は、経済界にも人脈が広く、電話一本で大企業に入れたような時代で、私が親の跡を継ぐと言った時には、ちょっと驚かれましたが、後悔はするなと言われたくらいで、特に反対もされませんでした。</p>

<p>それから４０年、全く違う経験を重ねてきましたが、その友人たちもそろそろ次々と退職しています。</p>

<p>中にはいわゆる出世をしたものもいますが、私と決定的に違うのは、方や日本を代表するような大企業で、こちらは零細企業ですから、やってきたことのスケールは全く違いますし、私の業界のような超構造不況業種では、彼らの年収の方がはるかに高かったということはあるかもしれません。</p>

<p>ただそういうことと違って、私は最初から父の後を継ぐ、つまり次期社長が約束されて父の会社に入っていますし、父もそのつもりで、私を京都に帰らせたので、友人たちとはスタートの時点での、立場や考え方が全く違っていました。</p>

<p>私は２代目として継ぐこと、つまりは会社を継承することを前提としていますので、２代目で一番大切な仕事、つまりは父の遺業を伝え会社をつぶさないことが求められていましたし、父も当然そういう気持ちで私を入れたのですから、父には私を教育する義務があり、私は私で、色々な面で勉強することが求めらていました。</p>

<p>実際父は私にかなり色々な意味で投資してくれましたし、言葉は少ないですがやるべき道を示してきました。</p>

<p>非常に個性的な父の後を取るので、かなり難しいことは想像に難くなかったのですが、自分なりには研鑽を積んできたつもりです。</p>

<p>父の後当然私がトップになるわけですし、なる前もなった後も、色々なセミナーにも参加したり、そういう本も読んで来ました。</p>

<p>私の仕事は主にモノづくりだけに、感性を磨くということが重要ですので、単に経営学などを学ぶだけではありませんでしたので、美術館に行ったり、多くの画廊を覗くなどを習慣としましたし、お稽古事などにも熱心に通ったものです。</p>

<p>父が亡くなってはや２５年ですが、その人生経験、勉強から得たことのおかげかどうかわかりませんが、２代目としては、父から託された会社を潰すことなく、日本一のキモノづくりという道の中で、いままで経営してきました。</p>

<p>我々の仕事で大事なことは、自らのセンスを貫くこと、同じことを飽きずに長く続けること、しかしセンスは常に磨いて、時代の変化、社会の要求するものを読むことなどなどで、</p>

<p>決して短期的な利益を追い求めることもなく、本業不調だと言ってよく知りもしない副業に手を染めることなどはしないことです。</p>

<p>そうしたことはやはり経験上から得たことが大きく、単に経営学や会計学などを学んだだけではわからない、つまり社会勉強で得たことが大きいのです。</p>

<p>昨年政官財での不祥事が大きく表ざたとなり、トップの見識を問われることが続発しましたが、その人たちは総じて、高学歴でいわゆるインテリです。</p>

<p>まあいわばエリートでしょう。</p>

<p>ところがそうした連中が不祥事を起こすのは、結局トップになった時に何をなすべきかということのトレーニングがなされていなかったし、なった後からの勉強が無くて人間的な成長が停まってしまったのでしょう。</p>

<p>功名心、保身、私心ばかりが先行し、自分の立場は何をなすべきかという常識がどこかへ飛んで行ってしまったのでしょうか。</p>

<p>謝ることもなく、責任を取ることもなく、いまだにその椅子にしがみついている姿は哀れそのものですが、若いときからの鍛錬が全くない男が、運がよくトップになった時に、まるで自分が偉かったように思い上がってしまい、優秀なものを遠ざけ、周りに茶坊主ばかりおいて、組織が腐っていくことなど全く意に介しなかったということです。</p>

<p>トップを目指すならトップに立つ要件を身に付けるような気構えを若い頃から持ってほしいものですし、真の親分になるためには多くの人の生き方を見て来ることです。</p>

<p>そしてとても大事なことは早く自分という人間の可能性と限界を知ることです。</p>

<p>私もあまり大きなことは言えませんが、自分が職人肌で決して実業家タイプでないことなどを早くから見切っていたので、バブルに染まることもなく、種々の辛い経験を越えて本業を貫けたのだろうと思います。</p>

<p>人の上に立つ器かどうか見極めもしないで手を挙げて、国民がひどい目に遭うなどとんでもない話です。</p>

<p>自らの器をよく知ることはとてもだいじなことで、ハッタリはいずれ必ず化けの皮がはがれ頓挫します。コツコツ長く続けることが京都人の仕事でもあります。</p>

<p>私の最後の仕事は、次世代にやってきたことを如何に伝えるかということですが、なかなか私の眼鏡にかなう者に出会えなくて（まあ眼鏡が曇っていたこともありますが）、呻吟しているこの頃でもあります。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>東京砂漠</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.taizou.jp/blog/2012/01/post-867.php" />
    <id>tag:www.taizou.jp,2012:/blog//1.1075</id>

    <published>2012-01-15T07:42:40Z</published>
    <updated>2012-01-16T13:11:10Z</updated>

    <summary>東京はずっとこのところ雨が降らなくて大変乾燥しているようです。 私もそのせいか油...</summary>
    <author>
        <name>銀座泰三</name>
        <uri>http://www.taizou.jp/mt/mt-cp.cgi?__mode=view&amp;blog_id=1&amp;id=2</uri>
    </author>
    
        <category term="コラム" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>東京はずっとこのところ雨が降らなくて大変乾燥しているようです。</p>

<p>私もそのせいか油断して新年早々風邪をひいてしまいました。</p>

<p>カラカラ天気がずっと続きまさに東京砂漠です。</p>

<p>まあもっと言えば人心もカラカラで、砂漠状態はずっと続いていると言って良いでしょう。</p>

<p>最近やたら昭和を回顧するような報道や、映画があったりするのは気のせいかとも思いますが、実際今と比べると、もっと生活に潤いが在ったような気がします。</p>

<p>勿論経済状況が今より良かったということはあるでしょう。<br />
右上がりで将来への希望もあり、サラリーマン社会でも年功序列で、生活への不安など微塵も無かったように思います。</p>

<p>私は普通のサラリーマン生活とは違いますが、まあ頑張ればそれなりに成果の見える時代でした。</p>

<p>そしてもっとお互いに思いやりがあったような気がしますし、そういう親分的な人も各界に存在しました。</p>

<p>それが今ではどうでしょうか。なにかギスギスして、寒々としています。</p>

<p>自分さえよければいいと言うような人間が、特にこの東京にこの１０年ほどでとても増えてきたような気がします。</p>

<p>かつての金融大臣が、知恵のない者、能力のない者が食えないのは当然だとか、人を押し倒してでも強いものがもっと強くなるような環境を作るのが規制緩和だというような風潮になってから、本当に思いやりや優しさの欠如した男が激増しています。</p>

<p>東電の現場放棄をしようとしたことなどはその最たることでしょうが、良い大学出ていれば偉いのだとか、勘違いした人間性の低い男がなぜこれほどこの東京に集まっているのかと思わざるを得ません。</p>

<p>嘘は平気で突く、謝らない、辞めない、こんな男は日本の精神文化史上かつていませんでした。</p>

<p>なぜこういうことになってしまったのかという背景にやはり悪政があるでしょう。</p>

<p>バブル経済を生み出した罪、それを人為的に飛んでもない愚策で潰した罪は計り知れなく大きいですが、</p>

<p>それがためにリストラだとかが恒常的な社会現象となり、やはり大きな会社に行かないと将来が心配だとか、</p>

<p>あるいは公務員の人気が上がったり、ますます寄らば大樹の陰的な生き方をしようとする若者が増えました。</p>

<p>それに親がそうさせようとするので、学歴偏重がとんでもなく加速し、その選別のために大学も難問、奇問を出したりして、進学塾が大流行ということになりました。</p>

<p>知育最優先となって、その大学受験の為に高校も、中学も、あるいはもっと小さなときからそういう体制に組み込まれ、放課後みんなでソフトボールをするとかいうようなこともほとんど無くなり、<br />
みんなで何かをするという体験が大幅に減り、徳育という面でも、非常にいびつな状況が常態化し、<br />
そのうえゆとり教育などという噴飯ものの愚策もあり、小さなときから、日本人の美徳とする、和と言う精神が欠けてきたように思います。</p>

<p>勉強に明け暮れて、点取り虫になって、良い大学に入って、また同じような勉強して、官僚になるというようなことでは、血の通った行政が期待できるわけもありません。</p>

<p>社会常識が無く、自分は偉いのだから何をしても許されると思っているのか、この間逮捕された経産相の役人のように、普通に考えればしてはいけないことが分からないような、まさに非常識な人間が、激増に継ぐ激増をしていると思います。</p>

<p>最近はようやくその教育を改めようという機運もありますが、今の指導的立場にいる人間に本当に精神的にカサカサの連中が多いというのは間違いないでしょう。</p>

<p>政治の最大の要件たる思いやり、優しさを忘れ、金もうけに必死になる連中と手を組んで税金を垂れ流す、その裏にそのことで天下り先をバカほど作る官僚と、本当に殺伐とした、東京になったのはそう古いことではありません。</p>

<p>震災のあとの連帯を見るとやはり日本人はみんな勤勉ですし、他国にない美徳はいまだ健在だという意を強くしましたし、支配階級がその思いを強く受け止め、真に国民目線の政治、行政に目覚めて欲しいと思いますね。</p>

<p>真に強い男は弱者のために存在し、決して弱者をいじめて搾取するようなことをしません。</p>

<p>強い日本の再生は、強い精神を持つ日本人が為政者にもっと出現することにかかっていますね。そうなれば日本の文化にまた新たな道が開けることでしょう。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>京都本社満６５年感謝の会</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.taizou.jp/blog/2012/01/post-866.php" />
    <id>tag:www.taizou.jp,2012:/blog//1.1074</id>

    <published>2012-01-15T04:19:44Z</published>
    <updated>2012-01-15T04:51:24Z</updated>

    <summary>先日お知らせしましたが、来る２月９日（木）～１９日（日）に京都本社の創業満６５年...</summary>
    <author>
        <name>銀座泰三</name>
        <uri>http://www.taizou.jp/mt/mt-cp.cgi?__mode=view&amp;blog_id=1&amp;id=2</uri>
    </author>
    
        <category term="コラム" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>先日お知らせしましたが、来る２月９日（木）～１９日（日）に京都本社の創業満６５年記念の感謝の会を催します。</p>

<p>銀座の店も満１１年で１２周年に入る節目でもあります。</p>

<p>来店ご希望の方からすでにお問い合わせがございましたが、この会は基本的に案内状をお持ちの方のみにさせていただきますので、ご希望の方は、ＨＰからでも直接店にお電話いただいても結構ですがご請求下さいますようお願い申し上げます。</p>

<p>泰三の作品をそれなりにお値打ちある価格でお求めいただく良い機会でございますし、とりあえず是非一度ご来店頂ければと思います。</p>

<p>本来残るべきものが先に無くなって行くだろうというような後ろ向きの予想はしたくありませんが、販売するものが本当に見識ある行動を取らない限り、急速に良いものが市場から消えていくのです。</p>

<p>いわゆる危機バネが働ければいいのですが、技術者の技の習得に高度なものは最低１０年はかかりますので、かなり手遅れに近いのかもしれません。</p>

<p>それよりも当面は今いる職人さんが食べられるほどの仕事を確保しなければなりません。</p>

<p>ギリギリどこまで頑張れるか頑張ってまいります。</p>

<p>１月１５日は小正月で、大体この日でお飾りも外しますし、正月も終りです。</p>

<p>今年は本当にある意味たまたまですが、世間的にも節目なのかもしれませんし、私も奮い立たせて自ら鞭を当てて、前進しなければならないと思っておりますので、よろしくご鞭撻のほどお願い申し上げます。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>バブル頂点の思い出</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.taizou.jp/blog/2012/01/post-863.php" />
    <id>tag:www.taizou.jp,2012:/blog//1.1071</id>

    <published>2012-01-14T03:28:22Z</published>
    <updated>2012-01-14T08:34:11Z</updated>

    <summary>成人の日は国民の休日です。 かつては１月１５日に固定されていましたが、それはかつ...</summary>
    <author>
        <name>銀座泰三</name>
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        <![CDATA[<p>成人の日は国民の休日です。</p>

<p>かつては１月１５日に固定されていましたが、それはかつて元服の儀を１月１５日、つまり小正月になしてきたという歴史的な事実からきたことで、いわゆる日本の伝統行事でした。</p>

<p>にもかかわらず、そうしたことを重んじない政、官が、ただ連休を増やそうというだけの理由で、この日をいじってしまい、毎年日が変わってしまいます。</p>

<p>その時に大反対した政治家がいなかったのが嘆かわしいですね。</p>

<p>まさに文化的な素養の無さ、見識の無さ、日本という国への思いの希薄さを証明しています。</p>

<p>いわば歌舞伎も能も文楽も何も知らないということに通じます</p>

<p>何時も指摘しますが、もう少し日本の国の成り立ちや伝統的な文化や習慣などに目を向欲しいものです。</p>

<p>この国を如何に愛しているのかという度合いを測るには、歴史や文化への造詣の深さは良い尺度になるのではありませんか。</p>

<p>日本国の未来が心配されてますが、この国はそんなに柔なものではありませんし、一般国民はみんな辛抱して生活しています。その粘り強さ、勤勉さは世界一でしょう。</p>

<p>そうした人達の生活を担保するべき上の連中の見識のなさ、俯瞰能力の低さがこの国を危うくしているのです。</p>

<p><br />
ところで今度の新成人は大体が平成３年生まれで、バブルの絶頂で売られたなどとテレビで報道していましたが、ちょっとおかしいですね。</p>

<p>株価は平成２年に暴落しましたし、土地はこの平成３年に下がり始めました。本当の頂点は平成元年で株価が、日経平均３万８千円の時ではなかったでしょうか。</p>

<p>まあそれは良いとして、そういう報道があったのでそのころを私も色々思いかえてみました。</p>

<p>父は昭和６２年に亡くなりましたが、その頃から高級呉服が尋常ではペースで売れ始めたものです。でもそれも平成２年までで、３年からは急速に落ち始めました</p>

<p>その当時は、高級呉服は、お金のある人の消費の１ジャンルでしたし、キモノはまだまだ色々な場面でよく着られていたのです。</p>

<p>よく売れる分またつくるので、長い時間金が寝る私どもの会社にとっては、急に売りが増えると、資金繰りはかえって大変で、そういう意味でも資金需要はありましたが、それはあくまで本業のためであって、それ以外のことに使う借り入れなど考えもしませんでした。</p>

<p>私も含め堅実な経営者は、みんなそういうバブル経済に踊らされず、当たり前のことを当たり前に仕事をしていたのです。</p>

<p>しかし今でもよく覚えていますが、私は当時のメインバンクのＳ銀行の京都支店の副支店長に、金をもっと借りろ借りろと本当にしつこく攻められ、財テクを考えない経営者は馬鹿だと言われ、激怒したのを覚えています。</p>

<p>マンション経営の話、賃貸物件の取得、土地、株式投資、投資信託、まあ次から次から色々なことを言ってきたもので、すべて億単位の話でした。</p>

<p>私は大学で金融論のゼミを出ていますし、そんな銀行員よりもはるかに物も知っている自負もありましたし、真面目に仕事をしようと思っているのに、よくそんなことが言えたものだと呆れ、強い言葉で説教しました。支店長にそのことを伝え、ニ度と出入り禁止にしました。</p>

<p>その男は案の定あちこちに迷惑をかけまくった後どこかに飛んでしまいました。</p>

<p>しかし当時世の中が踊り狂っていたのは本当です。</p>

<p>本業がいかに苦しくても、そのことに金を使うのは当然でも、大した知識がないのに、財テクなどに血道を上げて、結果的にとんでもない損失を出したところが多いのは、銀行も証券会社も含めて、企業の社会的な責任や価値を認識していなかったということでしょうか。</p>

<p>良い大学を出ていても、頭がいくら良くても、結局は人間性の問題です。</p>

<p>経営者として何をしてはいけないか、何をすべきかというような勉強はしたはずでも、目先の欲をいかに抑制できるかというのは、まさに少欲知足の見識の欠如、人間としての哲学の無さでしょうな。</p>

<p>ただいくら真面目に仕事をしていてもカスの政治をさせるとその影響はいやがおうでも大きな影響を受けざるを得ません。</p>

<p>土地が上がり過ぎたからと言って時の故Ｍ大蔵大臣が打った総量規制というのが最悪の愚策で、如何に時の大蔵官僚が先を読めない人種であったかと今でも思い出すと腹立たしい思いです。</p>

<p>貸金総額は抑えるし、土地をそれ以上高くってはいけないと言う規制もして、土地価格があっという間に下がり、土地担保で金を貸している銀行は、担保不足となり、その後不良債権として貸しはがしが始まったのです。</p>

<p>すべて国の無策が、バブルを生み、バブルを壊しました。</p>

<p>当時、景気は良くなる時もあれば悪くなるという景気循環の一貫だと思っていた人は多く、いずれはまた自律的に回復するだろうと思っていた人が多かったのです。</p>

<p>適正な手を講じていれば、つまり世間が見えない官僚が余計なことさえしなければ、自律的にまたいつか回復に転じると思っていたのです。</p>

<p><br />
私共は真面目にそういうことに関わらなかったのに、先が読めなかった銀行を救うがために、多くの税金が投じられたり、庶民の預金金利をむしり取られたという政治にはいまだに許せない思いです。</p>

<p>コツコツと預金してきた人達の生き甲斐を奪い去り、投資信託を薦めてまた損をさせた見識無き金融機関の猛省がいまだに見えないというのは財務省の程度の低さと関係しています。</p>

<p>格差は当然だというのなら信賞必罰も当然でしょう。</p>

<p>零細企業者が会社の経営を間違うと身ぐるみはがれますし、いわば命をかけて仕事をしています。</p>

<p>間違ったと思うことは謝るというのが人の道です。<br />
自分の失敗を人に押し付けて知らん顔するような社会に未来があるでしょうか。</p>

<p>日本の素晴らしい自然を汚した連中が、いまだに責任も取らず居座っていること、それを強く指摘できない現実に、今の日本の現実をものがたっているような気がしますね。</p>

<p>もっと男らしく、自らの仕事に、利他の精神で、命を懸けるくらいの迫力で取り組んで欲しいものです。</p>

<p>バブル経済の頂点から２０年で本当に大きく日本が傷ついた本当の原因は見つめなおされ、責任は問われるべきだと今更ながらに思います。</p>

<p>バブル期に生まれた新成人が一体どんな思いをもってこれから社会で活躍してくれるのか非常に興味深く思っています。</p>

<p>生き甲斐や、やりがいを何に求めるかが一番の問題です。</p>

<p>まさに昇竜となって輝いて欲しい思ったものです。</p>

<p><br />
</p>]]>
        
    </content>
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    <title>時代劇も危ない</title>
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    <published>2012-01-11T12:06:42Z</published>
    <updated>2012-01-11T14:43:48Z</updated>

    <summary>今日テレビを見ていて、時代劇が激減して、裏方の人たちが食べられなくて、後継者が育...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <![CDATA[<p>今日テレビを見ていて、時代劇が激減して、裏方の人たちが食べられなくて、後継者が育たないというような話がありました。</p>

<p>民放の時代劇ドラマは、かつて３２本あったそうです。ところが近年激減し、昨年水戸黄門<br />
まで終了してしまい、現在はたった１本なのだそうです。</p>

<p>なぜか？つまり金です。</p>

<p>時代劇の視聴者は高齢者が多く、相対的にあまりお金を使わないので、スポンサーが付きにくいということなのです。</p>

<p>そのうえ時代劇は製作スタッフも数多く、コストが高いという事情もあって、テレビ局も次々に番組を終了していったのです。</p>

<p>たまに特番や時代劇映画などがあってギリギリ、ベテラン製作スタッフの経験やノウハウが生かされているようですが、若い人は生活が大変苦しくて、太秦映画村でアルバイトしたりしています。</p>

<p>このままなら時代劇に欠くべからざる多くのノウハウが消えてしまうかもしれず、時代劇を製作することそのものが困難になるかもしれないと言われています。</p>

<p>方や隣の韓国では、時代劇のドラマや映画は盛んにつくられています。</p>

<p>これには国が関与して、大変安価で借りられる国営の時代劇用のセットの他、制作費の援助、国挙げての輸出振興などなど、まさに文化を金にしています。</p>

<p>日本も国が優秀な時代劇には制作費を援助し、世界の映画祭に参加させ、商業的にも成り立つように取り計らうべきでしょう。</p>

<p>日本は独自の文化を有し、そのレベルの高さは世界有数で、海外から高く評価されています。</p>

<p>ところが今の政治家、官僚にはその価値が全くの様に理解されていません。</p>

<p>どんどん縮小していく文化振興への援助を仮に陳情しても、教養のかけらも無い役人は、そんな小さな産業を助けて何になるのかと平気でいうそうです。</p>

<p>自分の手柄としては小さすぎるとか、天下り先にならないと思ってしまうのでしょう。</p>

<p>まるで税金は自分の金だと言わんばかりのとんでもない対応です。</p>

<p>つまり金に換えられないものを護ることで、どれほど価値があるかという教養が全くないということで、国家公務委員試験の点数の高い者から財務省に行くというような、頭はいいけれど世間知らずの数字おたくを山ほど生み出してしまっています。</p>

<p>このままでは本当に先人が築き上げてきた秀逸な文化が次々消え去ってしまいます。</p>

<p>私は政治家や公務員を選ぶときに、どれほど日本の国を愛している証拠として、こうした文化的な知識や思いを問うべきだろうと思います。</p>

<p>日本の政治家と官僚、それに経済人が、日本をどのように語るかというときに、金の話ばかりではあまりに情けないでしょう。</p>

<p>外交でも、もっと文化交流を広めて行かなければなりませんが、そのためには日本文化に精通する政治家の存在が望まれますが、今の政治家でそういう話ができるものが、皆無に近いというのが現実です。</p>

<p>私は民主党の若手にもそのことを強く指摘しましたが、全く分かっていません。</p>

<p>いったいどうすればいいのかと思うのですが、こうした文化崩壊に危機感を持つ人、真の文化人を国会ある程度の数で送り出すことしかないのかもしれません。</p>

<p>増税の話しかできないような、つまり金しか頭にない小物が総理大臣になれてしまうという恐ろしいほどレベルの低い政治情勢を本当に危ぶんでいます。</p>]]>
        
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    <title>黒染めの話</title>
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    <published>2012-01-08T14:00:00Z</published>
    <updated>2012-01-09T13:27:40Z</updated>

    <summary>私の祖父は、黒染め屋でした。染工場の主でした。 染には２通りがあります。１つは浸...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <category term="キモノ業界の話" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>私の祖父は、黒染め屋でした。染工場の主でした。</p>

<p>染には２通りがあります。１つは浸染（浸け染、焚き染とも言います）で、染料のタンクに生地を浸けて染める方法で、黒染めだけでなく勿論色染めもあります。</p>

<p>色無地などはこの染め方で染めることが多いのです。もう１つは引き染です。</p>

<p>祖父はその浸染の仕事をしていました。当然ですが当時は、黒紋付きや、喪服は必需品でもあり、相当な仕事の量があり、良い仕事だったので、数多くの染屋さんがありました。</p>

<p>ちょっと広い作業場が必要だったので、染屋は比較的広い地所を持っていました。</p>

<p>一昔前は、嫁入りのときには喪服は必ず持って行ったものです。<br />
京都などではその時、以前にお書きした女紋を入れるのです。</p>

<p>我々の世代の女性はまずほとんど喪服は持っているはずです。</p>

<p>ところが時代が下がって、今お葬式でも、喪服をお召しになっている人は本当に少なく、また同様に男性でも黒紋付きを着ることもほとんどなく、持っている人も少ないのです。</p>

<p>婚礼の時には借りる人が殆どで、葬式でも借りている人も多いのです。</p>

<p>ですから当然ですが、染める仕事は激減し、いつのころからか廃業が連発しました。</p>

<p>地所が広いので、マンション、アパート経営、駐車場などの経営をしているところが多いようです。会社名は何とか染工などと言っても、実質は不動産管理業です。</p>

<p>今そういう黒染屋は、たった数軒です。祖父は京都黒染工業組合の初代理事長でした。</p>

<p>父が今の模様物の世界に転身したので、祖父の仕事は二男の叔父が継いだのですが、その叔父もなくなり、その後を継いだ従兄弟は、市況の急速な悪化で、数年前に廃業し、土地も売ってしまいました。</p>

<p>私の父が生きていたら、私が継いでいたら絶対そんなことはさせなかったのですが、実際同業の染工場も連続廃業し、今ではたった数軒だけが残っています。</p>

<p>浸染でそういう状況ですから、引染も同じです。</p>

<p>正月の挨拶に、黒の引染屋さんが来ましたが、ずいぶん太っていたので聞いてみるとあまりに仕事が無くて、身体を動かさ無いから太ったとのことでした。</p>

<p>ここは京都でももう数少ない３度黒の仕事ができるところです。以前に京友禅の工程解説で詳しく述べていますが、京都でしかできない手のかかる染め方です。</p>

<p><a href="http://www.taizou.jp/blog/2008/03/72.php">http://www.taizou.jp/blog/2008/03/72.php</a><br />
でもそのおかげで京都独特のむっくりした黒色を出すことができるのです。</p>

<p>手間のかかる分だけ加工賃も高いのです。</p>

<p>でも元来黒留袖はほとんどがこの３度黒をしていたのですが、いつのころからか、通称ブラックといって、黒の染料をただ１回引くだけの仕事にほとんど変わってきました。</p>

<p>理由は簡単です。加工賃が安いからです。</p>

<p>問屋が悉皆屋に加工賃を値切り倒すので、こういうことになってしまいました。</p>

<p>最近はそのブラックの仕事でさえ少ない、つまり手描き友禅の黒留袖の生産が激減しているということです。</p>

<p>そういう中でもいいものを求める方もおられますから、泰三は確かに以前よりも少なくても、コツコツと作っているのですが、その染屋さんも当社の仕事だけでは食えませんから、他の生産者が仕事を出してくれなければ、いずれ廃業するでしょうし、そうなれば当社は、非常に困ります。</p>

<p>ひとり気を吐いて良いものを作ろうと思っても、１人で１軒の染屋さんを食わせるほどの仕事量はありません。</p>

<p>京友禅の工程の中で、ある程度量が無いと成り立たない仕事は、今までは何軒かで支えていましたが、１軒去るごとに、仕事量が減り、上物の生産ほど危機的なのです。</p>

<p>当社も創業以来６５年間３度黒の生産だけしかしていませんでしたし、これからもそのこだわり、先人の知恵を重んじたいのですが、全く予想がつかない状況となってきました。</p>

<p>その染屋さんも工場の上の方を賃貸マンションにしていますから、何とか食べられるようですが、このままではいずれ染の仕事を辞めてしまうかもしれないし、何とか需要を喚起しないと、京都独特の手のかかる、付加価値の高い技は終わってしまうかも知れないのです。</p>

<p>３度黒は黒を３回引いているのでは無いのですが、室町の問屋でも正しくそのことを知りませんし、まして専門店やデパートでそのことを説明できる人ほぼ皆無でしょう。</p>

<p>ブラックは染めた時点が一番黒くて、だんだん色があせていきます。３度黒は徐々に酸化で良い色になって行きます。</p>

<p>ただ酸化剤は必要以上に乗っていると、変色してしまいますので、やはり仕事が難しいのです。</p>

<p>以前にお書きした蒸し、水元などと同様に、引染の仕事の将来も見えません。</p>

<p>戦後日本で一番早く、日本一の黒留袖を作り始めた先代のこだわりが一体いつまで維持できるのか、私にもまったくわかりません。</p>

<p>ただ自らは終わら無いように努力するだけです。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="黒紋付き.JPG" src="http://www.taizou.jp/blog/img/%E9%BB%92%E7%B4%8B%E4%BB%98%E3%81%8D.JPG" width="314" height="777" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></span></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="黒留袖.JPG" src="http://www.taizou.jp/blog/img/%E9%BB%92%E7%95%99%E8%A2%96.JPG" width="253" height="621" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span></p>

<p></p>

<p></p>

<p><br />
</p>]]>
        
    </content>
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    <title>止まらない縮小</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.taizou.jp/blog/2012/01/post-862.php" />
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    <published>2012-01-08T06:12:38Z</published>
    <updated>2012-01-08T07:16:16Z</updated>

    <summary>昨年は不幸な出来事が続いたこともあって、消費が減退し、不要不急の物は買うのを控え...</summary>
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        <name>銀座泰三</name>
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        <category term="キモノ業界の話" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.taizou.jp/blog/">
        <![CDATA[<p>昨年は不幸な出来事が続いたこともあって、消費が減退し、不要不急の物は買うのを控えるという風潮で、当然ですがキモノ市場も縮小しています。</p>

<p>したがって新規の生産も控え、在庫を売るという動きが加速し、産地への発注は減る一方です。</p>

<p>紬などの産地も同様ですが、我々染のキモノにとって必要欠くべからざる、白生地の産地も大きな影響を受けています。</p>

<p>昨年の前半、中国の生糸価格が急騰したのですが、欧州の消費不況の影響もあって後半は急落し、その影響を受けた白生地市場は混乱し、値上がり前の仮需で一時期、産地も対前年で増産に転じたのですが、値下がりを受けて今度は一転して、大減産となりました。</p>

<p>結局１年を通して対前年でまた生産が減り、昨年１年の生産統計では、丹後が４５万反強、長浜が７万反です。</p>

<p>昭和５０年の最盛期には、丹後が確か９９７万反、長浜が１８３万反だったように記憶しています。</p>

<p>猛烈な減り方ですが、特に長浜は４％を割り込みました。</p>

<p>長浜の浜縮緬は無地ものですので、大体がフォーマル需要です。</p>

<p>経糸に平糸使いの作り方が多いので、撚った駒糸を使うよりも難しく、その分風合いも良いので、高級なものは浜ものを使うことが多いのです。</p>

<p>それがここまで数字が落ちると、実質的な織屋はもう１０軒もあるかないかと言われていますし、産地として存亡の危機です。</p>

<p>従業員の高齢化も進むいっぽうですが、大きな問題は精練場の維持です。</p>

<p>白生地は普通生糸のままで織るので、芯になるフィブロインの周りに、にかわ質のセルシンもそのままに織ります。</p>

<p>それを精練といういわば洗濯をして、そのセルシンをある程度残して取り去るのです。</p>

<p>そうすることで白生地独特の、しなやかさや光沢を生みます。</p>

<p>ただこの精練には、各産地にそれなりのノウハウがあって、たとえば長浜のものを丹後精練場に持ち込むと、似て非なるものになってしまいます。もちろん逆も同じです。</p>

<p>ただこの精練場は、そこそこ大きな土地、作業員、お湯を沸かすために燃料も必要ですし、仕事の量がある程度無いと維持できません。</p>

<p>現在長浜ではあまりに仕事が減ったので、月曜から木曜の週４日操業です。そのうち３日操業になるかもしれません。</p>

<p>ここまで来ると単なる値上げなどで解決できる問題ではなく、丹後などでも出機などの賃機屋さんが連続して廃業しています。</p>

<p>まさに生産上の危機的な状況にあると言って差し支えないのです。</p>

<p>丹後でも最近はキモノや帯そのものを生産し、販売していこうという試み、広幅のものを、つまり洋服地を織っているところもありますし、色々と知恵を絞っているのですが、</p>

<p>いかんせん主力のキモノの生産がどんどん落ち、廉価な、低品質の物の生産が占める割合が年々上昇していることも問題です。</p>

<p>産地の若い人たちも一生懸命になって鳩首を寄せてこれからのことを考えた動きに取り組んでいるようですが、本当に先が見えないという状況には違いありません。</p>

<p>製品を作ってもそれをどのようにして販売していくかという問題もありますし、下手に室町の問屋に声をかけると、利用されるだけで、しかもとんでもない値になって前へ出ていく可能性があり、これまた難問です。</p>

<p>こうした産地の危機は将来この業界全体の存亡にかかわる問題ですが、残念ながら小売りの組合などに、産地への思いやりのある言葉がありません。</p>

<p>消費者が求める質のいいものを生産してもらうための運動を繰り広げてほしいものです。</p>

<p>私個人でいえば、泰三のキモノのファンが増え、その分生産にいそしむということに尽きるのです。</p>

<p>今年まだ生産が下がるようなら、まさに底割れ状態となって、廃業がもっともっと増えていくかもしれないという考えたくない事態が現実のものとなるかもしれません。</p>

<p>西陣、京友禅の生産に携わる人は、みんな本当に収入も少なく、高齢だから持っているようなものです。いまさらほかの仕事をできるわけもなく、辛抱強いのでなんとか仕事をしていただいていますが、本当に申し訳なく、何とかもっと需要を喚起し、生産に寄与しなければならないと言うことです。</p>

<p></p>

<p></p>

<p><br />
</p>]]>
        
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