本手描き友禅の話の最近のブログ記事

泰三のキモノは、多くの職人さんの手を経て出来上がります。 以前にもお書きしましたが、㈱染の聚楽という本社は、染呉服製造卸業を親の代から65年営んでいるのですが、当初から職人さんに直接仕事をしてもらって製造しておりました。 同業のところはほとんど悉皆屋さんに仕事を出すのです。実際はそのほうが仕事としては楽なのですが、父以来オリジナリティにこだわりすべて自らの手で作ることにこだわっ
前回の刺繍までの工程が終わりますと、特殊なものを除いてほぼ完成ということになります。  ここへ来るまでに多くの職人さんの労苦と時間を経て(物によっては1年以上もの歳月を要しますが)出来上がった作品を見るとき制作者としては非常な喜びを覚えるのですが、まだ最後にすることがあります。長い工程を経ると時々どうしても人がやることですからある程度やむを得ないのですが、しみがついたり汚れた

第15回 刺繍(その4)

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今月もいくつかの技法の解説をすることで刺繍の工程解説を終えます。   4)駒使い繍 ― 金駒繍、銀駒繍等   金糸や銀糸、或いは駒よりの糸を木で作った駒(真ん中が細い丸い棒状で両端が四角い糸巻き)に巻き取り、この糸を置き糸といって下絵の線に合わせておき、別の細い糸でとじ付けていく技法です。       通常金糸2本(2駒)

第14回  刺繍(その3)

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今月は具体的に刺繍の技法の話をさせていただきます。刺繍技法は基本的なもので15種類以上、それらの応用的な技法を入れると数え切れないほどありますので、ここではそのうちの代表的な技をいくつかご紹介させていただきます。 1) 刺し繍(さしぬい) 比較的面積の広い部分をつめる技法で、撚りのかからない平糸を使用します。 文様を外側から内側へ何段かに分けて繍うのですが、1段目を針の継ぎ目

第13回 刺繍(その2)

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今回から具体的な刺繍の工程を記しますが、実際に縫うまでにも色々な準備作業があります、まず 下絵 から始まり、 生地張り、糸染め、糸巻き、糸撚り(京刺繍の場合) をし、実際に 繍い 、その後 仕上げ というのが一般的な作業の流れです。  それぞれを簡単に説明しますと、まず 下絵 は下絵職人さんの仕事で、刺繍の下絵だけを書く場合もありますが、加飾作業としての刺繍の場合は、友禅の出

第12回  刺繍 (その1)

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今回から刺繍の話をさせていただきます。色々な工程を経て、付加価値をつける最後の工程です。もちろん刺繍の無いきものもありますが、高級なきものには必ず刺繍を施します。特に私の作品はその刺繍に相当重きを置いており、刺繍で色々と表現することを得意としております。そうしたジャンルのきものとしては日本一すなわち世界一の仕事をしていると自負しております。それゆえ刺繍には、特別のこだわりがあり

第11回 金彩(その2)

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先月積み残しました、金彩の技法の解説を今月も続けます。 「砂子(すなご)技法」  接着剤を塗った生地の上に、箔を細かく砂子状に振り落として接着させる方法で、 「振り金砂子」 とも呼びます。接着剤は筆で塗り、乾燥する前に手早く砂子を振り落とします。砂子は、竹筒または金属筒の一方に金網を張った 砂子筒 に 切り廻し箔 (金箔や銀箔を作る工程で、箔を規定の寸法に裁断するときに出る
金彩 というのは金加工とも言いますが、染め上がった生地に、金や銀などの箔、あるいは金属粉を接着加工する技術です。金彩と呼ばれるようになったのは比較的最近のことのようで以前は、 印金(いんきん) と呼ばれ、その根源は中国で、宋の時代以降、織物の生地の上に、糊、漆、ニカワなどの接着剤で文様を描き、その上に金箔を押し当てて乾燥させた後余分の金箔をふき取って文様を表現する技術があり、こ

第9回 湯熨斗(ゆのし)

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前回書きました 水洗(水元) まで終わりますと、一応きものは染めあがった状態になりますが、多くの過程をとおり水も通しましたので、生地がいわば洗濯しあがった状態のようになっており、このままでは次の工程に移れません。それで水洗の後よく乾燥させ、次に 湯熨斗 を一度かけます。これはやや皺くちゃになった生地に、裏から蒸気を当てながら皺を伸ばすと共に、生地幅や長さを整えていく作業です。こ

第8回 水洗(水元)  

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先月黒引染のことをだいぶ詳しく書かしていただきましたが、ちょっと文章だけではご理解いただくのは難しかったかもしれません。ただこのことは小売屋さんでも正確にご存知の方は、ほとんどありません。もし今度どこかのお店に行かれて黒留袖の染色方法をお聞きになった時、まともに答えられたら、その方は相当勉強されておられるし、信頼に足る人だと思います。それは余談としても業者でさえ、きものの製造工
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